132 / 147
貴方と共に
1,常識はずれのデート
しおりを挟む
その日はアヤがお昼に執務室に顔を出した。
たまにあるとはいえ珍しいことである。
「フリザード一人?」
「あぁ。仕事も今片付いたから休憩に入ろうかと」
「十分だけ時間くれない?」
「かまわぬが何か相談か?」
「服、着替えて、散歩行こ?」
差し出された服は質素なもの。
じゃあと私室で着替える。
ある日の嘆きの森
白髪に青い瞳の青年は目の前の猪にいた獣の首を白い鞘の刀で叩き切る。
(これでよろこぶかな。いきなりお肉食べたいから捕まえて来いって)
血抜きをして、ある程度部位を分けて鞄へと入れる。
討伐部位である牙を片手にギルドへ向かう。
「お。ヴォルフのやつまた嘆きの森の依頼クリアーしたみたいだな」
「すげぇ」
「ちっ。偶然だよ」
「嘆きの森を住処にしているから余裕だろ」
尊敬と嫉妬を無視して受付を済ませる。
「あら?お父さん」
別の人に受付してもらっている間に翡翠の瞳の受付嬢が顔を出す。
やぁと片手を出す。
「来てたの?」
「ヒスイは仕事?」
「えぇ。此処の支部に届け物をしに来たの」
彼女は微笑む姿にお疲れ様と告げる。
「大変だ」
「お母さんは元気?」
「フォレストピッグの肉食べたい言うから討伐してきた」
「最近荒れてたものね。あ。妹と弟たちは元気なの?」
「うん。相変わらず過保護。そろそろ街も案内しないと」
「そうなのね。その時は呼んでね」
一度考えてそのほうが納得すると提案を受ける。
他の子供たちのの情報を交換しておくのは忘れない。
彼女がじゃあねと手を振って消えていくのを見送る。
ふんと懐かしい匂いがするなぁと周囲を見回して、討伐証明が終わったと受付に呼ばれてお金を受け取る。
(これで調味料と服と)
「え!嘆きの森当日は入れない?」
「いえ。入れなくはないのですが、Cランク以上の冒険者の護衛がいるんです。その方の依頼を受けてくれるかは。当日で集まることは稀ですしね」
「参ったなぁ」
受付でフードを目深に被った二人に気づく。
(うそだろ)
「今日しか時間ないのに」
「嘆きの森の入口で呼んでみるか?」
「でもいなかったら困るし」
「それもそうか」
二人に抱きつくように肩に手を回して受付の女性を見る。
「自分が案内する」
「ゔぉ、ヴォルフさん。確かに問題ないですが」
受付に置いてあるお金を示す。
「そのお金で此処の酒場で今いる人達に奢ってあげて」
それだけで受付を納得させて、二人を連れて出ていく。
「ヴォルフさんさいこー!」
喜びの声をドアを閉めることで打ち消し、とりあえず買い物と二人を連れて行く。
「えっと、ウロ?」
「ウロか?」
二人の声に、えへっと表情が崩れる。
だが直ぐに戻して裏道へと入ると抱きつく。
「おとーさん。おかーさん。会いたかった」
ぎゅっと人と同じ手で二人を抱きしめる。
二人の懐かしい匂いに安堵する。
たまにあるとはいえ珍しいことである。
「フリザード一人?」
「あぁ。仕事も今片付いたから休憩に入ろうかと」
「十分だけ時間くれない?」
「かまわぬが何か相談か?」
「服、着替えて、散歩行こ?」
差し出された服は質素なもの。
じゃあと私室で着替える。
ある日の嘆きの森
白髪に青い瞳の青年は目の前の猪にいた獣の首を白い鞘の刀で叩き切る。
(これでよろこぶかな。いきなりお肉食べたいから捕まえて来いって)
血抜きをして、ある程度部位を分けて鞄へと入れる。
討伐部位である牙を片手にギルドへ向かう。
「お。ヴォルフのやつまた嘆きの森の依頼クリアーしたみたいだな」
「すげぇ」
「ちっ。偶然だよ」
「嘆きの森を住処にしているから余裕だろ」
尊敬と嫉妬を無視して受付を済ませる。
「あら?お父さん」
別の人に受付してもらっている間に翡翠の瞳の受付嬢が顔を出す。
やぁと片手を出す。
「来てたの?」
「ヒスイは仕事?」
「えぇ。此処の支部に届け物をしに来たの」
彼女は微笑む姿にお疲れ様と告げる。
「大変だ」
「お母さんは元気?」
「フォレストピッグの肉食べたい言うから討伐してきた」
「最近荒れてたものね。あ。妹と弟たちは元気なの?」
「うん。相変わらず過保護。そろそろ街も案内しないと」
「そうなのね。その時は呼んでね」
一度考えてそのほうが納得すると提案を受ける。
他の子供たちのの情報を交換しておくのは忘れない。
彼女がじゃあねと手を振って消えていくのを見送る。
ふんと懐かしい匂いがするなぁと周囲を見回して、討伐証明が終わったと受付に呼ばれてお金を受け取る。
(これで調味料と服と)
「え!嘆きの森当日は入れない?」
「いえ。入れなくはないのですが、Cランク以上の冒険者の護衛がいるんです。その方の依頼を受けてくれるかは。当日で集まることは稀ですしね」
「参ったなぁ」
受付でフードを目深に被った二人に気づく。
(うそだろ)
「今日しか時間ないのに」
「嘆きの森の入口で呼んでみるか?」
