111 / 147
3,帰るために
7,昨日の自分にサヨナラを【彩】
しおりを挟む
カムイの腕の中の猫はいつの間にか消えている。
そしてクーリエはカムイを抱きしめる。
「え?何?あ。れ?私」
何かを思い出したのか一気に血の気が引いていく。
その姿に兵に連れて行くよう指示を出して座り込んだまま動かない彼を見る。
「悲しい」
「君はイロドリだな」
「そう。喜怒哀楽の、哀。僕は、僕らは、感情を、捨てる、ことで、生き残ろ、と、した、彼の、感情の、欠片である。でも、もう、それも、終わり、だ」
フリザードは寄り添うようにその場に座る。
「終わっ、た。やっと、幸せに、なれる。やっと悲しく、ない」
口元の口角が上がる。
「やっと、喜べます。喜怒哀楽の喜。私はとても喜ばしい」
「そうか」
「やっと楽しめるんだぜ。楽しもうぜ。人生」
口調が変わっていく姿をフリザードは頷いて聞いていく。
「わしは、とても怒っているんじゃ。情けないお前さんに託したくはない。それでも他におらん。喜怒哀楽の怒。わしはいや。イロドリは消える。だから託すぞ」
閉じられ開かれた赤い目がこちらを見る。
「イロドリ、返事してくれん」
「あぁ」
「終わったん」
「いつから来てたんだ?」
口にする彼にフリザードは質問をする。
「六年前。クリードさんが援助してくれたん」
「そうか。大変だったな」
「しんどい。がんばった」
「そうだな。偉いな」
そっと頭を撫でるフリザードに、茶色の色と赤い色の瞳に自分が映る。
「あいたくて。帰りたかった」
「お帰り。アヤ」
潤んだ瞳を耐えるように唇を噛み締め、それから口にする。
「ただいま。ざーくん」
フリザードはアヤを腕の中へと迎え入れる。
しばらく様子を見ていたラゥナは懐から仮面を取り出す。
それからフリザードに横抱きにされているアヤへと近づく。
「ラーナ君。自分は」
ラゥナは指を三本向ける。
「三日です」
「え?」
「三日休暇を取ってください。その間の仕事は問題ありません、ですが四日後に必ず来てください。あなたが辞める時は私も辞めるときです」
「ラーナ君」
「私とあなたは仕事のパートナーで、一蓮托生なのですから」
フリザードの不満な瞳に、ラゥナはこっそりと囁く
「アルカンシェルの功績と現金があれば「トップ」と私が「アヤ」さんを王の嫁にできます」
辞めさせれないと同時に魅力的な提案に、今度詳しくと告げる。
「リル。帰りますよ」
尻尾を振ってアヤを見上げていたリルは不満そうにしつつもついていく。
「兄貴」
クーリエがクーデリアに近づくと兵士に取り押さえられているカムイを指す。
「俺ひかちゃんといていいかな」
クーデリアはちらりとラゥナとアヤを見てから続ける。
「わかった。好きにしなさい」
ぱあと笑顔を浮かべるとカムイの下へと駆けていく。
フリザードが兵士へ話をするとアヤを見下ろす。
「アヤ。色々と話を聞かせてくれ」
「うん」
「あ。帰るの一年後になっちまった。会いたかったのに。辛い」
アヤトの叫び声と落胆の声にアヤは告げる。
「正確には一週間後。帰還の術が使えるのは」
答えたアヤに、ラゥナが戻って来て一言。
「四日後にそのあたりの話もしましょうか」
笑顔の圧にアヤははい。と頷く。
そしてクーリエはカムイを抱きしめる。
「え?何?あ。れ?私」
何かを思い出したのか一気に血の気が引いていく。
その姿に兵に連れて行くよう指示を出して座り込んだまま動かない彼を見る。
「悲しい」
「君はイロドリだな」
「そう。喜怒哀楽の、哀。僕は、僕らは、感情を、捨てる、ことで、生き残ろ、と、した、彼の、感情の、欠片である。でも、もう、それも、終わり、だ」
フリザードは寄り添うようにその場に座る。
「終わっ、た。やっと、幸せに、なれる。やっと悲しく、ない」
口元の口角が上がる。
「やっと、喜べます。喜怒哀楽の喜。私はとても喜ばしい」
「そうか」
「やっと楽しめるんだぜ。楽しもうぜ。人生」
口調が変わっていく姿をフリザードは頷いて聞いていく。
「わしは、とても怒っているんじゃ。情けないお前さんに託したくはない。それでも他におらん。喜怒哀楽の怒。わしはいや。イロドリは消える。だから託すぞ」
閉じられ開かれた赤い目がこちらを見る。
「イロドリ、返事してくれん」
「あぁ」
「終わったん」
「いつから来てたんだ?」
口にする彼にフリザードは質問をする。
「六年前。クリードさんが援助してくれたん」
「そうか。大変だったな」
「しんどい。がんばった」
「そうだな。偉いな」
そっと頭を撫でるフリザードに、茶色の色と赤い色の瞳に自分が映る。
「あいたくて。帰りたかった」
「お帰り。アヤ」
潤んだ瞳を耐えるように唇を噛み締め、それから口にする。
「ただいま。ざーくん」
フリザードはアヤを腕の中へと迎え入れる。
しばらく様子を見ていたラゥナは懐から仮面を取り出す。
それからフリザードに横抱きにされているアヤへと近づく。
「ラーナ君。自分は」
ラゥナは指を三本向ける。
「三日です」
「え?」
「三日休暇を取ってください。その間の仕事は問題ありません、ですが四日後に必ず来てください。あなたが辞める時は私も辞めるときです」
「ラーナ君」
