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第3章『初クエストと旅立ち』
第九話『いざ、ギルドへ』
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そしていよいよ当日がやってきた。
まだ太陽が地平線から顔を出したばかりの頃、ハルトは静かに目を覚ました。
ダリオから譲り受けた革鎧を身につけ、アレンのお下がりの古びた小盾を背に回す。腰には、使い込まれた剣――これもダリオのお下がりだ。肩には、エリナから受け取った大きなリュック。中には保存食や水袋、簡単な薬草が詰め込まれていた。
準備を終え、いざ家を出ようとしたその時。
「……これ」
背後から声がして、ダリオが分厚い本を差し出してきた。
「中身は、この世界の辞書だ。俺ら三人からのプレゼントだよ」
少し照れ臭そうに笑いながらダリオは続けた。
「これで言葉をもっと覚えて、ちゃんと腹割って話し合おうぜ。……ま、いらないなら置いて行ってもいいし、途中で邪魔になったら捨ててもいい。最悪、焚き火の燃料にでもしてくれりゃいい」
ハルトは首を横に振り、本を両手でしっかりと受け取った。
「そんなことしない。ありがとう。」
その一言に、エリナとアレンも目を細めて微笑む。
カイルはぐっすりと眠っていた。
ハルトは背負い直したリュックに、分厚い辞書を丁寧に詰め込むと、玄関の扉を開けて外へと踏み出した。
ハルトは朝日を浴びながらギルドに到着した。
「よし、一番乗り……!」
意気込んで扉を開けた瞬間――
「……アレ?」
思っていた以上に人が多い。すでに受付には列ができ、広間には武装した冒険者たちが談笑していた。
(お、おかしい……朝一……だよな?)
動揺を押し隠しつつ、昨日と同じようにクエスト板へ向かう。
貼り出された依頼書を一枚一枚確認するが――
「……無い。無いぞ……!?」
顔が引きつる。昨日見たはずの“スライム討伐”がどこにもない。
「……あった。昨日はあった。なのに……無い!」
焦ったハルトは足早に受付に向かい、受付嬢に声をかけた。
「ス、スライム……のクエスト、どこ?」
受付嬢は書類を整えながら微笑んだ。
「ああ、スライム討伐ですか? あれは新人冒険者に人気の依頼なんです。でも、そもそもスライムで困っている人自体が少ないので、あまり出回らないんですよ。意外とレアクエストなんです」
「……レア?」
その瞬間、ハルトは心の中でツッコまずにはいられなかった。
(確かに……スライムで困ってる人って誰だよ!)
ギルドのざわめきの中、彼の内心の叫びは誰にも届かない。
「じゃあ、今ある一番簡単なクエスト……どれ?」
ハルトの言葉に、受付嬢は少し戸惑ったように首を傾げた。
「えっと……少々お待ちください」
ぺこりと頭を下げて奥へ下がると、先輩らしき受付嬢に小声で何やら相談をしている。
(……あの受付嬢……もしかして……新人?)
ハルトはそんな様子を見ながらも、静かに待った。
やがて戻ってきた受付嬢は、笑顔を取り繕いながら依頼書を差し出した。
「こちらのゴブリン退治になります」
「……ゴブリン!」
ハルトの目が輝いた。
昨日ダリオたちに教えてもらったモンスターだ。習性も弱点も頭に入っている。しかも――報酬額を見てさらに驚いた。
(スライムノ……四倍!?)
拳を握りしめ、ハルトは頷いた。
「これ、お願いします!」
依頼書を受け取り、受付を終えると、ハルトはそのままギルドを後にし、町の門を抜けて歩き出した。
「よし……初めてのクエスト!」
――だがその直後、ギルドの中。
新人受付嬢の隣にいた先輩受付嬢が、ふと首を傾げて尋ねた。
「ねぇ、さっきの新人冒険者……あのゴブリン退治、何人で行ったの?」
「え? 一人ですよ」
「……えっ?」
先輩受付嬢の顔が凍りついた。
「ちょ、ちょっと待って! あのクエスト、三人パーティーで受けるやつよ!?」
「え、ええっ!? そ、そうなんですか!?」
「しかも……これ、ランク3の依頼じゃない! あんた何やってんの!?」
「ひいぃぃっ! ごめんなさいごめんなさいっ!」
慌てふためく新人受付嬢と、額を押さえて絶句する先輩受付嬢。
その頃ハルトは、そんな騒ぎを知る由もなく、町を出て颯爽と草原を歩いていた――。
果たしてどうなるのでしょうか!?
