言えない言葉

Kokonuca.

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 ふい…と向けられた背中にぞくりとした震えが走る。 

 あの目に宿っていたのは…… 

「………オレ」 

 鬱陶しかった? 

「え……あれ?」 

 食事くらい…で? 

 気分的には床に両手足をついてがっくりうなだれたい位だったけれど… 

「オレ達……あれ?」 

 付き合ってるんだよな? 

 愛しているって言われて浮かれていたここ数日が酷く虚しく思えてきて、オレは不意に浮かんできた言葉を頭を振って振り払った。 


 気のせいだ… 

 なんか…セフレみたいだなんて… 



 オレの、気のせい… 









 チケットをペラリと光に翳す。 

 二枚重なったそれを見ていると憂鬱になってくる。 

 ランチが断られる位なんだから…映画なんてもっとだろうなぁ。 

「まーいったなぁ」 

 ちらり…と家族写真に目をやり、久しく顔を合わせてない弟を誘おうかと思案する。 

 … 

 弟の趣味じゃないな。 

 ふぅ…と息を吐いて視線をずらすと、若い院長が穏やかに見返していた。 



.
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