昨日の自分にサヨナラ

林 業

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アルカンシエル

2,仕事が積まれていく(疲労)

今戻りました。と口にする。
「お帰りなさい」
書類仕事を熟すラゥナ。
彼の隣の席に座り、積み重なった書類を片付けていく。
「落ち着きましたねぇ」
「ほんと。それ」
はぁと机に項垂れる。
人が来ればきちんと立て直すが今ぐらいは許してほしい。
ちょっと休んだらお茶を入れよう。
「一気に大きくなりましたし、再来年には支店も出来そうですよね」
「あの小さな店で十分だったんだけどなぁ」
ラゥナと二人で始めたお店は一年も立たずに有名になってしまい、連日満員となってしまった。
毎日四苦八苦しながら、アルバイトを雇って。
それでも毎日ラゥナと倒れる寸前まで働いていた。
これでは駄目だと致し方がなく今度の一周年の時に店舗を移す計画である。

ただ他国からも来るお客が多く、要望は他国にも出してくれと言うもの多くある。
元の店舗でも営業はしばらく続け、支店ができれば物置に使う予定である。

愛着があり、トップが引退すれば、ラゥナも引退してその店で個人的に店を開くのだと言っていた。
長いようで短い未来のことだ。
「異邦人のための店だったのがいつの間にか異邦人の味を楽しめる店。になっているんですから致し方がないでしょう。美味しいですしね」
「人材集め頑張るかぁ」
「あ、同族には一人心当たりがありまして」
「どんな子?」
「ハイエルフが一人、シルフィードという、人の年齢で言う十五、六の子供です」
「子供かぁ」
「もちろん。即戦力にはなりませんが元々エルフの間に生まれ、人の世で育った子なので里長に、鍛えてやってくれと弟子入りを求められたのです。今度迎えにいきます」
「へぇ」
「せっかくなのでうちで働いてもらいましょう。そちらはよろしいですか?」
「いいよ。法律的には問題なかったからね」
「えぇ。ではそのように」
「あ、そうだ。奴隷市場に行こうと思って」
「奴隷ですか?」
「うん。パトロンでもあるクリードさんが」
「クリスタの王弟ですね」
「数年前に風の大精霊の国王、獣人王に対しての貴族の反乱が起きたとか聞いたんだけど」
「あぁ。よく覚えてますよ。色々と煽りを受けましたから」
「その王族の生き残りかもしれいないとかその時の傭兵、兵士が今度、裏で奴隷として売り出されるかもって。せっかくだからって。犯罪奴隷以外のいい人が見つかるかも。って。お金も安ければ十人ぐらい、高くても二、三人は買えるぐらいはある」
「何時です?」
「三日後だね」
「一緒に行きます」
「一人でも」
「あなたに任せると色々とやらかしそうなので。後は騙されて奴隷落ちとか」
否定も肯定もできずに黙る。
「それに従業員になれそうな人を見ておきたいではありませんか。私達は二人でこの店を作り上げているんですからね。意見のすり合わせは大事です」
「ラーナ君。ありがとう」
「どういたしまして」
立ち上がって早速とお茶を入れる。
「ラーナ君紅茶でよかったっけ」
「そこのレモン使ってください。合いますよ」
「わーい。あ、そうだ。アルバイトで気になってる子がいるんだけど」
「どなたです?」
「クーディ君っていう鳥人とのハーフの青年とエルダードワーフのガルドス君」
「ガルドス君はいいと思いますが、クーディ君ですか。彼の弟の素行がよろしくないんですよね」
「その辺りは自分に任せてくれると嬉しい」
「そうですね」
微笑むラゥナに紅茶と買ってきたお菓子を渡す。
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