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先生
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しおりを挟む驚いて手を引っ込めようとしたが、一瞬早く光彦がきつくその手を掴んだ。
「離して下さいっ!!」
「小田切」
低く響く声に、びくっと身をすくませる。
「俺なら、小田切を守れるぞ?」
「あ…あの……っオレ…」
掴まれた手が熱くて離そうともがくが、光彦の男らしい手が絡め取ってそっと指を這わし始める。
「あっ…っ」
指先になぞられた所に、小さな熱が生まれる。
「小田切。俺なら、どんな事からも、守ってやれるぞ?」
「せ…先生……止めて下さいっ」
振り払おうとしたが、光彦がなぞる指の気持ちよさに力が抜けてそれは叶わなかった。
「…ん……」
「俺なら、昨日みたいな事、起させないぞ?」
「や…やめ……」
「小田切、こっちを見てくれないか?」
首を振るが、手をなぞる指に促されてそちらに顔を向ける。
「…俺じゃダメか?」
「だ…だめとか……そんなんじゃ…」
「誰からも、守る」
こちらを見つめる目に射られ、胸がどきりと鳴る。
「……守って…くれる…?」
走ったあとのようにドキドキと鳴る胸に、光彦の言葉がすとんと落ちてくる。
「…オレ……」
誰かの庇護の元に入ると言う安堵感が、たまらなく魅力的に思えて葉人は潤んだ目で光彦を見つめた。
「守るよ」
光彦の唇が、葉人の指先へと触れてささやいた。
指先から、ぞくぞくとした感覚が這い上がってくる。
「ん…っ」
「小田切…」
名を呼んだ唇から出た舌が、指先をぺろりと舐める。
くすぐったさと、沸き上がる焦れったさに椅子の上で身じろぐと、股間に違和感を感じて戸惑う。
「どうした?」
「…いえ………っ」
熱を集めて硬くなり始めた自身を気づかれないように首を振る。
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