まだ太陽が地平線から顔を出したばかりの頃、ハルトは静かに目を覚ました。
ダリオから譲り受けた革鎧を身につけ、アレンのお下がりの古びた小盾を背に回す。腰には、使い込まれた剣――これもダリオのお下がりだ。肩には、エリナから受け取った大きなリュック。中には保存食や水袋、簡単な薬草が詰め込まれていた。
準備を終え、いざ家を出ようとしたその時。
「……これ」
背後から声がして、ダリオが分厚い本を差し出してきた。
「中身は、この世界の辞書だ。俺ら三人からのプレゼントだよ」
少し照れ臭そうに笑いながらダリオは続けた。
「これで言葉をもっと覚えて、ちゃんと腹割って話し合おうぜ。……ま、いらないなら置いて行ってもいいし、途中で邪魔になったら捨ててもいい。最悪、焚き火の燃料にでもしてくれりゃいい」
ハルトは首を横に振り、本を両手でしっかりと受け取った。
「そんなことしない。ありがとう。」
その一言に、エリナとアレンも目を細めて微笑む。
カイルはぐっすりと眠っていた。
ハルトは背負い直したリュックに、分厚い辞書を丁寧に詰め込むと、玄関の扉を開けて外へと踏み出した。
ハルトは朝日を浴びながらギルドに到着した。
「よし、一番乗り……!」
意気込んで扉を開けた瞬間――
「……アレ?」
思っていた以上に人が多い。すでに受付には列ができ、広間には武装した冒険者たちが談笑していた。
(お、おかしい……朝一……だよな?)
動揺を押し隠しつつ、昨日と同じようにクエスト板へ向かう。
貼り出された依頼書を一枚一枚確認するが――
「……無い。無いぞ……!?」
顔が引きつる。昨日見たはずの“スライム討伐”がどこにもない。
「……あった。昨日はあった。なのに……無い!」
焦ったハルトは足早に受付に向かい、受付嬢に声をかけた。
「ス、スライム……のクエスト、どこ?」
受付嬢は書類を整えながら微笑んだ。
「ああ、スライム討伐ですか? あれは新人冒険者に人気の依頼なんです。でも、そもそもスライムで困っている人自体が少ないので、あまり出回らないんですよ。意外とレアクエストなんです」
「……レア?」
その瞬間、ハルトは心の中でツッコまずにはいられなかった。
(確かに……スライムで困ってる人って誰だよ!)
ギルドのざわめきの中、彼の内心の叫びは誰にも届かない。
「じゃあ、今ある一番簡単なクエスト……どれ?」
ハルトの言葉に、受付嬢は少し戸惑ったように首を傾げた。
「えっと……少々お待ちください」
ぺこりと頭を下げて奥へ下がると、先輩らしき受付嬢に小声で何やら相談をしている。
(……あの受付嬢……もしかして……新人?)
ハルトはそんな様子を見ながらも、静かに待った。
やがて戻ってきた受付嬢は、笑顔を取り繕いながら依頼書を差し出した。
「こちらのゴブリン退治になります」
「……ゴブリン!」
ハルトの目が輝いた。
昨日ダリオたちに教えてもらったモンスターだ。習性も弱点も頭に入っている。しかも――報酬額を見てさらに驚いた。
(スライムノ……四倍!?)
拳を握りしめ、ハルトは頷いた。
「これ、お願いします!」
依頼書を受け取り、受付を終えると、ハルトはそのままギルドを後にし、町の門を抜けて歩き出した。
「よし……初めてのクエスト!」
――だがその直後、ギルドの中。
新人受付嬢の隣にいた先輩受付嬢が、ふと首を傾げて尋ねた。
「ねぇ、さっきの新人冒険者……あのゴブリン退治、何人で行ったの?」
「え? 一人ですよ」
「……えっ?」
先輩受付嬢の顔が凍りついた。
「ちょ、ちょっと待って! あのクエスト、三人パーティーで受けるやつよ!?」
「え、ええっ!? そ、そうなんですか!?」
「しかも……これ、ランク3の依頼じゃない! あんた何やってんの!?」
「ひいぃぃっ! ごめんなさいごめんなさいっ!」
慌てふためく新人受付嬢と、額を押さえて絶句する先輩受付嬢。
その頃ハルトは、そんな騒ぎを知る由もなく、町を出て颯爽と草原を歩いていた――。
果たしてどうなるのでしょうか!?
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