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二人
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しおりを挟む痛み止めの薬を飲まされ横になる。
光彦に一服盛られたせいか薬と言う言葉に拒否感はあったものの、司郎がどうしても飲むようにと切々と言い聞かせた為に渋々飲み下した。
「…俺にもイチインはあるんだろうけどさ……薬飲んで大人しくしてろ」
そう言われて横になったまま頷いた。
「…すみません」
「…………なんでそこで謝る必要があるんだ?」
「え?」
無理矢理荷物を除け、ベッドの下に座り込んだ司郎は不機嫌そうにそう尋ねる。
「お前はもうちょっとケイカイシンとかないのか?」
「ぇ…んっ……だって…」
ちり…と情事の残り火の残る体を抱き締めた。
たどたどしい…けれど、葉人が戸惑う程の優しい指先がその体を這った。
今までとは全く違う、労わられるその行為は葉人を混乱させた。
「お前は…俺に怒っていいんだぞ」
ぷいと向いた横顔に苦悩が過る。
「……最初の……あれですか…」
熱を持った指先を司郎の首筋にやると、微かに司郎の視線が動いた。
「それもだ、その後の事も、……さっきの事も」
そう言う司郎に、何故だか笑みが零れる。
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