放課後教室 御礼SS

Kokonuca.

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あの日の後悔と今日の後悔

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「葉人じゃないよ。この写真は…綺彦だ」 

 現実を見ていた筈の羽鳥の目がふぅっと翳りを帯びたような気がして、思わずその肩を掴んで揺さぶっていた。 

「おい…」 
「綺彦は俺の…」 

 弟だ…と羽鳥は確かに呟いた。 

 光を取り戻しかけていた羽鳥の表情が再び昏く沈み、人の闇を見た気がして掴んでいた肩から手を離して後ずさる。 

「似てるだろ…葉人と」 

 角の擦り切れた写真は繰り返しそれを手に取っていたことを教え、写る人物の服装から受ける印象からかなり以前に撮られたものだと推測できる。 

 花を供えたい 

 昨夜言った羽鳥の言葉と弟だと言うその写真の人物とがぼんやりと繋がった気がした。 

「亡くなったのか?」 

 正直、聞き返すのはまずい…と思ったが、ついそう尋ね返していた。 
 すとんと落とされた両肩と、何年分もの苦労を一気に現したかのような疲れを見せて羽鳥はずるりと壁へ倒れ込んだ。 

「亡くなった。もう…6年…に、なるかな」 

 自らそう言ったのに、羽鳥自身その時間に傷ついたように見えた。 

「あの、薄汚い路地で…たった独りで逝かせた」 

 立ち去れ…と頭は何度も命令を下すのに、オレはふらふらとその傍らにしゃがんで虚ろなその目を見つめた。 

 気に食わなかった奴の筈だ。 
 葉人に酷い事をした奴だ。 

 『面倒見がいい』と言う言葉を思い出しながら 

「それで?」 

 そう続きを促してしまっていた。 





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