いまさらですが、中二病で世の中は回っている!!

丸ニカタバミ

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本編

第二回中二病会議

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「さあ、とりあえず第二回中二病会議を開催します」
「いっ、いえー」
「はいそこー、いまさらとか言わない!」
 といいながらビシッと指をさす。
「いや、誰も何も言ってませんけどね」
「というか、なんで俺まで」
 さすがに中仁さんもめんどくさそうだ。
「さらに、今回はクールアンドスタイリッシュビューティーアドバイザーのサクラさんに来ていただきました」
 たしかに肩書としては間違いないのだろうけどなんだろう、このうさん臭さは。
「さらに司会進行はヒカリちゃんにやっていただきます」
 進行と書かれたプレートの前に座っている殿は短く「どうも」といった。
「そして、最後に書記は出番が少ないどころか本編にまったく絡んでいない幽霊部員、ハジメちゃんです」
 その呼び方もどうなのだろう。
「ということで、あとはお任せします」といって、お菓子の購入特典でついてくるマイクを殿に手渡す。
「はい、ということで今回のルール説明です。大喜利形式で行います、そこから本人適正と芸術点、技術点の合計得点が高いほうが勝利です。今回の回答者の二人ですがアドバイザーのサクラさんこの勝負どうなるでしょうか」
「そうですねー、やはりなつき君は現役隠れ中二病患者ですから流行りにあった中二病さを展開するでしょう。それに対してナカポン選手は現役の素人作家ですからオリジナリティーとバイタリティーあふれる作品が出来上がるのではないでしょうか」
「なるほど」
 ん?今なんか聞き捨てならないことを言われたような気が。だれが隠れだって。
「では、最初のお題はこちらです」
 そういうと殿はお題の書かれたフリップを前に出した。
「中二病心をくすぐる必殺技を考えなさい。それではシンキングタイムスタートです」
 (始まってしまったからには仕方がない。なにかは考えないと。)
 そう思ってフリップに向き合ってみる。
(ダメだ浮かばない)
「両選手、なかなか手が動きませんねえ。解説兼アドバイザーのサクラさんなぜなんでしょうか」
「そうですね。必殺技と一口に言っても特撮らしいものからファンタジーまでたくさんの種類がありますからまずは自分がどの路線で攻めるのかを考えなければいけません。そのうえで中二病感を出さないといけないので悩みどころですね」
「なるほど。確かにそうなると慎重にならざるをえませんね」
「しかも1題目の一発目ですからね。出来が良すぎても悪すぎてもしんどくなりまー」
「おーっとここで動きがあるようです」
 とりあえず、これでいくしかない。どうせ、最初はすべるんだ気にせず行くしかない。
「エターナル ドライブ マキシマム」
 ……
「さぁ、点数はいかに」
 1.5
 あれ?おもったよりも低い。
「思ったよりも伸びませんでしたね。個人的にはそれっぽいと思ったのですが原因はいったいどこにあるのでしょうか」
「エターナルやマキシマムを使い、ドライブでつないだのはよかったのですがやはり中二病感が薄かったのだと思います。さらに、恥ずかしがったのはマイナスでしょう」
「やはりそこでしたか」
 やはりじゃねえ。
「あとは、ライダーシリーズに似たようなものがあるのがなおさらでしょう」
「ああ。何か見覚えがあると思ったらそうだったんですね。二人で一つのやつですか」
「おそらくはそうかと。ナカポン選手が動きましたね」
 静かに中仁さんがフリップを置く。
「フレイム・バーニング・エクスプロージョン!」
 ……
「これはなかなかですね。さあ点数は」
 3.5
「一発目にしてはなかなかな点数がでましたね」
「ここはしっかりと決めてきましたね。火炎系を二回使いさらに流行りのエクスプロージョンですからね。最後にアクセントを持ってくるあたりは必殺技感を倍増させますしね」
「なるほど。ここでなつき選手が手を上げましたね。先ほどは思ったよりも点数が伸びなかったが今回はどうか」
「神斬夢想流居合術四《し》ノ型刹那」
 6
「決まりました」
「和風ですね。武術の流派をいい、さらに居合術。四と死をかけた上で一瞬だと示す刹那ですからね。これはなかなかくすぐられるのではないでしょうか」
 よしこれはなかなかじゃないか。
「漆黒の黒炎《ダークネスブラックフレイム》 ver.シャドープロミネンス」
 9
「最高得点が出ました!審査員全員がほぼ満点に近い点数を出しております。これは勝負あったかー!」
「トリプルダークにダブルフレイムのコンビネーションですね。さらに特殊技を示すかのようにver.と書かれているのがすばらしいです。テンプレかと思わせた上でのシャドープロミネンス、これは震えますね。しかもしかもですよ!ダークフレイムというテンプレがあるにもかかわらず前のダークネスにかぶらないようにブラックフレイムに変えてきてますからね、ここにセンスを感じない人はいないでしょう」
 もう、なんか勝てる気がしない。
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