20 / 148
クリスタ王国
4,昔々(嬉々)
フリザードはアヤの頭だけでなく手や足など怪我している部分を撫でながら説明する。
この世界はガルーアという。
昔、女神、ガルーアが暗闇の世界を訪れた。
その暗闇にいた男神と結ばれ、六柱の精霊を産んだ。
六柱の精霊はその空間に一つのガルーアという空間を作り、両親に贈った。
六柱の精霊は大精霊と呼ばれ、彼らが作った生命と暮らした。
女神と男神は子供たちとその生命の営みをのんびりと眺め見守った。
そのうち生命は国を作り出し、大精霊と呼ばれた彼女たちは国の代表者、王と契約して、守護した。
だがある時は、光の大精霊の守護する国が反乱を起こし、男神を殺した。
女神は愛しい人と切り裂かれた故に嘆き悲しみ世界を引き裂いた。
そのなまガルーアとアースと呼ばれる二つの異世界に分かれた。
そうして女神は世界へ目を向けることは二度となかった。
光の大精霊の国は滅び、人を簡単に蹂躙する獣が跋扈した森となった。
それが嘆きの森である。
その森には別世界の人間が迷い込む。
ある時、大精霊たちは王に告げた。
「異世界の人間を保護せよ。
嘆きの森で死なせるな。
期間は一年。
その間に知恵と能力を与え、この世界で生きていけるように育て上げよ」
王となった制約の一つである。
百年から二百年周期で各国の国に現れる。
王はその制約を守るため、異世界人の保護に力をかける。
今回の国軍もまたその制約のために嘆きの森を訪れていたのだという。
アヤは聞き終えてから色々と気になる事を一旦飲み込む。
ウロは耳を立てて話を聞いている。
「ん、つまり、人間は馬鹿なことして女神怒らせた。結果、別世界ができてそっからいろんな人くる。大精霊たちはさすがにこのままはまずいと偉い人に独り立ちするまで保護申し出た」
「そういうことだ。ここまでで説明あるか?」
「一年間だけ?」
「保護はな。一応来週の頭から勉強が始まり、そこから半年後に各国の王や商人との顔合わせが行われる。その頃から独り立ちした、その後の就職先に有利になる知識を与えることとなる」
「決まってない場合は?」
「通常授業も続ける。専門の授業を申請してくれたら受けてもいい」
それからと懐からカードを取り出して向けてくる。
「これに触れてくれ」
アヤが受け取り、何も書かれていないカードを見る。
「それに文字が浮かんだら身分証明書に」
あっという間に燃え尽きるカード。
アヤは灰となったカードを見てからフリザードを見る。
「嫌がらせ?」
目には感情が消えており、フリザードは宥めつつ手を取り魔術で出した水で洗う。
アヤはウロを見れば丸くなったまま。
「二重防止の魔術が発動したようだな」
「に、何?二重防止、魔術?ふぁんたじー」
「あー。一度身分証のカードを作っている場合、二つ目は作れないんだ。紛失時にはその二重防止の魔術を撤廃して作り直すんだが。アヤ。もう持っていたりとか誰かから似たようなものを持ったことは?」
「ない。ここに来てからも意識朦朧は度々あったけど人が来ればわかる」
「そうか。じゃあ、魂が二つ以上ある場合か?しかし」
アヤは胸を握りしめており、フリザードはその手を握る。
「まぁよいか。身分証についてはとりあえず調べておこう。アヤの身分証はどうにかこっちで用意する。そうそう。衣食住は用意する。それ以外でほしいものは来週から月一で小遣いを渡すので受け取ってくれ」
本来は身分証から受け取れるらしいが。
「異邦人同士の貸し借り、献上は厳禁。見つけた時点で、貢がれた側の小遣いは来月は間引きされると思えまた物を買って貢ぐのも禁止だ」
「共同購入は?」
「ちゃんと分け合えるものならば。時と場合による。何かあるのか?」
「皆和食、故郷のご飯食べたいって。アルカンシェルなら故郷のものある、って噂話聞いた。もし皆食べたいって言うなら、と」
「まぁ、そのぐらいならばいいだろう」
「後フリザードにお礼に作りたい。こっちの料理知らないから、自分の故郷の味贈る」
「?毎晩食べていたのはこっちの料理だろう?」
「作り方知らない。覚えたらおいおい作る」
「アヤの手料理か。楽しみだな。先にこれを渡しておこう」
お菓子を手渡され、思わず受け取り首を捻る。
「早く元気になるために良さげなお菓子をアルカンシェルから購入した」
「ありがとう。でも依怙贔屓?」
「医者から退院後には食わせろと言われているからな」
裏を突こうとする彼にアヤはとりあえず食べる。
ウロのはと顔を上げるが、これは駄目。と止める。
ちなみにアヤは今回の怪我に加え、栄養失調などもあったために入院が長引いているのだが本人には伝わっていない。
