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第四章
王都1日目⑬
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精霊ラーレの発言に食堂の空気が凍りつく。
【精霊女王ラーレよ。何故今その発言をした】
シロガネが鋭い視線をラーレに向けながら問い詰める。
《何故??どうしてシロガネもペルルも真実を知りながら隠すの?なの。
これはいずれエルちゃんが知らなくてはならない事なの。そして、エルちゃんの周囲の人間も知らなくてはならない事なの》
〔だけど、今話すべき事実じゃない!!〕
《じゃあ、いつ話すの?なの。エルちゃんは見た目は幼子だけど、ラーレが話した内容をちゃんと理解しているのなの。
ペルルとシロガネがエルちゃんを大切にしている事は知ってるのなの。
だけど、何も知らされないまま護られるよりも、その真実がエルちゃんにとって酷な事だったとしても、ちゃんと受け止めて立ち向かう事の方がラーレは大切だと思うのなの。
それに、何も知らされないままただ護られ、エルちゃんの周りの人間が傷つけば、心に傷を負うのはエルちゃん自身なの。
エルちゃんは籠の鳥じゃないのなの。エルちゃんは自身の美しい翼で大空に舞い上がれるのなの》
ラーレの言葉に、腰に回されていたウィルにぃの腕にぐっと力が入る。
ラーレの話を聞いて、ウィルにぃはわたしがどこかに行ってしまうと不安になったのかもしれない。
わたしは“大丈夫だよ”の意味を込めて、ウィルにぃの腕をぽんぽんと叩く。
するとウィルにぃがわたしの首元に埋めていた顔をゆっくりと上げる。
[ウィルにぃ、わたしはどこへも行かないよ。
もし、離れるとしても、ウィルにぃとわたし、どちらかが結婚する時じゃないかなぁ??
それまではずっと一緒だよ]
わたしはウィルにぃの蒼玉の瞳を見つめ、にっこりと微笑む。
すると、ウィルにぃがわたしの微笑みに対してひゅ…っと息を飲む。
「…め…だ……」
[ウィルにぃ??]
「ダメだ…、ダメだダメだダメだ…っ!!!!エルが僕の側から居なくなるなんて、そんなのダメだ…っ!!!!」
ウィルにぃの心からの叫びと共に、体からブワッと冷気が溢れる。
うぉっと…っ!!
ウィルにぃの情緒がめっちゃ不安定で、順調に病んでるぅ~…っ!!!!
「…っ兄貴…!?!?」
「お兄様…っ!?!?」
ウィルにぃから発せられる冷気に、バルにぃとルーねぇがたじろぐ。
ペルルにシロガネ、精霊女王ラーレはバリアでしれっと自分を護っている。
マズいマズい…!!何とかせねばっ!!
う~ん…。さっき伝えた言葉が上手く伝わってないかも…。
わたしの想いをちゃんとウィルにぃに伝えなくちゃっ!!!!
[ウィルにぃ、ウィルにぃ。腕が苦しいし、ちょっと寒いかも…]
ぎゅうぎゅうと強く抱きしめられているウィルの腕をタップしながら念話を送る。
「はっ…!!!!ごめんエルっ!!寒いし、苦しかったよねっ!?!?」
ウィルにぃの言葉と共に、腕の力が緩み、体から溢れていた冷気が止む。
腕の力が緩んだタイミングで、ウィルにぃと向き合うように体の位置を変える。
まぁ、いわゆる対面座位ってヤツですね。
[ねぇ、ウィルにぃ。わたしの目を見て?]
