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アヤの心
11,知識(楽)【楽】
レストランで食事を終えて、足りなかった分やウロのお土産を屋台で購入する。
「で、最近は、カイロを作ってる。ウロはあまり寒いの苦手じゃないからいらないと思ったけどフィーちゃんやアイア君、苦手みたいだから」
「あぁ。魔王領は比較的温かい国だからな。そういえば雪も滅多に降らないな」
のんびりと会話をしながら屋台で買い食いをする二人。
「あ。ざー君。似合いそう」
屋台に出ていた白いコートを手に取る。
早速と白いコートをフリザードに示して、アヤは満足そうに頷くと購入する。
「着けて」
「私は、寒さは平気な方だが」
「着て」
アヤのお願いに断りきれず付ける。
「似合うか?」
「かっこいい!」
「一生大事にする」
アヤの言葉に噛み締めて、返答する。
のだがアヤは既に次の屋台へと向かっている。
「アヤ。待ちなさい」
慌ててフリザードは追いかける。
(何時もこうなら、付き合う子たちは大変だな。もしくは私だけならそれはそれで嬉しい気もする)
ちなみにアヤの中でアイアやフィー、ウロは守る対象であるため、二人を見守る。
またカヤマやサガラに対しては先輩と思っているので大人しく付いて行く。
「ざーくん!」
「どうした?」
「あれ!あれ!」
娯楽の屋台である的あてゲームをアヤは示す。
「ざーくんできる?」
「これでも幼き頃は的あてのザラ君と、弟ともに呼ばれていてな」
「うん。わかった。ルール教えて」
ひどいと内心で唱えつつも、店主にお金を払いつつ、ボールを受け取る。
そして台の上に立つ。
アヤも習うようにお金を払いボールを受け取り台へと乗る。
目の前にある的に、フリザードが投げるのを見て、アヤは瞬きをすると目つきが変わる。
(また。任意なのか)
「しにさらせ。あのくそどもが」
ぽつりと零れ落ちた言葉。
(言葉悪いな。この子)
ボールが飛び、的の端へと当たる。
「あれ?ボールちょっと違う?いや。重力」
目つきが戻り、アヤはフリザードのボールに触れる。
「運が悪かったな。そこの台の上に乗ることで不特定の魔術が発動する。ランダム発動なので、追い風もあれば、逆風、雷雨、様々な。確か、ジシン雷カジオヤジというやつだな」
フリザードが的へと投げれば、ボールは真中へと当たる。
「違う。意味違うけど。まあわかった。これはまさにふぁんたじーだ」
「もう一度やるか?」
アヤはまた今度調べながらやるとだけ答える。
しかし他の利用者の行動を眺めてからフリザードへと視線を戻す。
アヤが走り出さないように手を握りつつ、街中を歩く。
「アヤは魔術に興味あるのか?」
「んー。一般的に摩訶不思議なものって解き明かしたくない?」
「魔術は、摩訶不思議なのか?」
フリザードにとって目が見える、手足がある。走れる。と同じように当たり前にあるものであり、努力もあるが才能が大半だと魔術や魔力については考えている。
当たり前の存在に摩訶不思議と言われて驚く。
「別に特別なことではないのだけどね。向こうにいた時もずっと考えてた。何故、地上の行動する生き物の大半には、似たような行動を律する手足がついているのだろうか。どうやって動かしているのか。科学は、化学である。とか、力いわゆるエネルギー的なレベルで、いろいろと考えてたわけ。そしたら、近くの図書館や、学校の図書館の本、全部読んじゃった。隣町、あー離れた場所にいるおばさんの勤め先の図書館にまで行って調べものしてたぐらいにはいろいろと調べてた」
「ほう。じゃあ、将来カヤマのような先生的な職業をしたかったのか?」
カヤマは教員という職を天職だと告げていたのを思い出す。
「全く。生きるために、感情捨てて、産みの親の愛情も捨てた人間が、知恵だけで、人を導き、教え、はぐくむなんて仕事できるわけない。ただ、生きたいと思っても環境次第な人の手助けはしたかったから、養護や、介護の施設に勤めたかったのは確かだけど。だからね。昔から自分は疑問に対して知恵を得る」
現時点で、アヤのこの世界の知識量は、城での教育や書物どころか、クリスタ国の書物と同等の知識量を得ている。
それを故郷の知識ともどもほぼ完ぺきに記憶している時点で人並みではないだろう。
「その疑問を、やと君に共有する。すると、やと君は、知識を求める。その知識に対する答えを数回繰り返すと、いくつかの推論を、いくつかの正解を導き出す」
「つまり?」
「まぁ、結局、今はその好奇心が科学の世界より魔術に注がれているってだけ。むしろ知らなくて手探りな魔術に、やと君みたいに正解や推論を導き出す能力を鍛えているところで、それが楽しい」
考えて、ぞっとする。
今まで二人で一つの役割を分担していた能力、記憶力と、分析力を一人で補おうとしている。
それも、ほぼ未来予知に近いだろう分析能力。
ぞっとすると同時に、もし政に利用できたらとも考えてしまった王族としての判断。
一度深呼吸して、アヤへ告げる。
「ほとほどに頼む。何か作ったときは、私か、アルカンシェルに言いなさい」
「ざーくんはわかる。でもなんで?アルカンシェル?」
「あそこはトップがいるからな。多少の無茶を緩和する有能な存在がいる」
アヤはそうなんだと軽く答える。
そう、自分がいないときはラゥナ、メーランに丸投げしようとフリザードは頷く。
「で、ざーくんはそういうの、ある?」
「あるぞ」
「何!」
嬉しそうに食いついてくるアヤにフリザードは微笑む。
「アヤと魔術道具の開発だな。後者はお金にもなるしな」
