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第四章
大人達の会議④
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〈父:フリッツィSide〉
「さて、全員揃ったね」
私、妻のハリエット、エミリー、アーデルハード。
それぞれにチャールズがお茶を淹れていく。
「チャールズ。後はベアティに頼むから、お茶を淹れ終わったら下がっていいよ。
チャールズはバメイに私達の昼食の時間が遅れる旨を伝えてくれるかな。
それと子ども達の食事は、子ども達が起きたらそれぞれ対応をお願いできるかい?
後、ミラに少し休むように伝えて」
「かしこまりました。ではその様にさせていただきます」
チャールズは一礼をし、サロンから退室する。
子ども達は寝ている様だし、食事はチャールズに頼んだから大丈夫だろう。
さて、ここからは大人達の話し合いの時間だ。
チャールズが淹れてくれたお茶をひと口飲み、気持ちを落ち着かせる。
「アーデルハード。ハンナ夫人とカーラ嬢の体調は大丈夫かい?特にハンナ夫人は身籠っていた様だけど」
「はい、兄上。まずは侍医を手配してくださりありがとうございます。
侍医の見立てでは、ハンナは疲労が溜まっている様だと。安静にして、食事をしっかり摂れば母子共に問題ないとの事。
次にカーラですが、眠っているだけで特に問題は無い様です。
エルシーアちゃんの指摘通り、実はハンナは妊娠初期で、悪阻が酷く、食事を余り摂れていなかったんです。そんな状態の時に先程の騒動があり、疲労がピークに達した様です」
エルの指摘通り、ハンナ夫人は身籠っており、妊娠初期だった様だ。
そのためお腹も目立たず、私達はエルの指摘が無かったら何も知らないままだっただろう。
では何故、エルにはわかったのか。
やはりエルが愛し子である故だろうか?
いや、今はエルの事はひとまず、まずはカーラ嬢が何故あんな騒ぎを起こしたのか考えなくては。
全ての騒動は邪神の存在に繋がるのだから。
「ひとまずハンナ夫人にもお腹の子にも無事で安心したよ。カーラ嬢も体調に問題はなさそうだしね。
ただ、カーラ嬢の様子が何処かおかしかったけど、いつからあんな様子だったんだい?」
「確かにそうねん。カーラちゃんはちょっとおかしな様子だったわん。
あたくしは一番後ろに居たからよくわかったけどん、応接室に私達が入ってきた時からカーラちゃんはウィルちゃんしか見ていなかったわん。
それに、あの会話はまるで“ウィルちゃんは自分の事を好きでいて当然”、“自分達は相思相愛”って思い込んでいる様だったわん」
私の質問に、エミリーが今日のカーラの様子を話す。
エミリーはカーラ嬢と初対面だから、余計に不自然に見えたはずだ。
「兄上。私がカーラを連れて、初めて領地の屋敷に挨拶に伺った日の事を覚えていますか?
あの日、カーラはハンナと一緒に、庭のガゼボでくつろぐ義姉上とウィルフリードくんに出会ったそうです。
その時にウィルフリードくんに一目惚れし、ウィルフリードくんが優しく微笑んでくれたため、自分達は一目惚れ同士、想い合っていると思い込んだ様です」
「初めてカーラちゃんに会った日の事ね。わたくしも覚えていますわ。確か5歳の時よね?
だけどあの時、カーラちゃんとウィルは特に会話らしい会話はしていなかったわ。
それにウィルが微笑んだってどういう事かしら?
あの子、母親のわたくしが言うのも何だけど、外面だけはいいから…。えっ…??もしかして!?!?」
「えぇ、恐らくその外面の微笑みに一目惚れしたんだと思います…」
「えぇ~っ…」
アーデルハードの回答に妻が困惑する。
確かに、ウィルフリードは外面がいい。きっとウィルフリードの事だから、初対面の相手という事もあって、無難に微笑んで済ましたんだろう。
だけどまさか、その外面に騙されて惚れる者が居るとは思いもしなかった…。
「さて、全員揃ったね」
私、妻のハリエット、エミリー、アーデルハード。
それぞれにチャールズがお茶を淹れていく。
「チャールズ。後はベアティに頼むから、お茶を淹れ終わったら下がっていいよ。
チャールズはバメイに私達の昼食の時間が遅れる旨を伝えてくれるかな。
それと子ども達の食事は、子ども達が起きたらそれぞれ対応をお願いできるかい?