ウィルにぃの頬を両手で挟み、海の様に深く美しい蒼を見つめる。
すると、ウィルにぃがわたしの手に自分の手を重ね合わせ、わたしと視線を合わせた。
あぁ。ウィルにぃの瞳はまるで美しく光り輝くサファイアの様。
サファイアに込められた「誠実」「慈愛」「徳望」といった意味の他に、「一途な想いを貫く」その姿はまさにウィルにぃそのもの。
[ねぇ、ウィルにぃ。わたしはウィルにぃの事が大好きだよ。
それにね、わたしだってウィルにぃやバルにぃとルーねぇ、おとしゃまにかぁしゃま達とずっと一緒に居たいよ。
だけどね、成長に合わせてわたし達を取り巻く環境は変わっていくの。
ウィルにぃはずっと一緒に居たいって言ってくれるけど、一番最初に結婚するのはウィルにぃだと思うんだよね。なにせこのヴァイマル家の跡継ぎだし…]
「僕は結婚なんてしないっ!!!!このヴァイマル家だってバルドリックが継げばいいっ!!」
「ちょっ…!!おま…っ!!」
ウィルにぃの爆弾発言に突っ込むバルにぃ。そんなバルにぃをルーねぇがどうどうと落ち着かせます。
そして、『結婚』というワードがウィルにぃには地雷な件。今後は使わないように気をつけます。
跡継ぎうんぬんはまぁ、おとしゃまとかぁしゃま、ウィルにぃにバルにぃで話し合ってください。
このままだと話が逸れてしまうので、元に戻しましょう。
[ウィルにぃ、あのね、どんなにわたし達を取り巻く環境が変わっても、絶対に変わらないものがあるの。
それは、ウィルにぃはわたしが大好きなお兄ちゃんであるという事だよ。
ウィルにぃはわたしの大好きなお兄ちゃんで、わたしはそんなウィルにぃの妹。
この関係は一生変わらない。だからね、例え物理的な距離が空いても、心の距離は変わらないの。
わたし達はいつも心で繋がってるんだよ。
ウィルにぃ、いつも側に居てくれてありがとう。大好きだよ]
わたしは日頃の感謝の意味を込めて、ウィルにぃのおでこにキスを贈る。
するとウィルにぃが大輪の花が咲いたかの様な微笑みを浮かべ、
「僕もエルが大好きだよ」
とお返しのキスをおでこに贈ってくれた。
わたしとウィルにぃはお互い見つめ合って、微笑み合う。
よかった。ウィルにぃの情緒は安定したようです。
【精霊女王ラーレよ。何故今その発言をした】
シロガネが鋭い視線をラーレに向けながら問い詰める。
《何故??どうしてシロガネもペルルも真実を知りながら隠すの?なの。
これはいずれエルちゃんが知らなくてはならない事なの。そして、エルちゃんの周囲の人間も知らなくてはならない事なの》
〔だけど、今話すべき事実じゃない!!〕
《じゃあ、いつ話すの?なの。エルちゃんは見た目は幼子だけど、ラーレが話した内容をちゃんと理解しているのなの。
ペルルとシロガネがエルちゃんを大切にしている事は知ってるのなの。
だけど、何も知らされないまま護られるよりも、その真実がエルちゃんにとって酷な事だったとしても、ちゃんと受け止めて立ち向かう事の方がラーレは大切だと思うのなの。
それに、何も知らされないままただ護られ、エルちゃんの周りの人間が傷つけば、心に傷を負うのはエルちゃん自身なの。
エルちゃんは籠の鳥じゃないのなの。エルちゃんは自身の美しい翼で大空に舞い上がれるのなの》
ラーレの言葉に、腰に回されていたウィルにぃの腕にぐっと力が入る。
ラーレの話を聞いて、ウィルにぃはわたしがどこかに行ってしまうと不安になったのかもしれない。
わたしは“大丈夫だよ”の意味を込めて、ウィルにぃの腕をぽんぽんと叩く。
するとウィルにぃがわたしの首元に埋めていた顔をゆっくりと上げる。
[ウィルにぃ、わたしはどこへも行かないよ。
もし、離れるとしても、ウィルにぃとわたし、どちらかが結婚する時じゃないかなぁ??
それまではずっと一緒だよ]
わたしはウィルにぃの蒼玉の瞳を見つめ、にっこりと微笑む。
すると、ウィルにぃがわたしの微笑みに対してひゅ…っと息を飲む。
「…め…だ……」
[ウィルにぃ??]