「せちがら」
確かにと答える。
「で、最近は、カイロを作ってる。ウロはあまり寒いの苦手じゃないからいらないと思ったけどフィーちゃんやアイア君、苦手みたいだから」
「あぁ。魔王領は比較的温かい国だからな。そういえば雪も滅多に降らないな」
のんびりと会話をしながら屋台で買い食いをする二人。
「あ。ざー君。似合いそう」
屋台に出ていた白いコートを手に取る。
早速と白いコートをフリザードに示して、アヤは満足そうに頷くと購入する。
「着けて」
「私は、寒さは平気な方だが」
「着て」
アヤのお願いに断りきれず付ける。
「似合うか?」
「かっこいい!」
「一生大事にする」
アヤの言葉に噛み締めて、返答する。
のだがアヤは既に次の屋台へと向かっている。
「アヤ。待ちなさい」
慌ててフリザードは追いかける。
(何時もこうなら、付き合う子たちは大変だな。もしくは私だけならそれはそれで嬉しい気もする)
ちなみにアヤの中でアイアやフィー、ウロは守る対象であるため、二人を見守る。
またカヤマやサガラに対しては先輩と思っているので大人しく付いて行く。
「ざーくん!」
「どうした?」
「あれ!あれ!」
娯楽の屋台である的あてゲームをアヤは示す。
「ざーくんできる?」
「これでも幼き頃は的あてのザラ君と、弟ともに呼ばれていてな」
「うん。わかった。ルール教えて」
ひどいと内心で唱えつつも、店主にお金を払いつつ、ボールを受け取る。
そして台の上に立つ。
アヤも習うようにお金を払いボールを受け取り台へと乗る。
目の前にある的に、フリザードが投げるのを見て、アヤは瞬きをすると目つきが変わる。
(また。任意なのか)
「しにさらせ。あのくそどもが」
ぽつりと零れ落ちた言葉。
(言葉悪いな。この子)
ボールが飛び、的の端へと当たる。
「あれ?ボールちょっと違う?いや。重力」
目つきが戻り、アヤはフリザードのボールに触れる。
「運が悪かったな。そこの台の上に乗ることで不特定の魔術が発動する。ランダム発動なので、追い風もあれば、逆風、雷雨、様々な。確か、ジシン雷カジオヤジというやつだな」
フリザードが的へと投げれば、ボールは真中へと当たる。
「違う。意味違うけど。まあわかった。これはまさにふぁんたじーだ」
「もう一度やるか?」
アヤはまた今度調べながらやるとだけ答える。
しかし他の利用者の行動を眺めてからフリザードへと視線を戻す。
アヤが走り出さないように手を握りつつ、街中を歩く。
「アヤは魔術に興味あるのか?」
「んー。一般的に摩訶不思議なものって解き明かしたくない?」
「魔術は、摩訶不思議なのか?」
フリザードにとって目が見える、手足がある。走れる。と同じように当たり前にあるものであり、努力もあるが才能が大半だと魔術や魔力については考えている。
当たり前の存在に摩訶不思議と言われて驚く。
「別に特別なことではないのだけどね。向こうにいた時もずっと考えてた。何故、地上の行動する生き物の大半には、似たような行動を律する手足がついているのだろうか。どうやって動かしているのか。科学は、化学である。とか、力いわゆるエネルギー的なレベルで、いろいろと考えてたわけ。そしたら、近くの図書館や、学校の図書館の本、全部読んじゃった。隣町、あー離れた場所にいるおばさんの勤め先の図書館にまで行って調べものしてたぐらいにはいろいろと調べてた」
「ほう。じゃあ、将来カヤマのような先生的な職業をしたかったのか?」
カヤマは教員という職を天職だと告げていたのを思い出す。
「全く。生きるために、感情捨てて、産みの親の愛情も捨てた人間が、知恵だけで、人を導き、教え、はぐくむなんて仕事できるわけない。ただ、生きたいと思っても環境次第な人の手助けはしたかったから、養護や、介護の施設に勤めたかったのは確かだけど。だからね。昔から自分は疑問に対して知恵を得る」
現時点で、アヤのこの世界の知識量は、城での教育や書物どころか、クリスタ国の書物と同等の知識量を得ている。
それを故郷の知識ともどもほぼ完ぺきに記憶している時点で人並みではないだろう。
「その疑問を、やと君に共有する。すると、やと君は、知識を求める。その知識に対する答えを数回繰り返すと、いくつかの推論を、いくつかの正解を導き出す」
「つまり?」
「まぁ、結局、今はその好奇心が科学の世界より魔術に注がれているってだけ。むしろ知らなくて手探りな魔術に、やと君みたいに正解や推論を導き出す能力を鍛えているところで、それが楽しい」
考えて、ぞっとする。
今まで二人で一つの役割を分担していた能力、記憶力と、分析力を一人で補おうとしている。
それも、ほぼ未来予知に近いだろう分析能力。
ぞっとすると同時に、もし政に利用できたらとも考えてしまった王族としての判断。
一度深呼吸して、アヤへ告げる。
「ほとほどに頼む。何か作ったときは、私か、アルカンシェルに言いなさい」
「ざーくんはわかる。でもなんで?アルカンシェル?」
「あそこはトップがいるからな。多少の無茶を緩和する有能な存在がいる」
アヤはそうなんだと軽く答える。
そう、自分がいないときはラゥナ、メーランに丸投げしようとフリザードは頷く。
「で、ざーくんはそういうの、ある?」
「あるぞ」
「何!」
嬉しそうに食いついてくるアヤにフリザードは微笑む。
「アヤと魔術道具の開発だな。後者はお金にもなるしな」
「せちがら」
確かにと答える。
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