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第一章
異世界は突然に
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「いらっしゃいませ」
私は深々と頭を下げた。
「おめでとう」「おめでとうございます」「可愛いお店ね」
今日は私のヘアサロン、スイート・スイートのプレオープン。夢にまで見た一日が始まる。
最初の招待客三人がやってきた。美容師学校時代の親友のえっちゃん、タウン誌の編集者、坂田さん、それから母。
アシスタントの結衣が素早く席に案内する。悩みに悩んで決めたチョコレート色のシート。インテリアはスイーツをイメージして、可愛く仕上げている。
坂田さんはカットとパーマ。えっちゃんはカラー。母はカット。
シャンプーの後、坂田さんの髪にロットを巻き、えっちゃんの髪にアッシュグレーのカラー剤を塗って、タイマーをかける。
そして、母に向き直った。
「私に似合うカットで」
母は恐ろしい注文をしてきた。
普通でもお任せは怖い。その上、母は超有名なカリスマ美容家だ。取材もよく入る母のヘアスタイルを失敗したら、目も当てられない。
今のウルフカットも似合っているが、もう少し大人の可愛いさを出したい。トップとサイドにボリュームを持たせたショートにする。
カットして、途中のタイマーの音で坂田さんやえっちゃんの髪をチェックして、洗い流しは結衣に頼む。
仕上げを終えると、鏡越しに母は満足げに笑った。
「うちの支店を任すっていうのに、独立するって言うから、まだ、反抗期なのかと思っていたけど。よく、ここまで頑張ったわね。真理亜。きれいにしてくれて、ありがとう」
優しい笑顔だった。
何だか泣きそうになって、私はうつむいた。
「メイクもするね」
ワゴンに手をかけ、メイクボックスを取り出そうとした時、ぐらりと世界が揺れた。
「地震?」
顔を上げたら、そこは森の中だった。
私の店も母もみんな、消え失せていた。ただ、掴んでいたワゴンだけが手元にあった。
準備で寝不足だったからって、こんなタイミングで居眠りして、夢なんか見る?
大きく息を吸うと、爽やかな木の香りがした。その香りに少しだけ気持ちが落ち着いた。
あたりを見渡すと森というのは大げさだったかもしれない。林という方が合っているかもしれない。明るい日差しに風はない。細い土の道が曲がりくねって続いている。
三月だったのに景色はどう見ても秋。紅葉している木や落葉している木がある。
パンパンっと自分の顔を叩くと痛みを感じた。
夢じゃない。
なら、ここはどこ?
まさか、異世界じゃないよね?
えっちゃんはコスプレーヤーだったから、よく衣装やヘアメイクを手伝った。その時にキャラクター資料としてライトノベルを読まされたりしたから、それなりの知識はある。
普通、異世界転移したらチート能力があるんだよね。魔法とか。
右手の手のひらを上に向け、唱えてみた。
「光よ」
何も出なかった。思い入れたっぷりにポーズまでつけたのが恥ずかしい。誰にも見られてなくてよかった。チート能力はないのかな。
細い道の両側の先を見てみた。片方はうす暗く、片方は明るい。
とりあえず、ワゴンを引きながら、明るい方向に向かった。
みんなどうしているだろう。
坂田さんやえっちゃんはまだ、仕上げが済んでいないのに。結衣ではまだ、無理。お客として来たとはいえ、母さんが代わりに仕上げてくれたらいいんだけど。
腰につけていたシザーズバッグが邪魔でワゴンの中に入れた。人気のない道はでこぼこでワゴンのキャスターは引っかかってばかり。あっという間にゴムは擦り切れてしまった。でも、置いて、様子を見に行くつもりはなかった。この見知らぬ世界で自分の大切な道具が詰まったワゴンはお守りのようだった。
何時間たったのか。歩いても歩いても、景色はあまり変わらなかった。
レザースニーカーを履いていたので、歩くのは大丈夫だったけど、喉が渇いてきた。
少し迷ったけど、カット用の霧吹きスプレーの水を一口だけ飲んだ。温いし、朝、入れた水とわかっていても何となく嫌だ。
このまま、誰とも出会わないってことはないよね?
その時、遠くから何かが近づいて来る音がした。騒がしく話す声は聞いたことのない響きなのに意味はわかった。
よかった。言語がわかるチート能力はあった。今さら、先生もいない世界で知らない言語を覚えないといけなかったら、泣いてしまう。
私は細い道をそれ、音のする方に向かった。ワゴンを抱えて運ぶのは大変だったけど、茂みの中を進むと、すぐに大きい道に出くわした。
こんな近くに大きな道があったなんて。
私は音が近づく方を見て、叫び声を上げそうになった。
山賊だ!
