堕落大学生の魔法紀伝

長原承馬

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第一章

第一話 『事故死』

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「またバイトさぼっちまったな」

 布団に寝転び天井を眺めながら、彼は呟いた。
たった今堕落を極めきっている男、八百十夜(やおとおや)は本来ならばコンビニでレジ打ちをしているはずなのだが、
布団の上にいる。簡単に理由を述べるとお金を
稼ぐよりも、布団を選んだのだ。
そんなこんなで一日を無駄に過ごしてしまった八百は、バイトをするはずだった一日を布団と共にしたというのは、流石にマズイと思い、電車で二駅先にある本屋に行くことにした。
......いや、行くことにしたのだが、

「まさか財布を家に忘れるとはね、バカすぎだろ俺」
ということで来た道を引き返していた。落ち込みすぎていたのかバカが祟ったのか、それとも運命に導かれてか、前からトラックが突っ込んできたことに気が付かなかった。                
 「む?」
 今まで経験したことのない圧力が身体にのしかかったと思うと、次にまた身体に何かとぶつかった衝撃が走った。
 ──なんだ? 冷たい。
気が付くと八百は地面に倒れていた。
 ──体が熱い。指一本も動かせない。
すると遠くから人の声が聞こえた、気がした。そこで八百の意識は途絶えた。
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