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時戻り
12,毎晩の逢瀬(無)
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毎夜、密かに母と弟は送り出してくれた。
密かに。
なのは使用人にバレたら彼が罰せられるだろう。とのこと。
母は大精霊にどういうことか何度か聞いたが
これも運命だ。
としか返ってこなかったそうだ。
ある日、父がニヤニヤと不気味に笑って帰ってきた。
初恋なんだってなぁ。
と。
弟と自分にお土産を渡しながらそう告げる父に思わずうるさいと怒鳴ったことは後悔していない。
母が喋ったのだと睨んだことも。だ。
「精霊様のいたずら。じゃないな。精霊様の気まぐれかな」
等と父が言っていた。
そして異世界と繋がっているかもしれない。と。
父母や弟を連れて行ったが、そこがつながることがなかった。
何日も検証を重ね、何日かに一度は繋がらない時もあった。
彼が来ないこともあった。
物を貰っても自分が持ち込んだもの以外は持って帰れず。
だが魔術を有りったけ込めた眼帯を彼がつけていることで持って帰れる可能性もあるということも気づいた。
様々なことから父がそう結論づけた。
それよりも父は弟に誰?と言われたことがショックだと聞く。
じゃあ家に居ればいいと告げたのだが、父はお役目があるとだけ言っていた。
今度帰ってきたら異世界について一緒に調べようと約束してくれた。
それからしばらく父は死んだ。
嘆きの森の第一層で父の遺体が見つかったそうだ。
その時はいても立ってもいられず思わずあの部屋に来てしまった。
その日ぐらいは控えようと思っていたが無理だった。
彼が気づいたのか頭を撫でてくれた。
彼の気持ちが嬉しかった。
改めて惚れ直した。
彼を呼びたい。
出会った頃よりも暗い表情をする彼をこちらに呼びたい。
そちらへ行って彼を守りたい。
魔導具を開発しよう。
異世界について調べよう。
彼と接点のある城から離れるのは嫌なので宮廷魔道士になろう。
成人しても学徒の身であるならばしばらくは滞在できる。
それを利用しよう。
魔術学校で優秀な成績と宮廷魔道士たる実力を得る。
そろそろ成人するという弟の具合が最近良くない。
そっちも調べよう。
「ザード兄貴。俺のこと気にしなくていいんだって」
等と笑う弟。
自由に生きている弟。
「じいちゃん。俺、冒険者になる」
と、母の時代から仕えてくれている宰相を父のように、祖父のように慕い、冷静沈着な彼の度肝を抜かせてきた弟。
「クロが王の候補者?脳筋じゃあ駄目なんだぞ?」
クロードと実力を競い合い、軽口を叩ける男。
「母ちゃん。じゃない。母上様。兄上様。宰相様。馬を飼いたいです」
と言いながら仔馬を連れてきた。
「俺の息子のリグハルトです」
すでに名付けまで終わっていて母が頭を抱えていたのを覚えている。
やったな。と睨めば、可愛いだろ。と示してくる。
母が死んだ後、弟も程なくして倒れた。
ベッドから起き上がれないほどに弱りつつあった。
それでもリグハルトに会いに行くのは止めなかった弟。
宰相が影で泣いていることも知っているようだったが何も言わなかった。
「兄貴は好きな人と生きてくれよ」
死んでから、彼が預言者であると知った。
もう、自分には彼しかいない。
だけど彼も側にはいない。
側にいてやれない。
あぁ。なんて無力なんだ。
密かに。
なのは使用人にバレたら彼が罰せられるだろう。とのこと。
母は大精霊にどういうことか何度か聞いたが
これも運命だ。
としか返ってこなかったそうだ。
ある日、父がニヤニヤと不気味に笑って帰ってきた。
初恋なんだってなぁ。
と。
弟と自分にお土産を渡しながらそう告げる父に思わずうるさいと怒鳴ったことは後悔していない。
母が喋ったのだと睨んだことも。だ。
「精霊様のいたずら。じゃないな。精霊様の気まぐれかな」
等と父が言っていた。
そして異世界と繋がっているかもしれない。と。
父母や弟を連れて行ったが、そこがつながることがなかった。
何日も検証を重ね、何日かに一度は繋がらない時もあった。
彼が来ないこともあった。
物を貰っても自分が持ち込んだもの以外は持って帰れず。
だが魔術を有りったけ込めた眼帯を彼がつけていることで持って帰れる可能性もあるということも気づいた。
様々なことから父がそう結論づけた。
それよりも父は弟に誰?と言われたことがショックだと聞く。
じゃあ家に居ればいいと告げたのだが、父はお役目があるとだけ言っていた。
今度帰ってきたら異世界について一緒に調べようと約束してくれた。
それからしばらく父は死んだ。
嘆きの森の第一層で父の遺体が見つかったそうだ。
その時はいても立ってもいられず思わずあの部屋に来てしまった。
その日ぐらいは控えようと思っていたが無理だった。
彼が気づいたのか頭を撫でてくれた。
彼の気持ちが嬉しかった。
改めて惚れ直した。
彼を呼びたい。
出会った頃よりも暗い表情をする彼をこちらに呼びたい。
そちらへ行って彼を守りたい。
魔導具を開発しよう。
異世界について調べよう。
彼と接点のある城から離れるのは嫌なので宮廷魔道士になろう。
成人しても学徒の身であるならばしばらくは滞在できる。
それを利用しよう。
魔術学校で優秀な成績と宮廷魔道士たる実力を得る。
そろそろ成人するという弟の具合が最近良くない。
そっちも調べよう。
「ザード兄貴。俺のこと気にしなくていいんだって」
等と笑う弟。
自由に生きている弟。
「じいちゃん。俺、冒険者になる」
と、母の時代から仕えてくれている宰相を父のように、祖父のように慕い、冷静沈着な彼の度肝を抜かせてきた弟。
「クロが王の候補者?脳筋じゃあ駄目なんだぞ?」
クロードと実力を競い合い、軽口を叩ける男。
「母ちゃん。じゃない。母上様。兄上様。宰相様。馬を飼いたいです」
と言いながら仔馬を連れてきた。
「俺の息子のリグハルトです」
すでに名付けまで終わっていて母が頭を抱えていたのを覚えている。
やったな。と睨めば、可愛いだろ。と示してくる。
母が死んだ後、弟も程なくして倒れた。
ベッドから起き上がれないほどに弱りつつあった。
それでもリグハルトに会いに行くのは止めなかった弟。
宰相が影で泣いていることも知っているようだったが何も言わなかった。
「兄貴は好きな人と生きてくれよ」
死んでから、彼が預言者であると知った。
もう、自分には彼しかいない。
だけど彼も側にはいない。
側にいてやれない。
あぁ。なんて無力なんだ。
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