44 / 148
平和な日々
13,礼儀正しく(作法)
流石にとアヤは椅子から降りる。
「えーっとお主名は」
リリーアがアヤを見る。
「お初にお目にかかります。光る野を彩る。コウノ、アヤと申します。以後お見知りおきを」
「ほう。なかなか達者だな」
「お褒め頂き感謝いたします。女王様。また他の皆様への挨拶が遅れますこと深くお詫び申し上げます」
アヤが頭を下げつつ続ける。
「この度異邦人が一人として参りました。お見知りおきただければ幸いでございます」
「アヤが礼儀正しい」
ぽつりとサガラが告げる。
アヤは聞き取ってサガラを見る。
「王族相手にはしっかりやる。首飛ばされたくない」
アヤが即座にサガラへと告げる。
「だって、陛下には」
「嫌がる」
「あぁ」
即座にカヤマは頷く。
「そういえば、あ、い、あー。コウノ殿」
魔王が呼び方を考えてから聞いてくる。
「カヤマ、コウスケと言う男はいるか?」
「コウスケは俺だけど、カヤマはあっち。カヤマ先生はサノスケ」
「ぐっちゃぐちゃになってる」
「お主ではない。じゃあ、あっちの」
「呼びましたか?」
カヤマがやってきて、瞬間魔王が両手を広げて叫ぶ。
「結婚しよう。カヤマ」
カヤマがしばらく眺めてから、盛大な溜息を吐くフリザードを見て、アヤを見る。
「こちらの魔王様は頭がおかしい方なのかな?」
「否定はしない、です」
「否定してくれ!」
「いやいや。自分で黒猫名乗っておいておかしくないって変。それより」
「それより!」
驚いた魔王にアヤは続ける。
「魔王様はなんで先生に求婚する?」
「この者は再び世界を渡れば不幸になるからだ。後好みだ!」
「渡る。つまり戻れる可能性あるってこと?」
「まだ確定事項ではない。だが、その可能性が未来の僅か微かにあった」
アヤはしばらく魔王を見る。
「待ってくれ。じゃあ、あんたがアルカンシェルから来た手紙の黒猫か?」
「多分そうだろうな。あ奴から来る手紙にはすべて黒猫と敬称されておった」
「じゃあ、俺の不幸ってのはなんだ?親や婚約者が変わりに死ぬとか?」
「いや。そんな生ぬるいものではない。お前の身を引き裂かれるほどの苦痛を心に受けるだろう」
「黒猫さん」
アヤが魔王の言葉を止める。
「その個人的事情は後で話してくれませんか?最悪王様の誰か一緒にでもいいけど」
「では、そのときは私が同行しよう」
フリザードは名乗りを上げて、カヤマはお願いしますと頭を下げる。
「そんなことより、可能性が、どうやったら起こるか知りたい」
「さぁな。あぁ。いや。ちょっと待て」
魔王はその場を離れて行く。
アヤは眠そうなウロの頭を撫でる。
「アヤ。戻りたいのか」
フリザードが聞けば、アヤはフリザードを見て口を開く。
「ま、魔王様?私は今勧誘を」
「後で時間を作ってやるから説明しろ」
「何をですか」
長耳の男性が魔王に引きづられるようにやってくる。
「コウノ殿、彼はアルカンシェル創始者が一人、ハイエルフの、ラゥナ、メーラン殿だ」
「ふぁ」
アヤが口を抑えて興奮を留める。
そして反対の手を出しながら頭を下げる。
「ファンです。よろしくお願いします」
きょとんとしたまま固まるラゥナ。
アヤは変だったかと彼を見て、彼は苦笑しながら手を握る。
「初めまして。えっと」
「コウノ、アヤです」
「コウノさん。初めまして。ラゥナ、メーランです。先程は失礼しました。知り合いに似ていたもので」
アヤは嬉しそうに手を握り返す。
「しばらく手、洗えない」
挨拶を終えたアヤの一言。
洗いなさいとフリザードは嫉妬混じりにタオルを向ける。
「珍しくコウノが感情的だな」
「こういうのがタイプなわけ?」
サガラがからかいながら聞くがアヤは即答する。
「違う。でもこういう人は、どんな暴走をも止めてくれる人。憧れる」
「その分苦労するんですからね?」
ラゥナは呆れながら続ける。
「それで魔王様」
「あぁ。異界に渡る方法を教えてくれないか?」
「私も詳しくは。創始者としてもう一人います、トップが端的に話したことだけしか知りませんよ」
「それでも教えてください」
アヤは意気揚々と続ける。
ラゥナは周囲を確認してから、他の異邦人たちは別の商人たちと会話しているのを確認して告げる。
「えーっとお主名は」
リリーアがアヤを見る。
「お初にお目にかかります。光る野を彩る。コウノ、アヤと申します。以後お見知りおきを」
「ほう。なかなか達者だな」