この世界はガルーアという。
昔、女神、ガルーアが暗闇の世界を訪れた。
その暗闇にいた男神と結ばれ、六柱の精霊を産んだ。
六柱の精霊はその空間に一つのガルーアという空間を作り、両親に贈った。
六柱の精霊は大精霊と呼ばれ、彼らが作った生命と暮らした。
女神と男神は子供たちとその生命の営みをのんびりと眺め見守った。
そのうち生命は国を作り出し、大精霊と呼ばれた彼女たちは国の代表者、王と契約して、守護した。
だがある時は、光の大精霊の守護する国が反乱を起こし、男神を殺した。
女神は愛しい人と切り裂かれた故に嘆き悲しみ世界を引き裂いた。
そのなまガルーアとアースと呼ばれる二つの異世界に分かれた。
そうして女神は世界へ目を向けることは二度となかった。
光の大精霊の国は滅び、人を簡単に蹂躙する獣が跋扈した森となった。
それが嘆きの森である。
その森には別世界の人間が迷い込む。
ある時、大精霊たちは王に告げた。
「異世界の人間を保護せよ。
嘆きの森で死なせるな。
期間は一年。
その間に知恵と能力を与え、この世界で生きていけるように育て上げよ」
王となった制約の一つである。
百年から二百年周期で各国の国に現れる。
王はその制約を守るため、異世界人の保護に力をかける。
今回の国軍もまたその制約のために嘆きの森を訪れていたのだという。
アヤは聞き終えてから色々と気になる事を一旦飲み込む。
ウロは耳を立てて話を聞いている。
「ん、つまり、人間は馬鹿なことして女神怒らせた。結果、別世界ができてそっからいろんな人くる。大精霊たちはさすがにこのままはまずいと偉い人に独り立ちするまで保護申し出た」
「そういうことだ。ここまでで説明あるか?」
「一年間だけ?」
「保護はな。一応来週の頭から勉強が始まり、そこから半年後に各国の王や商人との顔合わせが行われる。その頃から独り立ちした、その後の就職先に有利になる知識を与えることとなる」
「決まってない場合は?」
「通常授業も続ける。専門の授業を申請してくれたら受けてもいい」
それからと懐からカードを取り出して向けてくる。
「これに触れてくれ」
アヤが受け取り、何も書かれていないカードを見る。
「それに文字が浮かんだら身分証明書に」
あっという間に燃え尽きるカード。
アヤは灰となったカードを見てからフリザードを見る。
「嫌がらせ?」
目には感情が消えており、フリザードは宥めつつ手を取り魔術で出した水で洗う。
アヤはウロを見れば丸くなったまま。
「二重防止の魔術が発動したようだな」
「に、何?二重防止、魔術?ふぁんたじー」
「あー。一度身分証のカードを作っている場合、二つ目は作れないんだ。紛失時にはその二重防止の魔術を撤廃して作り直すんだが。アヤ。もう持っていたりとか誰かから似たようなものを持ったことは?」
「ない。ここに来てからも意識朦朧は度々あったけど人が来ればわかる」
「そうか。じゃあ、魂が二つ以上ある場合か?しかし」
アヤは胸を握りしめており、フリザードはその手を握る。
「まぁよいか。身分証についてはとりあえず調べておこう。アヤの身分証はどうにかこっちで用意する。そうそう。衣食住は用意する。それ以外でほしいものは来週から月一で小遣いを渡すので受け取ってくれ」
本来は身分証から受け取れるらしいが。
「異邦人同士の貸し借り、献上は厳禁。見つけた時点で、貢がれた側の小遣いは来月は間引きされると思えまた物を買って貢ぐのも禁止だ」
「共同購入は?」
「ちゃんと分け合えるものならば。時と場合による。何かあるのか?」
「皆和食、故郷のご飯食べたいって。アルカンシェルなら故郷のものある、って噂話聞いた。もし皆食べたいって言うなら、と」
「まぁ、そのぐらいならばいいだろう」
「後フリザードにお礼に作りたい。こっちの料理知らないから、自分の故郷の味贈る」
「?毎晩食べていたのはこっちの料理だろう?」
「作り方知らない。覚えたらおいおい作る」
「アヤの手料理か。楽しみだな。先にこれを渡しておこう」
お菓子を手渡され、思わず受け取り首を捻る。
「早く元気になるために良さげなお菓子をアルカンシェルから購入した」
「ありがとう。でも依怙贔屓?」
「医者から退院後には食わせろと言われているからな」
裏を突こうとする彼にアヤはとりあえず食べる。
ウロのはと顔を上げるが、これは駄目。と止める。
ちなみにアヤは今回の怪我に加え、栄養失調などもあったために入院が長引いているのだが本人には伝わっていない。
あなたにおすすめの小説
処刑される悪役令息に転生したらなぜか推しの騎士団長がグイグイ近づいてくる
猫に小判
BL
交通事故で死んだはずの会社員・田中悠人は、気がつくとBL小説『恋と陰謀~はじまりは夜に~』の世界に転生していた。
しかも転生先は、原作で処刑される悪役令息エリオット。
当然そんな未来は回避したい。
原作知識を頼りに慎重に立ち回るつもりだったのに、気づけば王宮を揺るがす事件に巻き込まれていき――。
さらに困ったことに、原作で一番の推しだった騎士団長ガイウスがやたらと距離を詰めてきて……?
平穏に生きたい元悪役令息と、過保護な騎士団長がじれじれ距離を縮める話。
ガイウス(騎士団長)×エリオット(元悪役令息)
【完結】巷で噂の国宝級イケメンの辺境伯は冷徹なので、まっっったくモテませんが、この度婚約者ができました。
明太子
BL
オーディスは国宝級イケメンであるにも関わらず、冷徹な性格のせいで婚約破棄されてばかり。
新たな婚約者を探していたところ、パーティーで給仕をしていた貧乏貴族の次男セシルと出会い、一目惚れしてしまう。
しかし、恋愛偏差値がほぼ0のオーディスのアプローチは空回りするわ、前婚約者のフランチェスカの邪魔が入るわとセシルとの距離は縮まったり遠ざかったり…?
冷徹だったはずなのに溺愛まっしぐらのオーディスと元気だけどおっちょこちょいなセシルのドタバタラブコメです。
バイト先に元カレがいるんだが、どうすりゃいい?
cheeery
BL
サークルに一人暮らしと、完璧なキャンパスライフが始まった俺……広瀬 陽(ひろせ あき)
ひとつ問題があるとすれば金欠であるということだけ。
「そうだ、バイトをしよう!」
一人暮らしをしている近くのカフェでバイトをすることが決まり、初めてのバイトの日。
教育係として現れたのは……なんと高二の冬に俺を振った元カレ、三上 隼人(みかみ はやと)だった!
なんで元カレがここにいるんだよ!
俺の気持ちを弄んでフッた最低な元カレだったのに……。
「あんまり隙見せない方がいいよ。遠慮なくつけこむから」
「ねぇ、今どっちにドキドキしてる?」
なんか、俺……ずっと心臓が落ち着かねぇ!
もう一度期待したら、また傷つく?
あの時、俺たちが別れた本当の理由は──?
「そろそろ我慢の限界かも」
恋愛騎士物語1~孤独な騎士の婚活日誌~
凪瀬夜霧
BL
「綺麗な息子が欲しい」という実母の無茶な要求で、ランバートは女人禁制、男性結婚可の騎士団に入団する。
そこで出会った騎兵府団長ファウストと、部下より少し深く、けれども恋人ではない微妙な距離感での心地よい関係を築いていく。
友人とも違う、部下としては近い、けれど恋人ほど踏み込めない。そんなもどかしい二人が、沢山の事件を通してゆっくりと信頼と気持ちを育て、やがて恋人になるまでの物語。
メインCP以外にも、個性的で楽しい仲間や上司達の複数CPの物語もあります。活き活きと生きるキャラ達も一緒に楽しんで頂けると嬉しいです。
ー!注意!ー
*複数のCPがおります。メインCPだけを追いたい方には不向きな作品かと思います。
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。
不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!
タッター
BL
ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。
自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。
――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。
そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように――
「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」
「無理。邪魔」
「ガーン!」
とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。
「……その子、生きてるっすか?」
「……ああ」
◆◆◆
溺愛攻め
×
明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け
完結しました。
たまに番外編更新予定です。
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。