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AYA
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しおりを挟む埃っぽい科学準備室。
癒えきっていない傷跡の上に再び紐を掛けられ、葉人はその痛みに呻いた。
「いっ……やめ…て…」
抵抗して光彦から遠ざかろうにも、体が震えて叶わない。ただ縛られた無様な姿で冷たい床を這うだけだった。
「どうして逃げる?」
抑揚のないその声は、何処かタガが外れた狂人のように響き、葉人の逃げようとするささやかな動きさえも奪う。
「せん…せぇ……?」
「お前が言うから、快楽を与えた」
銀の奥の目は冷ややか過ぎて…
葉人はぞくりと体を竦める。
「お前が言うから、縛りつける術も覚えたのに………何故逃げる?」
「い、言うって…?」
圧し掛かられて、体の震えがピークに達した。
「や、やだっ!来ないでっ!!オレ、何も言ってないっ!」
快楽をくれと言った事も、縛りつけてとも…
心当たりのない言葉に、葉人は首を振る。
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