「お褒め頂き感謝いたします。女王様。また他の皆様への挨拶が遅れますこと深くお詫び申し上げます」
アヤが頭を下げつつ続ける。
「この度異邦人が一人として参りました。お見知りおきただければ幸いでございます」
「アヤが礼儀正しい」
ぽつりとサガラが告げる。
アヤは聞き取ってサガラを見る。
「王族相手にはしっかりやる。首飛ばされたくない」
アヤが即座にサガラへと告げる。
「だって、陛下には」
「嫌がる」
「あぁ」
即座にカヤマは頷く。
「そういえば、あ、い、あー。コウノ殿」
魔王が呼び方を考えてから聞いてくる。
「カヤマ、コウスケと言う男はいるか?」
「コウスケは俺だけど、カヤマはあっち。カヤマ先生はサノスケ」
「ぐっちゃぐちゃになってる」
「お主ではない。じゃあ、あっちの」
「呼びましたか?」
カヤマがやってきて、瞬間魔王が両手を広げて叫ぶ。
「結婚しよう。カヤマ」
カヤマがしばらく眺めてから、盛大な溜息を吐くフリザードを見て、アヤを見る。
「こちらの魔王様は頭がおかしい方なのかな?」
「否定はしない、です」
「否定してくれ!」
「いやいや。自分で黒猫名乗っておいておかしくないって変。それより」
「それより!」
驚いた魔王にアヤは続ける。
「魔王様はなんで先生に求婚する?」
「この者は再び世界を渡れば不幸になるからだ。後好みだ!」
「渡る。つまり戻れる可能性あるってこと?」
「まだ確定事項ではない。だが、その可能性が未来の僅か微かにあった」
アヤはしばらく魔王を見る。
「待ってくれ。じゃあ、あんたがアルカンシェルから来た手紙の黒猫か?」
「多分そうだろうな。あ奴から来る手紙にはすべて黒猫と敬称されておった」
「じゃあ、俺の不幸ってのはなんだ?親や婚約者が変わりに死ぬとか?」
「いや。そんな生ぬるいものではない。お前の身を引き裂かれるほどの苦痛を心に受けるだろう」
「黒猫さん」
アヤが魔王の言葉を止める。
「その個人的事情は後で話してくれませんか?最悪王様の誰か一緒にでもいいけど」
「では、そのときは私が同行しよう」
フリザードは名乗りを上げて、カヤマはお願いしますと頭を下げる。
「そんなことより、可能性が、どうやったら起こるか知りたい」
「さぁな。あぁ。いや。ちょっと待て」
魔王はその場を離れて行く。
アヤは眠そうなウロの頭を撫でる。
「アヤ。戻りたいのか」
フリザードが聞けば、アヤはフリザードを見て口を開く。
「ま、魔王様?私は今勧誘を」
「後で時間を作ってやるから説明しろ」
「何をですか」
長耳の男性が魔王に引きづられるようにやってくる。
「コウノ殿、彼はアルカンシェル創始者が一人、ハイエルフの、ラゥナ、メーラン殿だ」
「ふぁ」
アヤが口を抑えて興奮を留める。
そして反対の手を出しながら頭を下げる。
「ファンです。よろしくお願いします」
きょとんとしたまま固まるラゥナ。
アヤは変だったかと彼を見て、彼は苦笑しながら手を握る。
「初めまして。えっと」
「コウノ、アヤです」
「コウノさん。初めまして。ラゥナ、メーランです。先程は失礼しました。知り合いに似ていたもので」
アヤは嬉しそうに手を握り返す。
「しばらく手、洗えない」
挨拶を終えたアヤの一言。
洗いなさいとフリザードは嫉妬混じりにタオルを向ける。
「珍しくコウノが感情的だな」
「こういうのがタイプなわけ?」
サガラがからかいながら聞くがアヤは即答する。
「違う。でもこういう人は、どんな暴走をも止めてくれる人。憧れる」
「その分苦労するんですからね?」
ラゥナは呆れながら続ける。
「それで魔王様」
「あぁ。異界に渡る方法を教えてくれないか?」
「私も詳しくは。創始者としてもう一人います、トップが端的に話したことだけしか知りませんよ」
「それでも教えてください」
アヤは意気揚々と続ける。
ラゥナは周囲を確認してから、他の異邦人たちは別の商人たちと会話しているのを確認して告げる。
あなたにおすすめの小説
処刑される悪役令息に転生したらなぜか推しの騎士団長がグイグイ近づいてくる
猫に小判
BL
交通事故で死んだはずの会社員・田中悠人は、気がつくとBL小説『恋と陰謀~はじまりは夜に~』の世界に転生していた。
しかも転生先は、原作で処刑される悪役令息エリオット。
当然そんな未来は回避したい。
原作知識を頼りに慎重に立ち回るつもりだったのに、気づけば王宮を揺るがす事件に巻き込まれていき――。
さらに困ったことに、原作で一番の推しだった騎士団長ガイウスがやたらと距離を詰めてきて……?
