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第1章
第14話 お母さんの話
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「今日はお邪魔させて頂きありがとうございました」
「いえいえ、またいらしてちょうだい」
「はい!」
約2時間程ケイトとライトさんとお話をし、家を出ることにした。ケイトはちょっと浮かない顔をしているがそこも可愛い。
「バッド君……家まで送るよ?」
「いやいや、大丈夫だよ。今日はゆっくりさせてもらっちゃったし」
「で、でも……」
「じゃあ、途中の森の前まで送ってよ」
「う、うん!!」
もう一度軽くライトさんに会釈をし、リビングを出る。登ってきた螺旋階段を下っている途中。さっきすれ違ったメイドと同じような服装をした女性が目の前から昇ってくる。
でも、容姿はさっきのメイトとは全く違い、長い黒髪をなびかせる清楚な女性であった。
こうして俺とケイトはお城を後にした。
たわいない話を続けながら門を出る。そして、街をぬけて俺とケイトが出会った街まで続く森の目の前まで来た。
「じゃあ……ここまでだね」
「うん……」
なんでここまでなんて言っちまったんだよ! せっかく一週間ぶりに会えたっていうのに……!
……よし。そうだ。今日は俺から次の予定を……
「あ、あの……つ、次は……!」
「1週間後またいつものところで! 空いてる?」
「え、あ、うん……」
「どうしたの? ……嫌?」
「い、いや! あ、違うよ!? 嫌じゃないよ!!」
「そっか……よかった!」
また先を越されてしまった。まだ俺からデート誘ったことないのに……不覚。
でも……まぁいっか。会えるんだ。また。何回だって会えるんだから。
「じゃあまた1週間後。いつもの場所で」
「うん。またね。気をつけて」
「ケイトも気をつけて帰ってね。あと、お母さんにもよろしく言っといて」
「任せてよ」
こうして、1週間ぶりのデートが終わった。ケイトに背を向け歩みながら後ろを向き手を振った。
前までは考えられなかったような今が当たり前になっている毎日。そんな幸せを大してかみ締めていなかった俺はとんだ大馬鹿者であることを気が付くのもそう遠くない話である。
☆☆☆
「ただいまー!」
「おかえりなさい、ケイト」
「バッド君がよろしくって伝えといてーだって」
「あら。それは嬉しいわね」
「良かったらまた呼んでもいい? あ、あと体調。今日は大丈夫?」
「……ええ。もちろん。身体も元気よ」
「……? 本当に大丈夫? あ、ラストラさんから聞いたんだけどお母さんが話あるって言ってたって聞いたんだけど……」
「……そう。少し考えればわかると思うけど……」
「……帰ってくるの?」
「ええ……詳しい日はわかってないけど近々ね」
「分かった」
「あと、バッド君の事。あの人にはバレない方がいいかもね」
「……うん。お母さんは私が守るからね」
「そんな大丈夫よ。ケイトの方こそあんまりあの人に大して変なこと言っちゃダメだからね」
「……はい。……ちょっと散歩してくる」
ライトから話を聞いたケイトはもう一度家を出て、街へと散歩へ出かけた。
「帰ってくるんだ……バッド君ともう……会えなくなっちゃうのかな……」
日が沈み、静かな街中を涙を流しながらゆっくりと歩むケイト。
「ねぇ。君」
「……?」
後ろから声をかけられたケイトはゆっくりと振り向いた。見覚えのない、同い年くらいの男。
「ケイトさん……だよね?」
「……なんで私の名前を? あなたは誰ですか……?」
「私の名前は────」
バッド以外のもうひとつの影が、ケイトに忍び寄っていた。
「いえいえ、またいらしてちょうだい」
「はい!」
約2時間程ケイトとライトさんとお話をし、家を出ることにした。ケイトはちょっと浮かない顔をしているがそこも可愛い。
「バッド君……家まで送るよ?」
「いやいや、大丈夫だよ。今日はゆっくりさせてもらっちゃったし」
「で、でも……」
「じゃあ、途中の森の前まで送ってよ」
「う、うん!!」
もう一度軽くライトさんに会釈をし、リビングを出る。登ってきた螺旋階段を下っている途中。さっきすれ違ったメイドと同じような服装をした女性が目の前から昇ってくる。
でも、容姿はさっきのメイトとは全く違い、長い黒髪をなびかせる清楚な女性であった。
こうして俺とケイトはお城を後にした。
たわいない話を続けながら門を出る。そして、街をぬけて俺とケイトが出会った街まで続く森の目の前まで来た。
「じゃあ……ここまでだね」
「うん……」
なんでここまでなんて言っちまったんだよ! せっかく一週間ぶりに会えたっていうのに……!
……よし。そうだ。今日は俺から次の予定を……
「あ、あの……つ、次は……!」
「1週間後またいつものところで! 空いてる?」
「え、あ、うん……」
「どうしたの? ……嫌?」
「い、いや! あ、違うよ!? 嫌じゃないよ!!」
「そっか……よかった!」
また先を越されてしまった。まだ俺からデート誘ったことないのに……不覚。
でも……まぁいっか。会えるんだ。また。何回だって会えるんだから。
「じゃあまた1週間後。いつもの場所で」
「うん。またね。気をつけて」
「ケイトも気をつけて帰ってね。あと、お母さんにもよろしく言っといて」
「任せてよ」
こうして、1週間ぶりのデートが終わった。ケイトに背を向け歩みながら後ろを向き手を振った。
前までは考えられなかったような今が当たり前になっている毎日。そんな幸せを大してかみ締めていなかった俺はとんだ大馬鹿者であることを気が付くのもそう遠くない話である。
☆☆☆
「ただいまー!」
「おかえりなさい、ケイト」
「バッド君がよろしくって伝えといてーだって」
「あら。それは嬉しいわね」
「良かったらまた呼んでもいい? あ、あと体調。今日は大丈夫?」
「……ええ。もちろん。身体も元気よ」
「……? 本当に大丈夫? あ、ラストラさんから聞いたんだけどお母さんが話あるって言ってたって聞いたんだけど……」
「……そう。少し考えればわかると思うけど……」
「……帰ってくるの?」
「ええ……詳しい日はわかってないけど近々ね」
「分かった」
「あと、バッド君の事。あの人にはバレない方がいいかもね」
「……うん。お母さんは私が守るからね」
「そんな大丈夫よ。ケイトの方こそあんまりあの人に大して変なこと言っちゃダメだからね」
「……はい。……ちょっと散歩してくる」
ライトから話を聞いたケイトはもう一度家を出て、街へと散歩へ出かけた。
「帰ってくるんだ……バッド君ともう……会えなくなっちゃうのかな……」
日が沈み、静かな街中を涙を流しながらゆっくりと歩むケイト。
「ねぇ。君」
「……?」
後ろから声をかけられたケイトはゆっくりと振り向いた。見覚えのない、同い年くらいの男。
「ケイトさん……だよね?」
「……なんで私の名前を? あなたは誰ですか……?」
「私の名前は────」
バッド以外のもうひとつの影が、ケイトに忍び寄っていた。
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