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時戻り
1,時遡りて(気絶)
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じっと地面を眺める。
「これ何?」
「なんだべなぁ」
二人で首をひねり続け、ふと影がかかる。
「じーちゃん。こりゃなんや?」
「じっちゃん。なんだべ?」
祖父は笑顔で語ってくれる。
笑顔で教えてくれる。
怒りを携えて怒られることもしばしば。
それでもいろんなことを教わった。
祖母は優しく見守って、美味しいごはんを用意してくれる。
祖父は西の方の、祖母は北の方の人らしい。
優しくて大好きな家族。
五歳になった後に祖母が死に、秋に祖父が死んだ。
寿命だったのだろうことはわかる。
その日から両親と名乗る人間に引き取られた。
両親は祖父母の喋り方を嫌った。
両親と名乗った人間は、自分たちに幸せは与えてくれなかった。
小学校の受験をさせられた。
アヤトは試験に落ちて、自分が受かった。
そこから狂い出したのか、元々狂ってたのか。
両親はアヤトに碌な食事も与えなかった。
親は何故か、アヤトをアヤと呼び、アヤをアヤトと呼ぶようになった。
地元の小学校に通うアヤトにこっそり食事を持っていった。
もらえる食事は祖母のような暖かく優しいご飯ではなく、冷たいビニールに入ったパンだった。
菓子パンだったり、惣菜パンだったり。
値引きシールが貼られたものが優先して与えられた。
ひもじさとはこのことを言うのだと思ったが、そのうち、普通の食事ではアヤトにあげれないと気づいて、別の意味で感謝するようになった。
そして次のテストでは自分の成績が落ちた。
そうすると、両親は今度は自分から食事を取り上げて、アヤトを構い出した。
アヤトもまたこっそり分けてくれた。
ならばと、成績をアヤトより低くすることになった。
だけど今度は小学校で、いじめを受けるようになった。
愛想がない。
とか、
体が小さい。
とか、
目が人と違うとか。
殴られ蹴られ、見えないところはたくさん、たくさん、傷ついた。
徐々に、徐々に、感情が邪魔だと思った。
泣いては喜び、笑っては蔑まれ。
怒っては、悪いのは自分だと誰も味方はしてくれなかった。
極めつけは親兄弟の、サバイバルナイフと呼ばれる大振りなナイフを公園に持ってきた男の子がいた。
そのナイフを未熟にも振り回し、たまたま通りかかったアヤの背中を切りつけた。
悲鳴が上がる中で、泣きわめくアヤトを最後に意識は途切れた。
気づいたら病院。
両親は慰謝料だけ受け取ると、アヤトを一人家に置いて出かけたまま帰ってこなくなった。
辛うじてアヤの退院日だけは戻ってきたが、それ以外で両親が来ることはなかった。
そしてお金が尽きるまでは家に一度も帰ってくることがなかった。
帰って両親が出かけた後で、アヤトが泣きついてきたのをよく覚えている。
それ以後、病院に行くことはなかった。
どんなに怪我をして帰ってきても、泥棒が現れようとも慰謝料が取れなければ、病院に行くことはなかった。
逆に罵られて殴られたような気もする。
彼らが、イロドリたちが現れたのはその頃な気がする。
いじめも過激になって、目の周りは傷だらけだった。
教育も酷く、ご飯抜きが当たり前になった。
そしてその頃から唯一の救いだったのは夜中に唯一現れる入り口。
そこにいた彼、後にフリザードと判明する少年だった。
「これ何?」
「なんだべなぁ」
二人で首をひねり続け、ふと影がかかる。
「じーちゃん。こりゃなんや?」
「じっちゃん。なんだべ?」
祖父は笑顔で語ってくれる。
笑顔で教えてくれる。
怒りを携えて怒られることもしばしば。
それでもいろんなことを教わった。
祖母は優しく見守って、美味しいごはんを用意してくれる。
祖父は西の方の、祖母は北の方の人らしい。
優しくて大好きな家族。
五歳になった後に祖母が死に、秋に祖父が死んだ。
寿命だったのだろうことはわかる。
その日から両親と名乗る人間に引き取られた。
両親は祖父母の喋り方を嫌った。
両親と名乗った人間は、自分たちに幸せは与えてくれなかった。
小学校の受験をさせられた。
アヤトは試験に落ちて、自分が受かった。
そこから狂い出したのか、元々狂ってたのか。
両親はアヤトに碌な食事も与えなかった。
親は何故か、アヤトをアヤと呼び、アヤをアヤトと呼ぶようになった。
地元の小学校に通うアヤトにこっそり食事を持っていった。
もらえる食事は祖母のような暖かく優しいご飯ではなく、冷たいビニールに入ったパンだった。
菓子パンだったり、惣菜パンだったり。
値引きシールが貼られたものが優先して与えられた。
ひもじさとはこのことを言うのだと思ったが、そのうち、普通の食事ではアヤトにあげれないと気づいて、別の意味で感謝するようになった。
そして次のテストでは自分の成績が落ちた。
そうすると、両親は今度は自分から食事を取り上げて、アヤトを構い出した。
アヤトもまたこっそり分けてくれた。
ならばと、成績をアヤトより低くすることになった。
だけど今度は小学校で、いじめを受けるようになった。
愛想がない。
とか、
体が小さい。
とか、
目が人と違うとか。
殴られ蹴られ、見えないところはたくさん、たくさん、傷ついた。
徐々に、徐々に、感情が邪魔だと思った。
泣いては喜び、笑っては蔑まれ。
怒っては、悪いのは自分だと誰も味方はしてくれなかった。
極めつけは親兄弟の、サバイバルナイフと呼ばれる大振りなナイフを公園に持ってきた男の子がいた。
そのナイフを未熟にも振り回し、たまたま通りかかったアヤの背中を切りつけた。
悲鳴が上がる中で、泣きわめくアヤトを最後に意識は途切れた。
気づいたら病院。
両親は慰謝料だけ受け取ると、アヤトを一人家に置いて出かけたまま帰ってこなくなった。
辛うじてアヤの退院日だけは戻ってきたが、それ以外で両親が来ることはなかった。
そしてお金が尽きるまでは家に一度も帰ってくることがなかった。
帰って両親が出かけた後で、アヤトが泣きついてきたのをよく覚えている。
それ以後、病院に行くことはなかった。
どんなに怪我をして帰ってきても、泥棒が現れようとも慰謝料が取れなければ、病院に行くことはなかった。
逆に罵られて殴られたような気もする。
彼らが、イロドリたちが現れたのはその頃な気がする。
いじめも過激になって、目の周りは傷だらけだった。
教育も酷く、ご飯抜きが当たり前になった。
そしてその頃から唯一の救いだったのは夜中に唯一現れる入り口。
そこにいた彼、後にフリザードと判明する少年だった。
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