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沈黙の日々
12,預言者(使命感)
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クリスタ国国軍は、予定より早まった嘆きの森遠征を行う。
周期的に異邦人が訪れるために行われる。
別に異世界の人間など放っておけばいいと言うものも少なくない。
だが、王はそうは行かない。
何せある時代より王は自国を守る大精霊と契約しているからである。
異邦人を嘆きの森で殺させるな。保護しろ。と。
その為各国の土地に訪れる異邦人を一年間、保護下に入れる。
そして嘆きの森にいる異邦人の保護を名目として、そして調査を兼ねて遠征を行う。
今回は出したはずの書類の紛失により少々早まった遠征。
むしろ、落雷が二度も落ちたことも相まって早急に調査に行くこととなった。
幾度も遠征に行かなくなったのは良かったと思える。
書類申請が通っていれば、この世界の住人ですら忌避するような森に来ることになっていた。
紛失したものにこっそり感謝する。
この森は約六層に別れて存在している。
中心に行けば行くほど魑魅魍魎の巣となる。
今回行くのは辛うじて人間が過ごせる四層と三層の境界。
異邦人が訪れるのはこの辺りが多い。
異邦人がいると色々と知識やユニークスキルなどを持っていることが多く有益に使えることもあるので国に召し抱えられることも少なくない。
少なくとも国に益がないことはない。
いなくとも困ることはないが。
だがそれこそまだ年端も行かない子供が来ることもある。
我が子と同じような年齢の幼子であることもある。
それを思えば早急に保護したいと思う兵士も少なくない。
様々な思惑の中で第三層まで来て、明日には境界付近を探索する手はずで休息を得ていた彼ら。
不気味な男を発見し、誰もが武器を向ける。
仮面を付けた、嘆きの森に来たとは思えないほど軽装備な人間。
彼ら兵士でもたった一つ、心当たりがある。
アルカンシェルのトップが一人。
その商会には二人の人間がまとめ上げている。
一人は商会長と呼ばれるハイエルフのラゥナ、メーラン。
そしてもう一人は、名称不明、年齢不詳、性別不明、表舞台にも殆ど出てこない異邦人とも言われる仮面の人間。
少なくともアルカンシェルの経営者である。
誰が呼んだか、通称をトップという。
当たりをつけたからと名を呼ぶわけにも行かずに武器を向けたまま叫ぶ。
「お前は何者だ」
「アルカンシェル、経営者が一人」
便宜上、彼と呼ぶが、たった一文そう告げる。
アルカンシェルは嘆きの森を平然と歩ける技術を持つ。
その理由がトップが獣たちに好まれているからと利いていた。
噂程度だが目の前にして気づく。
先程まで監視するような、目部見するような視線をこちらに向けていたが、今はトップへ好意を向けているのに。
「商人がなんのようだ」
「預言者の使命を果たしに来た」
そっとピン伸びた指先は獣道を示す。
「その先に行くといい。大きな手柄を立てれるだろう」
「行かなければどうなるんだ?むしろ行く理由などないだろう」
「助けなければ、お前たちの王の願いは叶わぬだろう」
獣道を見てから彼を見る。
あの、手厳しくも優しい王の願い。
手柄よりも心が揺れる言葉。
執務ばかりしているあの方が幸せになるということだろうかと悩む。
「別に助けに行かずとも自分はどっちでもいい。これをしなければならない使命。ちなみに助けなかったら獣は遠慮なく襲うだろうし、助けたらここを抜けるまで獣はただ観察するだけ。じゃあ、ね」
背中を向けて歩き、木陰へと消えていく最中で、異邦人が虎という生物に似たティーガルに体を擦り寄せられているのを最後に姿も気配も消える。
どうするかと国軍の隊長は悩む。
周期的に異邦人が訪れるために行われる。
別に異世界の人間など放っておけばいいと言うものも少なくない。
だが、王はそうは行かない。
何せある時代より王は自国を守る大精霊と契約しているからである。
異邦人を嘆きの森で殺させるな。保護しろ。と。
その為各国の土地に訪れる異邦人を一年間、保護下に入れる。
そして嘆きの森にいる異邦人の保護を名目として、そして調査を兼ねて遠征を行う。
今回は出したはずの書類の紛失により少々早まった遠征。
むしろ、落雷が二度も落ちたことも相まって早急に調査に行くこととなった。
幾度も遠征に行かなくなったのは良かったと思える。
書類申請が通っていれば、この世界の住人ですら忌避するような森に来ることになっていた。
紛失したものにこっそり感謝する。
この森は約六層に別れて存在している。
中心に行けば行くほど魑魅魍魎の巣となる。
今回行くのは辛うじて人間が過ごせる四層と三層の境界。
異邦人が訪れるのはこの辺りが多い。
異邦人がいると色々と知識やユニークスキルなどを持っていることが多く有益に使えることもあるので国に召し抱えられることも少なくない。
少なくとも国に益がないことはない。
いなくとも困ることはないが。
だがそれこそまだ年端も行かない子供が来ることもある。
我が子と同じような年齢の幼子であることもある。
それを思えば早急に保護したいと思う兵士も少なくない。
様々な思惑の中で第三層まで来て、明日には境界付近を探索する手はずで休息を得ていた彼ら。
不気味な男を発見し、誰もが武器を向ける。
仮面を付けた、嘆きの森に来たとは思えないほど軽装備な人間。
彼ら兵士でもたった一つ、心当たりがある。
アルカンシェルのトップが一人。
その商会には二人の人間がまとめ上げている。
一人は商会長と呼ばれるハイエルフのラゥナ、メーラン。
そしてもう一人は、名称不明、年齢不詳、性別不明、表舞台にも殆ど出てこない異邦人とも言われる仮面の人間。
少なくともアルカンシェルの経営者である。
誰が呼んだか、通称をトップという。
当たりをつけたからと名を呼ぶわけにも行かずに武器を向けたまま叫ぶ。
「お前は何者だ」
「アルカンシェル、経営者が一人」
便宜上、彼と呼ぶが、たった一文そう告げる。
アルカンシェルは嘆きの森を平然と歩ける技術を持つ。
その理由がトップが獣たちに好まれているからと利いていた。
噂程度だが目の前にして気づく。
先程まで監視するような、目部見するような視線をこちらに向けていたが、今はトップへ好意を向けているのに。
「商人がなんのようだ」
「預言者の使命を果たしに来た」
そっとピン伸びた指先は獣道を示す。
「その先に行くといい。大きな手柄を立てれるだろう」
「行かなければどうなるんだ?むしろ行く理由などないだろう」
「助けなければ、お前たちの王の願いは叶わぬだろう」
獣道を見てから彼を見る。
あの、手厳しくも優しい王の願い。
手柄よりも心が揺れる言葉。
執務ばかりしているあの方が幸せになるということだろうかと悩む。
「別に助けに行かずとも自分はどっちでもいい。これをしなければならない使命。ちなみに助けなかったら獣は遠慮なく襲うだろうし、助けたらここを抜けるまで獣はただ観察するだけ。じゃあ、ね」
背中を向けて歩き、木陰へと消えていく最中で、異邦人が虎という生物に似たティーガルに体を擦り寄せられているのを最後に姿も気配も消える。
どうするかと国軍の隊長は悩む。
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