1 / 9
第一章
第一話 『事故死』
しおりを挟む「またバイトさぼっちまったな」
布団に寝転び天井を眺めながら、彼は呟いた。
たった今堕落を極めきっている男、八百十夜(やおとおや)は本来ならばコンビニでレジ打ちをしているはずなのだが、
布団の上にいる。簡単に理由を述べるとお金を
稼ぐよりも、布団を選んだのだ。
そんなこんなで一日を無駄に過ごしてしまった八百は、バイトをするはずだった一日を布団と共にしたというのは、流石にマズイと思い、電車で二駅先にある本屋に行くことにした。
......いや、行くことにしたのだが、
「まさか財布を家に忘れるとはね、バカすぎだろ俺」
ということで来た道を引き返していた。落ち込みすぎていたのかバカが祟ったのか、それとも運命に導かれてか、前からトラックが突っ込んできたことに気が付かなかった。
「む?」
今まで経験したことのない圧力が身体にのしかかったと思うと、次にまた身体に何かとぶつかった衝撃が走った。
──なんだ? 冷たい。
気が付くと八百は地面に倒れていた。
──体が熱い。指一本も動かせない。
すると遠くから人の声が聞こえた、気がした。そこで八百の意識は途絶えた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる