完璧地球人は魔法無しで異世界を救う

前方に瓜

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第8章『最大都市アルディナ帝国』

第五十一話『新たな目的』

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冒険者A「ハルト。お前、めちゃくちゃ強いな」
「今ので俺はお前を認める」

冒険者B「俺もだ」
「ベリントンが、手も足も出なかったからな」

冒険者C「ハルトは知らねえだろうが
ベリントンはランク5で、十年はやってるベテランだ。決して弱くねえ」

冒険者A「ああ。最近は女遊びが過ぎてな。嫁と子供に逃げられて、それからはギルド嬢や女の新人冒険者、クエスト先の依頼者の身内にまで声かけまくってた」

冒険者B「こないだもだ」
Bが苦い顔をする。
「あのギルド嬢に声をかけて、きっぱり断られた上に素行を注意されてな。それで、だいぶ恨んでた」

「げっ」
ルドが顔をしかめる。
「生粋のカス野郎じゃんかよ」

「冒険者なんて、たいていそんなもんだ」Cが笑う。

冒険者A「稼いだ金なんて、貯めやしねぇ。俺なんて全部酒に消えていく。」

冒険者C「俺の場合は博打だな」

「おいおい、待てよ」
Bが慌てて否定する。
「俺は家族がいるから、そんなことはしねぇぞ。まあ、ベリントンは女だったがな」

そのやり取りを聞いていたギルド嬢が、涙をこぼしながらハルトを見る。
「ハルトさん……ありがとうございました」

「いや」
ハルトは静かに頭を下げた。
「こちらこそ、本当にすまない」
少し間を置いて、ハルトが顔を上げる。
「お詫びって言うのも変だけどさ。今日は俺のおごりで、ここで宴をしようと思うんだけど……どうかな?」

「「ダメだよ」」
リヴィアとルドが、ほぼ同時に言った。

「俺たちの金でもあるんだぞ」
ルドが腕を組む。

「そうです」
リヴィアも頷く。
「もったいないですよ」

「いやいや」
ハルトが苦笑する。
「基本、飯はクエスト中にモンスター狩って食ってるし、武器や防具も素材をルドに錬金してもらってるだろ。使うのは移動中の馬車代と、町での宿代くらいだ。嫌でも溜まるんだよ」

「えっ、そうなの?」
ルドが目を丸くする。

「そうだよ。ほら、これ見てみろ」
ハルトが札束を取り出す。

「俺たち……金持ちじゃん」
ルドが呆然と呟く。

「これだけあれば、宝石や服も買いたい放題……」
リヴィアは目を輝かせる。

「その大量の服も宝石も、冒険には持っていけないだろ」

「……そうでした」
一気に現実に引き戻され、リヴィアは肩を落とした。

「金も、これだけあっても邪魔だしな」

そうして、その夜は宴となった。

そこで、ひとつ有益な情報を得た。
一年に一度、アルディアで開催される最強の冒険者を決める大会――アルディア・トーナメント。
優勝者には多額の賞金と、豪華な賞品が授与されるという。
そして、今年の目玉が「太陽と月の書」だった。

太陽と月の書。
天界の魔法や歴史について記された書物だが、一部に解読できない文字が含まれているらしい。
(その本に、神のもとへ行く手がかりがあるかもしれない)
そう考えたハルトは、大会への強い意欲を見せた。

果たして、優勝できるのか――。
宴が終わり、三人は朝方にギルドの外へ出た。
冷たい風が頬を打つ。

ハルトは静かに目を閉じ、天を仰いで呟いた。
「……終わった……」

「結局、借金してんじゃねぇか」
ルドがそう言って、ハルトの尻を蹴る。

「そうですよ」
リヴィアも呆れたように続けた。
「無一文ですよ。どうするんですか!」

「いや、だってさ」
ハルトは必死に言い訳する。
「みんな、思った以上に食うし飲むんだもん。予想外だよ!」

どうする――ハルトたち一行
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