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沈黙の日々
1,望み叶うならば(無)
しおりを挟むもし、望むならばたった一つ。
あなたの側にいて、支えたい。
歪な手足でも、歪な心でも、歪な関係でも、できることはあるはずだから。
願いを望み、叶うならば。
あなたの笑顔を見たい。
あなたの心臓の音を聞いて生きていると信じたい。
あなたの傷つく心を守りたい。
側にいて、守り守られ、支え、支えられる。
そんな関係で有り続けたい。
今は施しを受けるだけしかできない。
だけどそれを返したい。
でも、それは、同じ世界にいて、同じ場所にいて同じ時間にいる。
それで初めて叶えることができるんだと理不尽な世界に悪態を付いた。
それを聞くと彼は苦笑していた。
だから、できることはただ一つ。
体を鍛えて、あらゆる知識を頭に叩き込む。
何時か彼が困ったときに役立つように。
君が側にいてくれるために
少しでも彼の状況をよくするために。
できることをする。
愛しい君が側に居続けてくれるならば。
だから、あの日、あの時、何が起こったのかはわからない。
皆、雷が落ちたという記憶が最後だった。
叔父叔母の家で食べた栗ご飯が美味しかった秋の夜。
十一月二十日の放課後、五時五十三分。
朝から雨が降っていた。
一緒に傘を指してくれた彼が寒さに身を震わせていた。
ある進学校のその日、その時。
生徒四十三名と、教師三名。
行方不明のニュースが世間を騒がせた。
そのことで様々な憶測が流れた。
集団失踪。宇宙人説。雷に遺体も残らず焼き殺された説。人体発火現象。
後に神隠しと呼ばれ、世間を騒がせていたが半年もすれば徐々に消えていった。
だが、再び別の進学校にて人が消えた。
七月二十八日。
同じく放課後の六時。
生徒十八名。教師五名。
その日、学校に残っていた生徒が消えた。
再び世間を騒がせた。
消えたものがいなくとも世界は回り続ける。
そう、出来ているのだから。
だけど不本意ながらも一部の人間たちの願いが叶ったことだけは理不尽ながらも確かだった。
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