昨日の自分にサヨナラ

林 業

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平和な日々

12,各国の王族(美味)

年長者から紹介されるらしい。

人種では見られない伸びた長い耳。
女性であると同時に十代前半の姿。
同級生だと言われたら納得しそうな幼さの残る顔。
だがその威風堂々は現代社会の学生ではあまり見られないほど威厳がある。
「妾はハイエルフが一人、リリーア、メーラン。木の大精霊の守護する国の女王じゃ」
メーランと聞き首を捻る。
反射的に良い印象を与えておこう。と考える。
後にアヤは知る。
ラゥナ、メーランの姉である、と。



それよりと隣の存在を眺める。
梟種だろう人並みほどの大きさの鳥。
器用に首のネクタイを羽のような指で直して告げる。
「ラゥル。鳥獣族、フロック、ラゥルなのだ。風の大精霊の国の王なのだ」
アヤはその頭に付く耳を眺める。
(ミミズク系かな。こう、羽毛に埋もれたい)
ウロが食べ終わったと見上げてくるので頭を撫でて、時間のかかるおやつを与える。



短足に低身長、髭面で、体格はフクロウよりも良い男が告げる。
「わしはドアーフ族の、ギャラハンじゃ。細工物、鉱山など興味ありゃあ、いつでも問い合わせろ。報酬次第だがな」
髭を撫で付けながら、告げる。


フリザードが前に出ようとして赤髪の男に止められる。
「ヴィッサー陛下はいいだろ。皆知ってるだろ。俺は、ローバト。火の精霊王が務める、火山大国だ。温泉や、冒険者の国って言われてんだ。自由がほしいならこっちの国に来い」

「お前さんとこはただ単に血が頭にのぼりやすい輩が多いだけじゃろうて」
リリーアが聞こえるように告げ、クソババァと吐き捨る。
「ほほう。若造」
「とう。俺様参上!魔王が一人、魔族と呼ばれる種族を代表する者、ネロ、カッツ。最古の魔王だ」

先日現れた黒猫と名乗っていた人が突然その場所に現れる。
二人の嫌悪な雰囲気が一気に気の抜けたものへと変化する。
どうした?と二人に聞くが二人は何でもないと答えている。
(だから黒猫か)
アヤは自己紹介にそんなことを考える。


王族や商人たちと会話が始まる。
「ヴォルフ、もといヴァーナルガンドの主人よ。そして、いろ」
「それ、呼んだら許さない」
「はいっ」
アヤの気迫に、魔王は肯定しかできない。

「それで黒猫さんは何かご用事?」
「うむ。お前の子の様子を見に来たのだ。どうだ。元気か?」
「ウロは」
おやつに夢中になっているウロを示す。
「元気そうだ。良かったよかった。もし、育てきれなくなったり、お前たちが死んだら、魔王が引き取れることも忘れるなよ」
「ありがとうございます」
アヤは素直に頭を下げる。


魔王の後ろにフリザードが現れ、フリザードは魔王に背後から告げる。
「やけに親しげだな。魔王」
「ヴィ、ヴィッサー。落ち着け。落ち着いてくれ」
「そういえば前にアヤが黒猫さんと会ったとか言う話をしていたなぁ。まさか貴殿のことか?」
「そ、それはだな」
「そうだよ」
アヤが肯定し、魔王はなんで言うんだと青ざめる。
「アヤに会うときはきちんと教えてくれと言わなかったか?」
「氷の、落ち着かんか」
声にアヤは二人の後ろを見る。



魔王は一度凍らされ、自力で復活していた。
「氷の。酷い」
フリザードはアヤ食事を渡して満足している。
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