昨日の自分にサヨナラ

林 業

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平和な日々

8,馬の従兄弟(平和)

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アヤが珍しく自室に、それもベッドの上にいるとフリザードは眺める。
本を読んでは閉じて次の本に手を伸ばす。
「アヤ」
呼ばれたアヤは何?と体を起こす。


「今からリグハルトに会いに行くのだが行くか?」
「馬?」
「馬だ」
「行く。ウロ。馬のリグハルトお兄ちゃんに会いに行こう」
ぬいぐるみで遊んでいたウロは行くと飛び出す。
だいぶ汚れてきたと眺めて、新しいのを買うかと考える。
手を出そうとして、ウロは前に立ちはだかる。
ウロのおもちゃだよ?
という感じと
ウロの。手出ししないで?
の様子にどっちだろうなぁと考える。

後ででいいかとウロを抱き上げて、アヤに手を出す。
「アヤ。手を」
「エスコートいい」
「そう、か」
落ち込むフリザードにしょうがないなぁ手を繋いで歩く。

中庭を駆ける馬を眺める。
かっこいいと眺めるアヤとウロを横目にフリザードは指笛を鳴らして、馬を呼ぶ。
馬は嘶きを上げながらこちらへと向かってくる。

フリザードに挨拶をしてから自分と、ウロを見る。
じっとウロを見続ける姿にフリザードは苦笑する。
「彼がアヤで、こっちがウロだ。お前の弟分だな」
アヤに嘶きをする。
「こんにちわ。リグハルト君」
それからウロに嘶きをすれば、ウロはびっくりしながらもわんと答える。

「ウロ」
キラキラした目でリグハルトを眺めるウロ。
「ウロと仲良くしてね」
リグハルトはぶるると嘶く。

一緒走るとウロが訴えてくるのでアヤと一緒に馬の隣に立つ。

それからウロを下ろせば、嬉しそうに側にじゃれつく。
リグハルトも鼻先で相手をしている。
ウロが横を走ればそれに合わせるよう、踏まないよう注意しながら歩いている。

「肉食と草食」
ぽつりと呟くアヤに、フリザードは微笑む。
「今から一緒にいればリグハルトもウロも聡いから大丈夫だろう」
「リグ君。何好き?」
「キャロットだな。時々果物を欲しがる」
「今度人参用意しよう」
ウロが息を切らしながら戻ってくる。
フリザードに抱っこをねだり、フリザードは抱き上げる。

ウロは腕の中で目を閉じる。
「寝た。リグ君。面倒みてくれてありがとう」
リグハルトは任せろと言わんばかりに声を出すと再び走り出す。

「墓参りに行こうと思ったのだがなぁ」
戻ってくる気配のない様子にフリザードは諦め気味。
「お墓?」
「父母と私の弟、リグにとっては父に当たる、クリードだ」
「そっか」
「父親に似てマイペースなのが玉に瑕だが、私とアヤが乗れるほどすごい馬だぞ」
優しい笑顔で自慢してくるフリザードにアヤは頷く。
アヤは背を伸ばして、手を伸ばして頭を撫でる。



「どうした?」
「何時もお疲れ様」
「許可があれば抱きしめるんだが」
「絶対やめて」

リグハルトはその姿を遠目から確認して、見なかったことにする。


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