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時戻り
3,続くは不快(不快)
物を壊されるから持っていくのをやめた。
喋っても黙れと怒られるから黙った。
呻けば呻くほど殴られる。
何時からか痛みを感じなくなった。
階段から突き落とされることが多くなった。
気をつけて登って受け身を取る。
骨が折れることが多くなった。
おじさんとおばさんが見かねて引き取ろうと言ってきた。
アヤトは引き取ってくれないらしい。
断った。
独りあんな家に残したら片割れが死んでしまう。
彼は自分より早く成長している。
多分だが、彼と自分の間で流れる時間は違うのだろう。
後、年を追うごとにスキンシップが激しくなる。
決して惚気ではない。
ある時は必死に涙を耐えて過ごしていた。
だから抱き締めて頭を撫でることしかできなかった。
何もできない。
ぬくもりを与えることすらできない。
彼が生きているという音を聞くこともできない。
それでも片割れと彼だけが毎日の生きる支えだった。
それは彼らもそうだった。
それからはおやつやこっそり隠し持ってきたような食事ではなく豪華な食事になった。
とはいえ相変わらず味はないがそれでも気持ちは嬉しかった。
アヤトと彼だけが自分の支えだった。
この世界は理不尽だと思いながら毎日過ごしていた。
「何?理不尽?」
質素な部屋。
ベッドの下からそう告げる。
貴方は怪訝そうにノートと向き合っている。
「今更だろう」
ノートを捲り、数式を理解しようと頭を悩ませている。
数式に対して、どれを使えばいいかすぐに理解する。
「あ、相変わらず理解早いな」
呆れたように、問題を解いていく。
明日は図書室へ行こう。
明後日はある施設へバイト。
親には内緒でこっそりやっている。
お金を貯めて家を出る資金にする。
貯金はおじさんたちに管理をお願いしてもらっている。
自分より安心である。
「独り暮らししたら犬飼いたい。そっちは?」
言われて考える。
彼はどっちが好きだろうか。
彼が生き物を好きであってくれたら猫だろうか。
虎模様の猫。
気高く、自由気ままな猫。
母性で我が子を守り育む。
「トラ猫か。俺は白い犬だな。真っ白でふわっふわの犬。大型犬がいいけど、流石に都会で飼うのは大変だから中型犬かな」
犬かと考える。
主に忠実で、優しくて寄り添ってくれる可愛い犬。
それもありだなぁと悩む。
「アヤの場合は最終的にフワッフワなら良さげだよな」
呆れた声にまぁねと彼を思いつつうたた寝を始める。
「なぁ。アヤ。俺いる高校に転校できないか?」
できないだろう。
親が許さない。
いじめごときで有名な進学校からの転校など許さないと啖呵を切った。
自分たちに高学歴で卒業して高収入を期待しているのだ。
それが全て自分のものになると信じている。
アヤはすでに親を親と思っていない。
だがアヤトは親に憧れている。
何時か。
何時かきっと。
そう願っている。
それを止めるつもりはない。
憧れを止めて、希望を失ってはいけない。
それに、わかっている。
アヤトは親を好きであろうと努力はしているが、それが実ることがないことを。
好きになってもらうことがないことを。
無駄だと言ったところで逆に燃えるだけだ。
それに理想が現実になるのを夢見ているのはアヤトだけではない。
何時か、親子四人で手を繋いで、一緒にご飯を作って、食べて、明日の話をして。
何処か楽しいところへ行く。
幾度、夢を見ただろう。
夢見るほど、逆に憎悪を膨らませただけだ。
だからこそ感情を封印しろ。
封印して、何時か、開放する。
(アヤト、アヤ。お前たちは今は二人で一人前じゃが、いつかは別れなきゃならんこともある。そのことを考えて生きていくんじゃよ)
わかってるよ。
じぃちゃん。
喋っても黙れと怒られるから黙った。
呻けば呻くほど殴られる。
何時からか痛みを感じなくなった。
階段から突き落とされることが多くなった。
気をつけて登って受け身を取る。
骨が折れることが多くなった。
おじさんとおばさんが見かねて引き取ろうと言ってきた。
アヤトは引き取ってくれないらしい。
断った。
独りあんな家に残したら片割れが死んでしまう。
彼は自分より早く成長している。
多分だが、彼と自分の間で流れる時間は違うのだろう。
後、年を追うごとにスキンシップが激しくなる。
決して惚気ではない。
ある時は必死に涙を耐えて過ごしていた。
だから抱き締めて頭を撫でることしかできなかった。
何もできない。
ぬくもりを与えることすらできない。
彼が生きているという音を聞くこともできない。
それでも片割れと彼だけが毎日の生きる支えだった。
それは彼らもそうだった。
それからはおやつやこっそり隠し持ってきたような食事ではなく豪華な食事になった。
とはいえ相変わらず味はないがそれでも気持ちは嬉しかった。
アヤトと彼だけが自分の支えだった。
この世界は理不尽だと思いながら毎日過ごしていた。
「何?理不尽?」
質素な部屋。
ベッドの下からそう告げる。
貴方は怪訝そうにノートと向き合っている。
「今更だろう」
ノートを捲り、数式を理解しようと頭を悩ませている。
数式に対して、どれを使えばいいかすぐに理解する。
「あ、相変わらず理解早いな」
呆れたように、問題を解いていく。
明日は図書室へ行こう。
明後日はある施設へバイト。
親には内緒でこっそりやっている。
お金を貯めて家を出る資金にする。
貯金はおじさんたちに管理をお願いしてもらっている。
自分より安心である。
「独り暮らししたら犬飼いたい。そっちは?」
言われて考える。
彼はどっちが好きだろうか。
彼が生き物を好きであってくれたら猫だろうか。
虎模様の猫。
気高く、自由気ままな猫。
母性で我が子を守り育む。
「トラ猫か。俺は白い犬だな。真っ白でふわっふわの犬。大型犬がいいけど、流石に都会で飼うのは大変だから中型犬かな」
犬かと考える。
主に忠実で、優しくて寄り添ってくれる可愛い犬。
それもありだなぁと悩む。
「アヤの場合は最終的にフワッフワなら良さげだよな」
呆れた声にまぁねと彼を思いつつうたた寝を始める。
「なぁ。アヤ。俺いる高校に転校できないか?」
できないだろう。
親が許さない。
いじめごときで有名な進学校からの転校など許さないと啖呵を切った。
自分たちに高学歴で卒業して高収入を期待しているのだ。
それが全て自分のものになると信じている。
アヤはすでに親を親と思っていない。
だがアヤトは親に憧れている。
何時か。
何時かきっと。
そう願っている。
それを止めるつもりはない。
憧れを止めて、希望を失ってはいけない。
それに、わかっている。
アヤトは親を好きであろうと努力はしているが、それが実ることがないことを。
好きになってもらうことがないことを。
無駄だと言ったところで逆に燃えるだけだ。
それに理想が現実になるのを夢見ているのはアヤトだけではない。
何時か、親子四人で手を繋いで、一緒にご飯を作って、食べて、明日の話をして。
何処か楽しいところへ行く。
幾度、夢を見ただろう。
夢見るほど、逆に憎悪を膨らませただけだ。
だからこそ感情を封印しろ。
封印して、何時か、開放する。
(アヤト、アヤ。お前たちは今は二人で一人前じゃが、いつかは別れなきゃならんこともある。そのことを考えて生きていくんじゃよ)
わかってるよ。
じぃちゃん。
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