後、ミラに少し休むように伝えて」
「かしこまりました。ではその様にさせていただきます」
チャールズは一礼をし、サロンから退室する。
子ども達は寝ている様だし、食事はチャールズに頼んだから大丈夫だろう。
さて、ここからは大人達の話し合いの時間だ。
チャールズが淹れてくれたお茶をひと口飲み、気持ちを落ち着かせる。
「アーデルハード。ハンナ夫人とカーラ嬢の体調は大丈夫かい?特にハンナ夫人は身籠っていた様だけど」
「はい、兄上。まずは侍医を手配してくださりありがとうございます。
侍医の見立てでは、ハンナは疲労が溜まっている様だと。安静にして、食事をしっかり摂れば母子共に問題ないとの事。
次にカーラですが、眠っているだけで特に問題は無い様です。
エルシーアちゃんの指摘通り、実はハンナは妊娠初期で、悪阻が酷く、食事を余り摂れていなかったんです。そんな状態の時に先程の騒動があり、疲労がピークに達した様です」
エルの指摘通り、ハンナ夫人は身籠っており、妊娠初期だった様だ。
そのためお腹も目立たず、私達はエルの指摘が無かったら何も知らないままだっただろう。
では何故、エルにはわかったのか。
やはりエルが愛し子である故だろうか?
いや、今はエルの事はひとまず、まずはカーラ嬢が何故あんな騒ぎを起こしたのか考えなくては。
全ての騒動は邪神の存在に繋がるのだから。
「ひとまずハンナ夫人にもお腹の子にも無事で安心したよ。カーラ嬢も体調に問題はなさそうだしね。
ただ、カーラ嬢の様子が何処かおかしかったけど、いつからあんな様子だったんだい?」
「確かにそうねん。カーラちゃんはちょっとおかしな様子だったわん。
あたくしは一番後ろに居たからよくわかったけどん、応接室に私達が入ってきた時からカーラちゃんはウィルちゃんしか見ていなかったわん。
それに、あの会話はまるで“ウィルちゃんは自分の事を好きでいて当然”、“自分達は相思相愛”って思い込んでいる様だったわん」
私の質問に、エミリーが今日のカーラの様子を話す。
エミリーはカーラ嬢と初対面だから、余計に不自然に見えたはずだ。
「兄上。私がカーラを連れて、初めて領地の屋敷に挨拶に伺った日の事を覚えていますか?
あの日、カーラはハンナと一緒に、庭のガゼボでくつろぐ義姉上とウィルフリードくんに出会ったそうです。
その時にウィルフリードくんに一目惚れし、ウィルフリードくんが優しく微笑んでくれたため、自分達は一目惚れ同士、想い合っていると思い込んだ様です」
「初めてカーラちゃんに会った日の事ね。わたくしも覚えていますわ。確か5歳の時よね?
だけどあの時、カーラちゃんとウィルは特に会話らしい会話はしていなかったわ。
それにウィルが微笑んだってどういう事かしら?
あの子、母親のわたくしが言うのも何だけど、外面だけはいいから…。えっ…??もしかして!?!?」
「えぇ、恐らくその外面の微笑みに一目惚れしたんだと思います…」
「えぇ~っ…」
アーデルハードの回答に妻が困惑する。
確かに、ウィルフリードは外面がいい。きっとウィルフリードの事だから、初対面の相手という事もあって、無難に微笑んで済ましたんだろう。
だけどまさか、その外面に騙されて惚れる者が居るとは思いもしなかった…。
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