昨日の自分にサヨナラ

林 業

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君と過ごす日々

2,お祭り(感謝)

アヤは春祭りでの戦利品を抱えている。
本日はサガラ、カヤマと共に買い物中。
「二人は友達といかなくてよかったの?」
「アヤも友達だろ!」
サガラがいい笑顔で告げて、カヤマはタミヤと昨日喧嘩したらしいと耳元で囁いてくる。
「俺は後学のために来た保護者だと思ってくれ。後、他の教員や生徒とは回る理由もないし、そこまで仲も良くないしな」
つまり誘われなかったのかもしれないとアヤは気づく。
アヤの学校の生徒や教師も含めてそれぞれ職場が見つかっており、カヤマも例外ではない。
職場の人間関係もほどほどによく、カヤマも研究者として、過ごすことになっている。
だが今回転移した中では若い故に同僚もおらず、しかも研究者たちは外での活動をあまり好まない。
その上で、この世界でほとんど需要のない教員を目指している。

そのためかあまり仲の良い転移者は少ない。

「そっか。ありがたい」
アイアとフィー、ウロは人混みを好まないので二人の存在は助かると言えば助かる。

特にフリザードから護衛をつけようとされたことを考えれば。
「あ、サガラお兄ちゃん。これお姉ちゃんに似合うんじゃない?」
アヤは髪飾りを示す。
「確かに、にあっ!」
そんなアヤにサガラは必死に取り繕う。
「別にタミヤに買う必要は」
「サガラお兄ちゃん」
「サノスケ」
「はい。買います」
二人からの視線と圧に、素直に購入する。
「こうのは陛下とはどうなんだ?」
「ふつー?強いて言うなら夜は一緒に寝ると安心して眠れるぐらい」
「あいかわらずいちゃついてるな」
アヤはあれも買うと屋台へ向かう。

「あれ?」
アヤは一度空を見上げる。
「ん?」
それから城を見て首を捻る。
「どうした。アヤ」
「いる気がする。やと君。でも、まだ遠い気がする?なんで?」
不思議そうなアヤに、まぁいいかと屋台巡りを続ける。
「いいのか?こっち来てて困ったりとか」
「いい。やと君。ほぼ自力でどうにかできる」
「そうなのか?」
カヤマはアヤを眺める。
「やと君もある程度のサバイバルできるし、不意打ちじゃなきゃ自力で逃げれる程度の戦闘できる。強か」
「こうの兄は優秀だが大人しいイメージしかないんだけどな」
「大人は皆信用ならない。大人しく良い子であれば大人は皆構わない。子供が身を守る為の粗末な鎧だ。その辺はほんと上手いから。やと君は」
そう告げて、あれ!っと屋台へと突っ込む。

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