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葬儀
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しおりを挟む「君は温かいな」
「お役に立ちましたか?」
翠也の髪をくすぐったく感じながら、呻くように返事をして再び夢の中へと落ちて行った。
二人で抱き合いながら布団に包まっていると、寒さで震えた時間が嘘のようで……
白み始めた窓の明かりで目を開けて、一番先に飛び込んできた翠也の寝顔にどきりとした。
月光のような柔らかな肌に、一筋の黒髪が垂れる。
それをそっと払ってやると形の良い唇がわずかに動くから、吸い寄せられるように軽く口づけた。
「ん……ぁ……」
虚ろな目が俺を見て焦点を定める。
はっと見開いた理知の瞳に俺が映るのがわかった。
「起きてらしたんですか?」
「うん、ついさっき」
そう言うと翠也は照れるように顔を伏せる。
「間抜け面でしたでしょう? 卯太朗さんより早く起きようと思っていたのに……」
慌てて目を擦りながら翠也が体を起こそうとしたので、そうはさせるかと腰を掴んで引き寄せた。
「あっ何を……っ」
口で夜着の腰紐を引っ張ると、慌てて翠也の手が突っぱねてくる。
「いけませんっ僕はもう戻らないと……」
「発作だ、我慢してくれ。起こしに来るには早いだろう?」
「でも……」
翠也がちらりと俺の部屋の方を見たことには触れず、はだけた着物の隙間へと鼻先を突っ込む。
「っ!」
「勃ってる」
「やっ……それは朝だから……っ」
「そう? 俺は君の寝顔で勃った」
「卯太朗さんっ」
羞恥に頬を染めて、翠也が咎めるように名を呼ぶ。
その姿の愛らしさにくすくすと笑いながら、舐めさせておくれと懇願する。
生理現象であろうとなかろうと、どうでもいいことなのだと翠也の起立を咥え込む。
愛らしいと形容できる薄紅を喉の奥まで引き入れて吸い上げると、ひぃと小さな悲鳴が聞こえた。
「 ぃ、ぁ……」
腰の震えと、声を出すまいと噛み締められた唇。
るりを気にしてかしっかりと引き結ばれた唇からは極々小さな呻きしか聞こえない。
そんな状態の翠也から声を引き出したくなって、先端を舌で強めに舐め上げる。
肩に置かれた手に力が籠り、噛み殺しきれなかった声と共に口の中に馴染みのある液を吐き出して体から力が抜けた。
「ぅ……っ……」
「ご馳走様」
最後の一滴まで啜ると、唇を引き結んだまま息を整えようとする翠也の体が跳ねる。
「っと、大丈夫かい?」
「も、ぅっ……!」
不貞腐れたような声を出して身を縮める姿に笑いが思わず漏れた。
余韻を堪能するように、射精後で敏感な体をゆるゆると撫でる。
「……ところで……母にるりさんのことを話されるのですよね?」
「 あぁ」
許可も取らずに勝手に人を引き入れて泊めたのだから、できるだけ速やかに話をするべきだろう。
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