「でもいなかったら困るし」
「それもそうか」
二人に抱きつくように肩に手を回して受付の女性を見る。
「自分が案内する」
「ゔぉ、ヴォルフさん。確かに問題ないですが」
受付に置いてあるお金を示す。
「そのお金で此処の酒場で今いる人達に奢ってあげて」
それだけで受付を納得させて、二人を連れて出ていく。
「ヴォルフさんさいこー!」
喜びの声をドアを閉めることで打ち消し、とりあえず買い物と二人を連れて行く。
「えっと、ウロ?」
「ウロか?」
二人の声に、えへっと表情が崩れる。
だが直ぐに戻して裏道へと入ると抱きつく。
「おとーさん。おかーさん。会いたかった」
ぎゅっと人と同じ手で二人を抱きしめる。
二人の懐かしい匂いに安堵する。
0
あなたにおすすめの小説
拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第22話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
※第25話を少し修正しました。
※第26話を少し修正しました。
※第31話を少し修正しました。
※第32話を少し修正しました。
────────────
※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!!
※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。
僕に双子の義兄が出来まして
サク
BL
この度、この僕に双子の義兄が出来ました。もう、嬉し過ぎて自慢しちゃうよ。でも、自慢しちゃうと、僕の日常が壊れてしまう気がするほど、その二人は人気者なんだよ。だから黙って置くのが、吉と見た。
そんなある日、僕は二人の秘密を知ってしまった。ん?知っているのを知られてしまった?が正しいかも。
ごめんよ。あの時、僕は焦っていたんだ。でもね。僕の秘密もね、共有して、だんだん仲良くなったんだよ。
…仲良くなったと、そう信じている。それから、僕の日常は楽しく、幸せな日々へと変わったんだ。そんな僕の話だよ。
え?内容紹介が内容紹介になってないって?気にしない、気にしない。
彼の至宝
まめ
BL
十五歳の誕生日を迎えた主人公が、突如として思い出した前世の記憶を、本当にこれって前世なの、どうなのとあれこれ悩みながら、自分の中で色々と折り合いをつけ、それぞれの幸せを見つける話。
フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
幸せごはんの作り方
コッシー
BL
他界した姉の娘、雫ちゃんを引き取ることになった天野宗二朗。
しかし三十七年間独り身だった天野は、子供との接し方が分からず、料理も作れず、仕事ばかりの日々で、ずさんな育て方になっていた。
そんな天野を見かねた部下の水島彰がとった行動はーー。
仕事もプライベートも完璧優秀部下×仕事中心寡黙上司が、我が儘を知らない五歳の女の子と一緒に過ごすお話し。
黒獅子の愛でる花
なこ
BL
レノアール伯爵家次男のサフィアは、伯爵家の中でもとりわけ浮いた存在だ。
中性的で神秘的なその美しさには、誰しもが息を呑んだ。
深い碧眼はどこか憂いを帯びており、見る者を惑わすと言う。
サフィアは密かに、幼馴染の侯爵家三男リヒトと将来を誓い合っていた。
しかし、その誓いを信じて疑うこともなかったサフィアとは裏腹に、リヒトは公爵家へ婿入りしてしまう。
毎日のように愛を囁き続けてきたリヒトの裏切り行為に、サフィアは困惑する。
そんなある日、複雑な想いを抱えて過ごすサフィアの元に、幼い王太子の世話係を打診する知らせが届く。
王太子は、黒獅子と呼ばれ、前国王を王座から引きずり降ろした現王と、その幼馴染である王妃との一人息子だ。
王妃は現在、病で療養中だという。
幼い王太子と、黒獅子の王、王妃の住まう王城で、サフィアはこれまで知ることのなかった様々な感情と直面する。
サフィアと黒獅子の王ライは、二人を取り巻く愛憎の渦に巻き込まれながらも、密かにゆっくりと心を通わせていくが…
祖国に棄てられた少年は賢者に愛される
結衣可
BL
祖国に棄てられた少年――ユリアン。
彼は王家の反逆を疑われ、追放された身だと信じていた。
その真実は、前王の庶子。王位継承権を持ち、権力争いの渦中で邪魔者として葬られようとしていたのだった。
絶望の中、彼を救ったのは、森に隠棲する冷徹な賢者ヴァルター。
誰も寄せつけない彼が、なぜかユリアンを庇護し、結界に守られた森の家で共に過ごすことになるが、王都の陰謀は止まらず、幾度も追っ手が迫る。
棄てられた少年と、孤独な賢者。
陰謀に覆われた王国の中で二人が選ぶ道は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる