昨日の自分にサヨナラ

林 業

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平和な日々

7,家族(眠い)

フリザードはウロの体を撫でながら仕事をする。

ウロはきゅうと鼻を鳴らしながら膝の上にいる。
「お前。そんなに寂しがるならついていけばよかったろう」
ぅうぅと唸るウロに苦笑する。
「まぁ、アルカンシェルに服買いに行くと言った時点でなんとなく理解はしておる。面倒なことはな」
「きゅー」
「だからといって私に文句を言って困るぞ。ウロ。ただまぁ、子の文句を聞くのは親の勤めだからな。話したいことは話しなさい」
「わん」
嬉しそうなウロにフリザードは頭を撫でる。
『おとーさん』
声が聞こえた気がしてフリザードは一瞬周囲を見回して、ウロの文句を聞きながらそのまま仕事に戻る。


「そうだ。今度、リグハルト紹介しないとな」
ウロが見上げて首を捻る。
「私の甥のようなもので、そうだな。ウロにとっては従兄弟だが兄のようなものだな」
ウロは兄と言われて、浮かぶは、アヤが兄と呼ぶ人たち。

あんな感じ?と見上げる。


フリザードは頭を撫でるだけ。




「た、只今戻りました」
疲労感のあるアイアが戻ってくる。
「あぁ。おつかれ」
ウロは飛び降りて、周囲を見る。
「アヤさんなら部屋にいるぞ。行くのはちょっと待て」
出ていこうとするのをアイアが抱き上げて止める。
「珍しいな。ウロを迎えに来ないなんて」
「流石に疲れたみたいです。お迎えをすると申しました」
「そうか。なら今日はもう上がっていいぞ」
やったとアイアは立ち上がる。
「お疲れ様でした。じゃあ、アヤさんの部屋に行こうか。ウロ」
「あ。アヤの服装どうだった?」
「え、あー。はい。素敵でしたよ」
あんまり覚えてないけどとは思うだけに留める。
「もっと細部とか」
「いや。当日見てください」
「出来たらお揃いがいいなぁと」
知るか。とは流石に言わず、当日の楽しみにしてくださいとだけ言い残す。

「アルカンシェルに頼むか」

等と不穏な声がしたが聞かなかったことにする。


ウロと部屋に戻れば、珍しく自室のベッドの上にいるアヤ。

「大丈夫ですか?フィーは?」
「お仕事戻っていった」
「あぁ。なるほど」
「ウロ。おいで」
やったとウロはアヤの腕に蹲る。

嬉しそうに状況を話してくれるのを待っている。
だが当の本人はうたた寝中。
「お昼寝してはどうですか?」
「うん。そうする。流石に、疲れた」
ウロを撫でながら早速眠につく。

「軽食用意しとくか」
立ち上がり、ウロはきゅうきゅうと文句を言いつつも撫でられるがまま。
ドアをしっかり閉めて食堂に向かう。



アヤの部屋の鍵をアイアとフィーは合鍵として持っている。
何せ鍵を閉めていないと、目を離したウロが自由に出入りしてしまうのだ。
フリザードを探している。
そのため二人が揃っていると出ず、まだ問題は起こっていない。
アヤが現在教育中であるが、先は遠そうである。




フリザードは暇を見つけて、馬小屋へと向かう。
「リグ。いるか」
「ぶるる」
呑気に小屋の中でのんびりと過ごしていた馬が鳴く。

「世話役から今日は一度も外に出ていないと聞いたぞ。雨でも降るのか?」
ぶるると正解と言わんばかりに嘶く。
そして早く帰れと言わんばかりに鼻で押してくる。
「わかったわかった。今日は墓参りにでもと思ったが、また次の機会に。あ、そうだ。そのときにお前の従兄弟を紹介しよう。後私の愛しい人も」
馬は惚気と気づいて叔父として慕うフリザードをさっさと追い出す。

雨に降られて、父と慕っていたあの人ように病で死なれては困る。と。

けれど、いとこ。
従兄弟の話だけは聞きたい。
父の想いと願いに応えて頼りになるお兄さんしたい。
そんなことを、馬であるリグハルトは考える。

とはいえ、叔父は渋々だが帰っている。

明日来るのを楽しみにしよう。

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