昨日の自分にサヨナラ

林 業

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君と過ごす日々

12,カラスが鳴いたら(逃走)

ラゥナははぁと盛大な溜息を零す。
部下に指示を出し、兵士の邪魔にならない配置を指示しておく。

(トップがいると士気が上がるんですがね。早く帰ってきてほしいです)
「申し訳ありません。商会長さん。うちの弟知りませんか?今日来ると言っていたんですけど」
クーディが心配そうに声を掛けてくる。
「いえ。まだ到着していないようですね」
参ったなぁとクーディが声を漏らす。


「わう?」
不思議そうに見上げてくるヴァーナルガンド。
「あら、りる。リボンはどうしたの?」
「あなた、もしかして。陛下のところの」
(ウロだよ!)
にぱーと嬉しそうに笑うウロに、ラゥナは頭を撫でる。
「いい子ですね」
(ウロ。いいこ)
「ウロ」
(あ、おとーさん)
フリザードが近づいてきて、ウロは尻尾を振って、近づいていく。
(おとーさん。ウロ。挨拶できたよ?ほめて!)
「偉い偉い」
(えへへへ。おかーさんは?)
「あっちにいるぞ。アヤトと魔法陣で遊んでたな」
(おかーさん。ウロほめて)
かちゃかちゃと音を立てながら走っていく。
(おかーさん。あ!変なにおいする!なんで!)

「すまぬな。体は大きくなったがまだまだ子どものようだ」
「いえ。こちらも似たようなもので」
「わふ」
リルが不思議そうに顔を出す。



フリザードを見ると誰?と首を捻る。
「お前のところの」
「えぇ。リルです」
赤いリボンにウロは嫌がるのにと頭を撫でる。

「わぅ」
えっへんと撫でられているので懐からおやつを取り出し、ラゥナに許可を取って与える。
「今日はメーラン。よろしく頼むぞ」
「はい。お任せください」
「わふぅ」
リルも頑張る。とはしゃいでいる。


他の王たちも少しずつ集まってきている。
「おう。ヴィッサー王。準備は順調か?」
「あぁ」
「氷雪の。あの魔法陣は」
「あぁ。アルカンシェルのトップが用意したものだ」
フリザードは説明しながらアヤたちを見る。
アヤは呑気にアヤトとウロを構い倒している。



(おかーさん。おとーさんといなくていいの?)
「ちゃんとフリザード、おーには言ってあるから大丈夫だよ」
(そーなんだ!じゃあウロおとーさんにくっついていい?)
「いいよ」
(いってきまーす)
嬉しそうに起き上がりブリザードのところへ駆け寄る。
(おとーさん。うろ一緒にいる)
アヤは空を見上げてアヤトを見る。
「ねぇ。やとくん」
「あぁ。くるな」
よいしょっとと二人一緒に立ち上がる。

眼の前に烏が落ちてくる。
「いったぃ!」
フリザードほどの大きさの烏。
「カラスが喋った。ファンタジーじゃん」
「大きい鳥だ。ふぁんたじーだ」

調べたいと二人同時に口にする。
だが鳥は徐々に人の形へと変化し、翼だけが残る。

「人だった」
「変化だな。もう一回。みたい」
「今それどころじゃないよ!と、っぷ?あれ?違う人だ」
キョトンとぼろぼろで傷だらけのイケメンが二人を見て首を捻る。
「あ!前会った人!」
「誰?」
「クーディーさんの弟さん」
「あぁ。女装店主の。義理かな」
「らしいよ。異父。馬鹿な子ほど可愛いってクーディーさん言ってた」
「へぇ」
彼は兄を見つけると急いで駆け寄る。
「に、兄ちゃん。ヒカちゃんが乗っ取られちゃった」
「あら。あんた。怪我してるじゃない。怪我の手当を。え。ヒカリちゃんがどうしたの?」
 驚くクーディーにアヤは眼の前に来る少女を眺める。
「コウノ、アヤ」
「久しぶり。カムイさん」
「あなたたちの命を贄にさせて」
笑う彼女に、アヤトは、アヤの服を掴む。
    
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