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沈黙の日々
10,追悼のために(暗)
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トラママに包まれて、作戦を練る。
子供たちは兄弟や狼とじゃれながらトラママの尻尾で遊んでいる。
狼も楽しそうにしている。
ひたすら考えていれば、心配そうにトラママが覗き込んでくる。
大丈夫と頭を撫でて、とりあえず水を飲む。
トラママは狼にお乳を与えてくれてありがたい存在である。
巻き込むわけにはいかない。
トラママはそうだと言わんばかりに立ち上がり、こっちと道を示す。
なんだろうと気をつけながら付いていけば、死体が埋まっている。
こちらを威嚇するトラママと同種の存在。
トラママが唸り超えを上げて威嚇するのを横目に鞄と服を引き剥がして死体は放置する。
服を探れば、学生手帳を発見する。
鞄を探って必要そうな物資を自分の鞄に移動させておく。
倫理に問われそうだが、そんなものは持っていない。
これだけあれば十分だとトラママの同族には頭を下げる。
このまま食われてもいいのだが、トラママが睨みを効かせている。
邪魔してごめんなさいと今一度頭を下げてその場を離れる。
じっとのぞき込んでくるトラママは次はこっちと案内を続ける。
同族がいるかいないかの違いはあったもののやることはほぼ同じ。
六人目で案内をやめたトラママを眺め、一度広場へと戻る。
鞄に入れていた三枚の学生手帳と、三枚の制服に縫われていた名前の一部。
生徒手帳に泣きながら書かれた文字に気づく。
そういえば昔熊に食われただろう登山者が書いたという手帳を思い出す。
似たような文言。
親に会いたいと震える字と涙ながらの文字。
何も悪いことをしていないのにと書かれた文字に破り捨ててやろうかと考え。
それらを丁重に布に纏める。
どれも顔は恐怖に歪んでいた。
涙が浮かんでいた。
親に会いたいと願ったのだろう。
家族に一目と願ったのだろう。
帰りたいと願ったのだろう。
それでも、例え、そうであっても叶える術などない。
自分がそれを叶える理由もない。
ざまぁみろとは思わない。
自業自得だとも思えない。
そんな資格があると思っていない。
ただ、大切な家族を思う気持ちだけはわかるから。
もし叶うならこれを家族に返してあげたい。
魂の一部である名だけでも返すために。
この世界で死んでいったと示すために。
六つの鞄はアルカンシェルの物である。
なので広場から離れた場所の立派な枝に固めてぶら下げておく。
狼がきゃんと鳴く。
大丈夫と頭を撫でて抱き上げる。
どっちにしても彼らに対してそこまで思い入れはない。
もしあちらの世界で同じように死んでいたならば多分無視しただろう些細な出来事。
自分の感情は捨てた。
それはお前らのせいでもあり、だから責められる謂れもない。
復讐せず家族に遺品を渡し、死んだことを伝えてあげるための行動なのだから感謝してほしいぐらいだ。
自分は親なんぞクソ食らえだが。
ただ死んでしまった以上、死体蹴りなど趣味ではないからこれだけは思う。
冥福をお祈りします
子供たちは兄弟や狼とじゃれながらトラママの尻尾で遊んでいる。
狼も楽しそうにしている。
ひたすら考えていれば、心配そうにトラママが覗き込んでくる。
大丈夫と頭を撫でて、とりあえず水を飲む。
トラママは狼にお乳を与えてくれてありがたい存在である。
巻き込むわけにはいかない。
トラママはそうだと言わんばかりに立ち上がり、こっちと道を示す。
なんだろうと気をつけながら付いていけば、死体が埋まっている。
こちらを威嚇するトラママと同種の存在。
トラママが唸り超えを上げて威嚇するのを横目に鞄と服を引き剥がして死体は放置する。
服を探れば、学生手帳を発見する。
鞄を探って必要そうな物資を自分の鞄に移動させておく。
倫理に問われそうだが、そんなものは持っていない。
これだけあれば十分だとトラママの同族には頭を下げる。
このまま食われてもいいのだが、トラママが睨みを効かせている。
邪魔してごめんなさいと今一度頭を下げてその場を離れる。
じっとのぞき込んでくるトラママは次はこっちと案内を続ける。
同族がいるかいないかの違いはあったもののやることはほぼ同じ。
六人目で案内をやめたトラママを眺め、一度広場へと戻る。
鞄に入れていた三枚の学生手帳と、三枚の制服に縫われていた名前の一部。
生徒手帳に泣きながら書かれた文字に気づく。
そういえば昔熊に食われただろう登山者が書いたという手帳を思い出す。
似たような文言。
親に会いたいと震える字と涙ながらの文字。
何も悪いことをしていないのにと書かれた文字に破り捨ててやろうかと考え。
それらを丁重に布に纏める。
どれも顔は恐怖に歪んでいた。
涙が浮かんでいた。
親に会いたいと願ったのだろう。
家族に一目と願ったのだろう。
帰りたいと願ったのだろう。
それでも、例え、そうであっても叶える術などない。
自分がそれを叶える理由もない。
ざまぁみろとは思わない。
自業自得だとも思えない。
そんな資格があると思っていない。
ただ、大切な家族を思う気持ちだけはわかるから。
もし叶うならこれを家族に返してあげたい。
魂の一部である名だけでも返すために。
この世界で死んでいったと示すために。
六つの鞄はアルカンシェルの物である。
なので広場から離れた場所の立派な枝に固めてぶら下げておく。
狼がきゃんと鳴く。
大丈夫と頭を撫でて抱き上げる。
どっちにしても彼らに対してそこまで思い入れはない。
もしあちらの世界で同じように死んでいたならば多分無視しただろう些細な出来事。
自分の感情は捨てた。
それはお前らのせいでもあり、だから責められる謂れもない。
復讐せず家族に遺品を渡し、死んだことを伝えてあげるための行動なのだから感謝してほしいぐらいだ。
自分は親なんぞクソ食らえだが。
ただ死んでしまった以上、死体蹴りなど趣味ではないからこれだけは思う。
冥福をお祈りします
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