昨日の自分にサヨナラ

林 業

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沈黙の日々

11,憐れ(無)

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さて、歩いている途中でもう二つほど見つけた。
なんでこんなことやってんるだろうと思いつつも後二つどこかなぁと悩む。
熱心に探すつもりもないのだが。

トラママは狼のお世話をしてくれている。
正直、頭が上がらない。
これ以上案内をするつもりはないらしいのでまぁいいかと諦める。


とりあえず現在は広場から轍を辿って山賊のアジトとやらを探している。

移動中は狼を加えて連れて行ってくれたり、歩かせたり。
正直助かる。
ちなみに背中に乗せてくれようとしたが丁重にお断りしている。
彼女が狼を連れて行っても文句は言えないほど面倒を見てくれているのだ。
養う側も助けてもらってどうする。

これはもう頭どころか足も向けれないと思い改める。


人の気配が近くなったのに気づき、木の上に登る。
周囲を見回して、洞窟を発見。
ただの洞窟のようだが、洞窟から入ってすぐのところに人がいるのに気づく。

しばらく様子を眺め夕方前に一度交代しているのを確認する。

地面に降りればトラママが狼を渡してくるので受け取る。
トラママはがうと一声吠えて子供たちと走っていく。

もう、助けてはくれないのだと理解する。
よしと気合を入れ直して、トラママに感謝しつつ周囲を探る。



亀裂が入っている。
丁度、自分がカニ歩きすれば通れる道幅。
亀裂を覗けば明かりが漏れているためどこかに繋がっていると理解して、早速入ってみる。

すぐに出口を発見できる。
自然にできた洞窟に少々の手を入れているらしい。

すぐに出ずに様子を見ていれば、男たち、罠の回収に来ていた男たちが笑いながら歩いていく。
ここで間違いないと判断して彼らがいなくなったと同時に飛び出て目の前の扉に飛び込む。

目の前にあるのは憎悪や苦痛に満ちた感情。
それらの主人たちである獣たち。
瓶に閉じ込められた虫もいる。

お腹が空いているのか唸り声を上げている。
檻の中にいる彼らに襲われることはないだろう。

思わず溜息を零す。
【あわれ】
そんな言葉が聞こえる。

鞄を下ろし、狼を取り出す。
いつの間にか目が開いていて、鼻を鳴らしながらあっちこっち動き回ろうとしている。

虫に食事と獣を示せば、駄目とかそれよりこっちとか別のを教えてくれるのでそれを渡す。


本当に憐れだ。
憐れで、哀れ。
同じ種だからこそ憐れと罵る。

お前たち人間ごときが獣を制御などできるものか。
空腹は人だけでなく獣にすら力を与えるスパイスになるだろう。

彼らを見る。

恨み辛み、自分が受け取る。
復讐も望むなら計画する。
今はただわずかでも腹を満たせ。

計画を教えた後は自分を糧のために食い殺してもいい。

だから、今はただ静かに大人しく待て。



さぁ。計画を立てる前に、まずは中を確認しよう。

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