「私とあなたは仕事のパートナーで、一蓮托生なのですから」
フリザードの不満な瞳に、ラゥナはこっそりと囁く
「アルカンシェルの功績と現金があれば「トップ」と私が「アヤ」さんを王の嫁にできます」
辞めさせれないと同時に魅力的な提案に、今度詳しくと告げる。
「リル。帰りますよ」
尻尾を振ってアヤを見上げていたリルは不満そうにしつつもついていく。
「兄貴」
クーリエがクーデリアに近づくと兵士に取り押さえられているカムイを指す。
「俺ひかちゃんといていいかな」
クーデリアはちらりとラゥナとアヤを見てから続ける。
「わかった。好きにしなさい」
ぱあと笑顔を浮かべるとカムイの下へと駆けていく。
フリザードが兵士へ話をするとアヤを見下ろす。
「アヤ。色々と話を聞かせてくれ」
「うん」
「あ。帰るの一年後になっちまった。会いたかったのに。辛い」
アヤトの叫び声と落胆の声にアヤは告げる。
「正確には一週間後。帰還の術が使えるのは」
答えたアヤに、ラゥナが戻って来て一言。
「四日後にそのあたりの話もしましょうか」
笑顔の圧にアヤははい。と頷く。
0
あなたにおすすめの小説
拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第22話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
※第25話を少し修正しました。
※第26話を少し修正しました。
※第31話を少し修正しました。
※第32話を少し修正しました。
────────────
※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!!
※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。
僕に双子の義兄が出来まして
サク
BL
この度、この僕に双子の義兄が出来ました。もう、嬉し過ぎて自慢しちゃうよ。でも、自慢しちゃうと、僕の日常が壊れてしまう気がするほど、その二人は人気者なんだよ。だから黙って置くのが、吉と見た。
そんなある日、僕は二人の秘密を知ってしまった。ん?知っているのを知られてしまった?が正しいかも。
ごめんよ。あの時、僕は焦っていたんだ。でもね。僕の秘密もね、共有して、だんだん仲良くなったんだよ。
…仲良くなったと、そう信じている。それから、僕の日常は楽しく、幸せな日々へと変わったんだ。そんな僕の話だよ。
え?内容紹介が内容紹介になってないって?気にしない、気にしない。
彼の至宝
まめ
BL
十五歳の誕生日を迎えた主人公が、突如として思い出した前世の記憶を、本当にこれって前世なの、どうなのとあれこれ悩みながら、自分の中で色々と折り合いをつけ、それぞれの幸せを見つける話。
フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
幸せごはんの作り方
コッシー
BL
他界した姉の娘、雫ちゃんを引き取ることになった天野宗二朗。
しかし三十七年間独り身だった天野は、子供との接し方が分からず、料理も作れず、仕事ばかりの日々で、ずさんな育て方になっていた。
そんな天野を見かねた部下の水島彰がとった行動はーー。
仕事もプライベートも完璧優秀部下×仕事中心寡黙上司が、我が儘を知らない五歳の女の子と一緒に過ごすお話し。
黒獅子の愛でる花
なこ
BL
レノアール伯爵家次男のサフィアは、伯爵家の中でもとりわけ浮いた存在だ。
中性的で神秘的なその美しさには、誰しもが息を呑んだ。
深い碧眼はどこか憂いを帯びており、見る者を惑わすと言う。
サフィアは密かに、幼馴染の侯爵家三男リヒトと将来を誓い合っていた。
しかし、その誓いを信じて疑うこともなかったサフィアとは裏腹に、リヒトは公爵家へ婿入りしてしまう。
毎日のように愛を囁き続けてきたリヒトの裏切り行為に、サフィアは困惑する。
そんなある日、複雑な想いを抱えて過ごすサフィアの元に、幼い王太子の世話係を打診する知らせが届く。
王太子は、黒獅子と呼ばれ、前国王を王座から引きずり降ろした現王と、その幼馴染である王妃との一人息子だ。
王妃は現在、病で療養中だという。
幼い王太子と、黒獅子の王、王妃の住まう王城で、サフィアはこれまで知ることのなかった様々な感情と直面する。
サフィアと黒獅子の王ライは、二人を取り巻く愛憎の渦に巻き込まれながらも、密かにゆっくりと心を通わせていくが…
祖国に棄てられた少年は賢者に愛される
結衣可
BL
祖国に棄てられた少年――ユリアン。
彼は王家の反逆を疑われ、追放された身だと信じていた。
その真実は、前王の庶子。王位継承権を持ち、権力争いの渦中で邪魔者として葬られようとしていたのだった。
絶望の中、彼を救ったのは、森に隠棲する冷徹な賢者ヴァルター。
誰も寄せつけない彼が、なぜかユリアンを庇護し、結界に守られた森の家で共に過ごすことになるが、王都の陰謀は止まらず、幾度も追っ手が迫る。
棄てられた少年と、孤独な賢者。
陰謀に覆われた王国の中で二人が選ぶ道は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる