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本編
大事な話のその前に
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放課後、上半期のメンバーとさらに二人が集まる。
いつもは、卯月と葉月が部活で月花がクラス委員でいないから放課後に全員で集まることは珍しい。
「ということで、明日下村さんのお宅に行きたいと思います。いけない人はどれぐらいいる?」
そういってみんなの顔を見る。手が上がっていない。ただ一人を除いて。
「あの、姫」
「なに?」
参加できないのだろうか。まあ、それならそれで仕方ない。どっちにしろ全員はいけないから人数をしぼるつもりだった。
長月君が来れないのは少し残念だけど。
「来週の月曜日、テストだけど大丈夫ですか?」
「いまなんて?」
「だから、来週テストなのにこんなことやってて大丈夫なんですか」
「まじで」と私の問いに長月は真剣な顔で「まじです」と答える。
「・・・」
「いやああー!!」
わたしと卯月と一とマチはパニックである。
一人だけおなかを抱えて笑っているけど、今はそれに突っ込んでいる場合ではない。
「やばい、やばい、やばい。どうしよう」
「やばいですよ。どうせ、勉強してないんでしょ」
そういわれると、返す言葉もない。
「っていうか、みんな知ってたなら教えてよ」
「いや、普通忘れないでしょ。卯月も何で部活休みになってるのに気づかないの」
「いや、珍しく鬼監督が休みをくれたのかなって」
「そんなわけないでしょ。赤点取ると、また練習量増えるよ」
卯月の顔がみるみるうちに青くなる。
「ヒカリちゃん、助けてよ」
「いやです」
即答である。
「いやそこを何とか」
「いやです」
また、即答である。
「ひどいよ。わたしたち友だちでしょ」
「そうだそうだ」
卯月ものっかってくる。
「いやなものはいやです」
「少し教えてくれるぐらいいいじゃないか。ヒカリの鬼!!」
「卯月さんだれにものを言ってるんですか。勉強は自分のためにするものですし、お二人の学力は私が教えた程度ではどうにもならないでしょ」
ふぐっ
心に矢が刺さったような痛みが走る。
その痛みに耐えられずわたしと卯月は膝をつく。
ヒカリ様はお怒りモードのようだ。
「卯月さん、勉強しないとまた監督に言われますよ。「バカなんだからせめて脳筋でも高校に行けるようにバスケ強くならなきゃな」って」
「はうっ」
卯月から情けない声が出る。
「まあ、でもそれぐらいなら練習量が増えるぐらいで済みますもんね。でも、またフラれますよ。たしか、あこがれの先輩から言われましたもんね「お前、そこまで馬鹿だとひくわ」って」
「うぐっ」
まずい、もう卯月がグサグサと刺されてノックアウト寸前だ。
「メイちゃんも、勉強しないとお母様にテレビ電話で説教されるんですよね。しかも、ついでにおじさんも怒られるとか」
くはっ
「そういえば、メイちゃんには関係のないことかもしれませんが生駒さん塾の先生をされているそうです。おじさんは頭のいい人が好みなんですかねえ。まあ、おバカなメイちゃんには関係ないかもしれませんが」
かはっ
な、なんのこれしき。耐え抜いて見せる。
「まあ、でもお二人がどうなろうがしょうがないですよね。バカなんだから」
はぐっ
とどめの一撃だった。
「ひっ、姫。卯月さんしっかりしてください。如月さんいくらなんでもいいす…」
「長月君いいんですか。これをばらまいても…」
「ひいっ。なっ、なんでもありません」
そういって、教室から出ていく。
教室は静寂につつまれる。
この日私たちは、ヒカリちゃんの恐ろしさを改めて実感しました。
いつもは、卯月と葉月が部活で月花がクラス委員でいないから放課後に全員で集まることは珍しい。
「ということで、明日下村さんのお宅に行きたいと思います。いけない人はどれぐらいいる?」
そういってみんなの顔を見る。手が上がっていない。ただ一人を除いて。
「あの、姫」
「なに?」
参加できないのだろうか。まあ、それならそれで仕方ない。どっちにしろ全員はいけないから人数をしぼるつもりだった。
長月君が来れないのは少し残念だけど。
「来週の月曜日、テストだけど大丈夫ですか?」
「いまなんて?」
「だから、来週テストなのにこんなことやってて大丈夫なんですか」
「まじで」と私の問いに長月は真剣な顔で「まじです」と答える。
「・・・」
「いやああー!!」
わたしと卯月と一とマチはパニックである。
一人だけおなかを抱えて笑っているけど、今はそれに突っ込んでいる場合ではない。
「やばい、やばい、やばい。どうしよう」
「やばいですよ。どうせ、勉強してないんでしょ」
そういわれると、返す言葉もない。
「っていうか、みんな知ってたなら教えてよ」
「いや、普通忘れないでしょ。卯月も何で部活休みになってるのに気づかないの」
「いや、珍しく鬼監督が休みをくれたのかなって」
「そんなわけないでしょ。赤点取ると、また練習量増えるよ」
卯月の顔がみるみるうちに青くなる。
「ヒカリちゃん、助けてよ」
「いやです」
即答である。
「いやそこを何とか」
「いやです」
また、即答である。
「ひどいよ。わたしたち友だちでしょ」
「そうだそうだ」
卯月ものっかってくる。
「いやなものはいやです」
「少し教えてくれるぐらいいいじゃないか。ヒカリの鬼!!」
「卯月さんだれにものを言ってるんですか。勉強は自分のためにするものですし、お二人の学力は私が教えた程度ではどうにもならないでしょ」
ふぐっ
心に矢が刺さったような痛みが走る。
その痛みに耐えられずわたしと卯月は膝をつく。
ヒカリ様はお怒りモードのようだ。
「卯月さん、勉強しないとまた監督に言われますよ。「バカなんだからせめて脳筋でも高校に行けるようにバスケ強くならなきゃな」って」
「はうっ」
卯月から情けない声が出る。
「まあ、でもそれぐらいなら練習量が増えるぐらいで済みますもんね。でも、またフラれますよ。たしか、あこがれの先輩から言われましたもんね「お前、そこまで馬鹿だとひくわ」って」
「うぐっ」
まずい、もう卯月がグサグサと刺されてノックアウト寸前だ。
「メイちゃんも、勉強しないとお母様にテレビ電話で説教されるんですよね。しかも、ついでにおじさんも怒られるとか」
くはっ
「そういえば、メイちゃんには関係のないことかもしれませんが生駒さん塾の先生をされているそうです。おじさんは頭のいい人が好みなんですかねえ。まあ、おバカなメイちゃんには関係ないかもしれませんが」
かはっ
な、なんのこれしき。耐え抜いて見せる。
「まあ、でもお二人がどうなろうがしょうがないですよね。バカなんだから」
はぐっ
とどめの一撃だった。
「ひっ、姫。卯月さんしっかりしてください。如月さんいくらなんでもいいす…」
「長月君いいんですか。これをばらまいても…」
「ひいっ。なっ、なんでもありません」
そういって、教室から出ていく。
教室は静寂につつまれる。
この日私たちは、ヒカリちゃんの恐ろしさを改めて実感しました。
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