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しおりを挟むその嘘を吐き続けたせいで、オレはこの国の王様と仮面夫婦を演じることとなってしまった。
侍従達が頭を下げて退出するのを、たおやかな笑みを浮かべた顔で見送り……扉が閉まり切った瞬間にベッドへとダイブした。
ばいん と跳ねてその勢いで落ちかけたけれど、毎度これだけはやめられない。
「 ~~~~っ! 今日も一日お疲れさんっした!」
つるつるのシルクのシーツに顔を埋めながら全力で叫ぶ。
部屋の周りには耳のいい獣人の衛兵達が警備という名目で大勢配置されていて、そいつらに聞こえてはいないかとちょっと思ったりもするけれど、それでもこれくらいは叫ばないと頭がどうにかなってしまう。
それに、オレは今から神に会いに行く儀式……神歓の儀を行う予定だから、覗き見る不敬ものも盗み聞きする馬鹿ものもいない……はず。
本来、神はこちらに召喚する巫女は、充電池ように神の力を溜め込むことができる というのが条件で選ばれる。
まず神の力を体に溜め込んでからこちらの世界に移り、その力を行使しながら瘴気や魔物達に対抗するために力を振るう。
巫女でない俺が神の力を行使し、はるひの代わりに巫女業をやれている秘密はこの毎日の神歓の儀だ。
本来ならなんの力も持っていないはずの『只人』だけれど、はるひの兄だからかそれとも遺伝子的な問題なのか、オレは他の人間よりも神の力を溜めやすいらしい。とはいえ、一般人が底のないヒシャク程度だとしたら、オレは玉杓子程度で……
ほんのわずかだけ、他の人間に比べたら雫程度の力を溜めて置けるらしい。
もちろんお情けで引っ付いているような雫だから、力なんてそんなにたくさん振るえない。
じゃあどうするか?
「今日もバ神に会いに行くかぁ」
回数をこなすしかないってわけだ。
オレは毎日毎日、神の力を手に入れるためにここでオナニーして深い眠りにつく。
外には絶対に話せない、オレの秘密の一つだった。
「さて、やるかぁ!」
気合を入れて装飾が所狭しとつけられた服を脱ぎ捨てる。
昔は装飾を壊したら……とか、服を汚したら……なんてびくびくしながら脱いでいたが、今では蝉に抜け殻のように完璧な姿のまま、中身だけをすぽんと引き抜く技術を身につけていた。
「やっぱオナニーは全裸っ! だよな!」
もちろん返事は来ない。
いったいサイズはどれなんだろう? って疑問に思えてしまうほど広い寝台に上がり、なんとなく……本来なら夫であるクルオス・ケヴィア・リ・ミロク・シルルが横たわるべき場所を気まずく見つめる。
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