馬に乗ったむさ苦しい男たちが十人以上はいる。日本人とは明らかに違う彫りの深い顔、大きな体、そして、髪の色がパンクのように派手だ。金髪、ピンク、青、黄色。長い髪を振り乱している。みんなボサボサで手入れしてない。砂煙を上げて、近づいてくる。
むさ苦しいからって、山賊と決めつけるのはひどいかな。とりあえず、助けを求めよう。
「なんだ、こんなところにいい獲物がいるじゃないか」
青い髪の男がまっすぐ私を見て言った。
本当に山賊だった!
私は慌てて、元の茂みの中に戻ろうとした。
「待て!」
待てるか。ワゴンを引きずり、必死で進む。落ち葉で足が滑った。
あっという間に馬の足音が近づいたかと思うと、いきなり腰に手が回り、体は宙に浮かんでいた。
「ん、なかなか、いい女じゃないか」
私をぎゅっと、抱き抱えた男ははっきり言って、臭かった。両手で押しのけようとしても、びくともしない。
「短い髪だな。おまけに変な服」
失礼な。鎖骨ボブなのに。服だって、タウン誌の取材で写真を撮る予定があったから、おしゃれな黒のパンツスーツにしたのに。
「放して」
自分の口から聞き慣れない言葉が出る。
「そう言われて、放す奴がいるものか。おーい、何だか珍しい服を来た女だぞ」
男は私を抱いたまま、馬から降りた。掴まれた手首が痛い。他の男たちも集まってきた。一人がワゴンを引きずっている。
「それ、乱暴にしないで。大事な物なの」
頼んでも、男たちはニヤニヤと笑うだけだった。
「それより、お前、どこから来た」
なんて答えればいい? どうすればいいの?
「答えられないか。見たことのない服にこの荷物。きっと、落ち人だぜ」
「高く売れるんだから、手をつけるなよ。こいつも荷物も大事にするんだ」
売る? 私のこと? 逃げなきゃ。
私は男の急所を蹴った。あまり、うまく当たらなかったが、男の手の力が緩む。男の手から手首を抜くと、逃げようと身を返した。
「こいつ」
バシッ。
次の瞬間、突き飛ばされて、私は木に叩きつけられていた。息ができない。苦しい。
それなのに、男は私のお腹を蹴った。
ゴホゴホッと咳をすれば、赤い血が出る。
「何やっている。大事にしろと言っただろ」
叱る声を聞きながら、私の意識は黒く沈んでいった。
私は深々と頭を下げた。
「おめでとう」「おめでとうございます」「可愛いお店ね」
今日は私のヘアサロン、スイート・スイートのプレオープン。夢にまで見た一日が始まる。
最初の招待客三人がやってきた。美容師学校時代の親友のえっちゃん、タウン誌の編集者、坂田さん、それから母。
アシスタントの結衣が素早く席に案内する。悩みに悩んで決めたチョコレート色のシート。インテリアはスイーツをイメージして、可愛く仕上げている。
坂田さんはカットとパーマ。えっちゃんはカラー。母はカット。
シャンプーの後、坂田さんの髪にロットを巻き、えっちゃんの髪にアッシュグレーのカラー剤を塗って、タイマーをかける。
そして、母に向き直った。
「私に似合うカットで」
母は恐ろしい注文をしてきた。
普通でもお任せは怖い。その上、母は超有名なカリスマ美容家だ。取材もよく入る母のヘアスタイルを失敗したら、目も当てられない。
今のウルフカットも似合っているが、もう少し大人の可愛いさを出したい。トップとサイドにボリュームを持たせたショートにする。
カットして、途中のタイマーの音で坂田さんやえっちゃんの髪をチェックして、洗い流しは結衣に頼む。
仕上げを終えると、鏡越しに母は満足げに笑った。
「うちの支店を任すっていうのに、独立するって言うから、まだ、反抗期なのかと思っていたけど。よく、ここまで頑張ったわね。真理亜。きれいにしてくれて、ありがとう」
優しい笑顔だった。
何だか泣きそうになって、私はうつむいた。
「メイクもするね」
ワゴンに手をかけ、メイクボックスを取り出そうとした時、ぐらりと世界が揺れた。
「地震?」
顔を上げたら、そこは森の中だった。
私の店も母もみんな、消え失せていた。ただ、掴んでいたワゴンだけが手元にあった。
準備で寝不足だったからって、こんなタイミングで居眠りして、夢なんか見る?
大きく息を吸うと、爽やかな木の香りがした。その香りに少しだけ気持ちが落ち着いた。
あたりを見渡すと森というのは大げさだったかもしれない。林という方が合っているかもしれない。明るい日差しに風はない。細い土の道が曲がりくねって続いている。
三月だったのに景色はどう見ても秋。紅葉している木や落葉している木がある。
パンパンっと自分の顔を叩くと痛みを感じた。
夢じゃない。
なら、ここはどこ?