「ダメだ…、ダメだダメだダメだ…っ!!!!エルが僕の側から居なくなるなんて、そんなのダメだ…っ!!!!」
ウィルにぃの心からの叫びと共に、体からブワッと冷気が溢れる。
うぉっと…っ!!
ウィルにぃの情緒がめっちゃ不安定で、順調に病んでるぅ~…っ!!!!
「…っ兄貴…!?!?」
「お兄様…っ!?!?」
ウィルにぃから発せられる冷気に、バルにぃとルーねぇがたじろぐ。
ペルルにシロガネ、精霊女王ラーレはバリアでしれっと自分を護っている。
マズいマズい…!!何とかせねばっ!!
う~ん…。さっき伝えた言葉が上手く伝わってないかも…。
わたしの想いをちゃんとウィルにぃに伝えなくちゃっ!!!!
[ウィルにぃ、ウィルにぃ。腕が苦しいし、ちょっと寒いかも…]
ぎゅうぎゅうと強く抱きしめられているウィルの腕をタップしながら念話を送る。
「はっ…!!!!ごめんエルっ!!寒いし、苦しかったよねっ!?!?」
ウィルにぃの言葉と共に、腕の力が緩み、体から溢れていた冷気が止む。
腕の力が緩んだタイミングで、ウィルにぃと向き合うように体の位置を変える。
まぁ、いわゆる対面座位ってヤツですね。
[ねぇ、ウィルにぃ。わたしの目を見て?]
ウィルにぃの頬を両手で挟み、海の様に深く美しい蒼を見つめる。
すると、ウィルにぃがわたしの手に自分の手を重ね合わせ、わたしと視線を合わせた。
あぁ。ウィルにぃの瞳はまるで美しく光り輝くサファイアの様。
サファイアに込められた「誠実」「慈愛」「徳望」といった意味の他に、「一途な想いを貫く」その姿はまさにウィルにぃそのもの。
[ねぇ、ウィルにぃ。わたしはウィルにぃの事が大好きだよ。
それにね、わたしだってウィルにぃやバルにぃとルーねぇ、おとしゃまにかぁしゃま達とずっと一緒に居たいよ。
だけどね、成長に合わせてわたし達を取り巻く環境は変わっていくの。
ウィルにぃはずっと一緒に居たいって言ってくれるけど、一番最初に結婚するのはウィルにぃだと思うんだよね。なにせこのヴァイマル家の跡継ぎだし…]
「僕は結婚なんてしないっ!!!!このヴァイマル家だってバルドリックが継げばいいっ!!」
「ちょっ…!!おま…っ!!」
ウィルにぃの爆弾発言に突っ込むバルにぃ。そんなバルにぃをルーねぇがどうどうと落ち着かせます。
そして、『結婚』というワードがウィルにぃには地雷な件。今後は使わないように気をつけます。
跡継ぎうんぬんはまぁ、おとしゃまとかぁしゃま、ウィルにぃにバルにぃで話し合ってください。
このままだと話が逸れてしまうので、元に戻しましょう。
[ウィルにぃ、あのね、どんなにわたし達を取り巻く環境が変わっても、絶対に変わらないものがあるの。
それは、ウィルにぃはわたしが大好きなお兄ちゃんであるという事だよ。
ウィルにぃはわたしの大好きなお兄ちゃんで、わたしはそんなウィルにぃの妹。
この関係は一生変わらない。だからね、例え物理的な距離が空いても、心の距離は変わらないの。
わたし達はいつも心で繋がってるんだよ。
ウィルにぃ、いつも側に居てくれてありがとう。大好きだよ]
わたしは日頃の感謝の意味を込めて、ウィルにぃのおでこにキスを贈る。
するとウィルにぃが大輪の花が咲いたかの様な微笑みを浮かべ、
「僕もエルが大好きだよ」
とお返しのキスをおでこに贈ってくれた。
わたしとウィルにぃはお互い見つめ合って、微笑み合う。
よかった。ウィルにぃの情緒は安定したようです。
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