平穏に生きたい元悪役令息と、過保護な騎士団長がじれじれ距離を縮める話。
ガイウス(騎士団長)×エリオット(元悪役令息)
【完結】巷で噂の国宝級イケメンの辺境伯は冷徹なので、まっっったくモテませんが、この度婚約者ができました。
明太子
BL
オーディスは国宝級イケメンであるにも関わらず、冷徹な性格のせいで婚約破棄されてばかり。
新たな婚約者を探していたところ、パーティーで給仕をしていた貧乏貴族の次男セシルと出会い、一目惚れしてしまう。
しかし、恋愛偏差値がほぼ0のオーディスのアプローチは空回りするわ、前婚約者のフランチェスカの邪魔が入るわとセシルとの距離は縮まったり遠ざかったり…?
冷徹だったはずなのに溺愛まっしぐらのオーディスと元気だけどおっちょこちょいなセシルのドタバタラブコメです。
バイト先に元カレがいるんだが、どうすりゃいい?
cheeery
BL
サークルに一人暮らしと、完璧なキャンパスライフが始まった俺……広瀬 陽(ひろせ あき)
ひとつ問題があるとすれば金欠であるということだけ。
「そうだ、バイトをしよう!」
一人暮らしをしている近くのカフェでバイトをすることが決まり、初めてのバイトの日。
教育係として現れたのは……なんと高二の冬に俺を振った元カレ、三上 隼人(みかみ はやと)だった!
なんで元カレがここにいるんだよ!
俺の気持ちを弄んでフッた最低な元カレだったのに……。
「あんまり隙見せない方がいいよ。遠慮なくつけこむから」
「ねぇ、今どっちにドキドキしてる?」
なんか、俺……ずっと心臓が落ち着かねぇ!
もう一度期待したら、また傷つく?
あの時、俺たちが別れた本当の理由は──?
「そろそろ我慢の限界かも」
恋愛騎士物語1~孤独な騎士の婚活日誌~
凪瀬夜霧
BL
「綺麗な息子が欲しい」という実母の無茶な要求で、ランバートは女人禁制、男性結婚可の騎士団に入団する。
そこで出会った騎兵府団長ファウストと、部下より少し深く、けれども恋人ではない微妙な距離感での心地よい関係を築いていく。
友人とも違う、部下としては近い、けれど恋人ほど踏み込めない。そんなもどかしい二人が、沢山の事件を通してゆっくりと信頼と気持ちを育て、やがて恋人になるまでの物語。
メインCP以外にも、個性的で楽しい仲間や上司達の複数CPの物語もあります。活き活きと生きるキャラ達も一緒に楽しんで頂けると嬉しいです。
ー!注意!ー
*複数のCPがおります。メインCPだけを追いたい方には不向きな作品かと思います。
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。
不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!
タッター
BL
ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。
自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。
――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。
そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように――
「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」
「無理。邪魔」
「ガーン!」
とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。
「……その子、生きてるっすか?」
「……ああ」
◆◆◆
溺愛攻め
×
明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け
完結しました。
たまに番外編更新予定です。
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。