まさか、異世界じゃないよね?
えっちゃんはコスプレーヤーだったから、よく衣装やヘアメイクを手伝った。その時にキャラクター資料としてライトノベルを読まされたりしたから、それなりの知識はある。
普通、異世界転移したらチート能力があるんだよね。魔法とか。
右手の手のひらを上に向け、唱えてみた。
「光よ」
何も出なかった。思い入れたっぷりにポーズまでつけたのが恥ずかしい。誰にも見られてなくてよかった。チート能力はないのかな。
細い道の両側の先を見てみた。片方はうす暗く、片方は明るい。
とりあえず、ワゴンを引きながら、明るい方向に向かった。
みんなどうしているだろう。
坂田さんやえっちゃんはまだ、仕上げが済んでいないのに。結衣ではまだ、無理。お客として来たとはいえ、母さんが代わりに仕上げてくれたらいいんだけど。
腰につけていたシザーズバッグが邪魔でワゴンの中に入れた。人気のない道はでこぼこでワゴンのキャスターは引っかかってばかり。あっという間にゴムは擦り切れてしまった。でも、置いて、様子を見に行くつもりはなかった。この見知らぬ世界で自分の大切な道具が詰まったワゴンはお守りのようだった。
何時間たったのか。歩いても歩いても、景色はあまり変わらなかった。
レザースニーカーを履いていたので、歩くのは大丈夫だったけど、喉が渇いてきた。
少し迷ったけど、カット用の霧吹きスプレーの水を一口だけ飲んだ。温いし、朝、入れた水とわかっていても何となく嫌だ。
このまま、誰とも出会わないってことはないよね?
その時、遠くから何かが近づいて来る音がした。騒がしく話す声は聞いたことのない響きなのに意味はわかった。
よかった。言語がわかるチート能力はあった。今さら、先生もいない世界で知らない言語を覚えないといけなかったら、泣いてしまう。
私は細い道をそれ、音のする方に向かった。ワゴンを抱えて運ぶのは大変だったけど、茂みの中を進むと、すぐに大きい道に出くわした。
こんな近くに大きな道があったなんて。
私は音が近づく方を見て、叫び声を上げそうになった。
山賊だ!
馬に乗ったむさ苦しい男たちが十人以上はいる。日本人とは明らかに違う彫りの深い顔、大きな体、そして、髪の色がパンクのように派手だ。金髪、ピンク、青、黄色。長い髪を振り乱している。みんなボサボサで手入れしてない。砂煙を上げて、近づいてくる。
むさ苦しいからって、山賊と決めつけるのはひどいかな。とりあえず、助けを求めよう。
「なんだ、こんなところにいい獲物がいるじゃないか」
青い髪の男がまっすぐ私を見て言った。
本当に山賊だった!
私は慌てて、元の茂みの中に戻ろうとした。
「待て!」
待てるか。ワゴンを引きずり、必死で進む。落ち葉で足が滑った。
あっという間に馬の足音が近づいたかと思うと、いきなり腰に手が回り、体は宙に浮かんでいた。
「ん、なかなか、いい女じゃないか」
私をぎゅっと、抱き抱えた男ははっきり言って、臭かった。両手で押しのけようとしても、びくともしない。
「短い髪だな。おまけに変な服」
失礼な。鎖骨ボブなのに。服だって、タウン誌の取材で写真を撮る予定があったから、おしゃれな黒のパンツスーツにしたのに。
「放して」
自分の口から聞き慣れない言葉が出る。
「そう言われて、放す奴がいるものか。おーい、何だか珍しい服を来た女だぞ」
男は私を抱いたまま、馬から降りた。掴まれた手首が痛い。他の男たちも集まってきた。一人がワゴンを引きずっている。
「それ、乱暴にしないで。大事な物なの」
頼んでも、男たちはニヤニヤと笑うだけだった。
「それより、お前、どこから来た」
なんて答えればいい? どうすればいいの?
「答えられないか。見たことのない服にこの荷物。きっと、落ち人だぜ」
「高く売れるんだから、手をつけるなよ。こいつも荷物も大事にするんだ」
売る? 私のこと? 逃げなきゃ。
私は男の急所を蹴った。あまり、うまく当たらなかったが、男の手の力が緩む。男の手から手首を抜くと、逃げようと身を返した。
「こいつ」
バシッ。
次の瞬間、突き飛ばされて、私は木に叩きつけられていた。息ができない。苦しい。
それなのに、男は私のお腹を蹴った。
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