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二人
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しおりを挟むぎゅっぎゅっと力づくでもまれる痛みに悲鳴を上げるも、塞がれた口から洩れるのは小さなくぐもった音だけで、誰の耳にも届くことはなかった。
羞恥も何もかも全てをさらけ出すかのように葉人の足を割り開き、人目に触れさせる事のないそこを堂々と眺め倒す。
「俺さぁ、この前のでちょっと目覚めちゃったかも」
「えー?男?」
「そう、悪かねぇなって。お前もだろ?」
そう葉人の耳を舐め、赤く充血する突起をこねくり回す男に言うと、まんざらでもなさそうな笑みで笑って見せた。
下半身を這う指が足の間をなぞり、その奥へと進む。
ぴりっとした痛みが走るのは傷が出来ている為で、葉人はそのせいで掻きまわされる度に大きく体を跳ねさせる。
本来とは全く違う使われ方をして傷ついたソコに指が触れ、涙を滲ませていやいやと首を振った。
「ナニ?そんなにイイの?」
「――――バカか。痛がってんだよ」
パタン…と引き戸が開き、茶髪頭が覗く。
「あっお帰り!楽しませてもらってるぞ」
「……」
「こんなイイ事独り占めはよくねぇだろ?俺達にも教えてくれなきゃあ」
「……」
不機嫌そうな顔のまま、散乱するゴミや本を蹴り飛ばしながらベッドの方まで司郎が近づくと、葉人を押さえていた二人もやっとその雰囲気がこの状況を歓迎していないものだと分かる。
「し…シロー?」
拳が握られ、葉人の足の間にいた男の胸ぐらを掴む。
「コレは俺の」
がっと握っていた拳がその男の喉元を捉え、指先をめり込ませていく。
「失せろ」
「は?」
「シロー何言ってんだよ」
「失せろっ!!出て行けっ!」
一人がゴミと荷物の中に投げ飛ばされると、葉人の胸を弄っていた男は司郎に何やら捨て台詞を残し飛び出していく。
よたよたと起き上がった男も、何か言いたげな顔をしていたが、司郎が睨みつけると体を跳ねさせてから同じように飛び出していった。
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