133 / 147
貴方と共に
2,千年後のーー
しおりを挟む
二人の話を聞きながら買い物を済ませる。
「え?女神の慈悲?」
「というか、今自分たちの現在、来た時間軸では異世界へ繋がるための道という亀裂を塞いでいるわけ」
「あぁ。そういえば昔そんなこと言ってた」
フリザードは賑やかだなぁと楽しそうに眺めている。
アヤはそのまま説明を続ける。
「だけどどうしてもこの時代の亀裂を上手く防げないからとりあえず自分たちをこの時代に送って起点として亀裂の修復をしたいと」
「あぁ。なるほど」
「あ。アヤ。私の、氷雪王とその王妃の物語が描かれたものが売られているぞ」
「買っても持って帰れないから駄目」
くっと泣く泣く諦める。
その話は二人が生きている間に流行ったのだが教える必要もないだろう。
二人が生きていたのはもう千年以上前の話だ。
「で、ウロもこの時代でまだ生きているって言うから承諾した」
そっか。
二人は約束した。
自分が死んだら迎えに来てくれる。と。
その日なのかとの思ったがどうやら違うらしい。
「ウロは元気?」
「うん。家族も増えた。後で紹介するね」
まだ子供が生まれていない時代からきたらしいので紹介はあの二人で十分だろう。
「アイアやフィーは?」
「お兄ちゃんは冒険者。お姉ちゃんはおうちに帰ってお医者さんやってるよ。でもそろそろ引退するって。年も年だしね」
「そっか」
「あ。此処」
アルカンシェルの本店がある国の大きな木の中にある小さなお店。
アヤはぽかーんと眺めて、そして促されるまま中へと入る。
「いらっしゃい。あ。おかえりなさい。ウロ。それとおきゃくさ」
きょとんとした代わり映えのないラゥナ。
しばらくお互いに眺めてラゥナはなるほどと苦笑する。
「そういうことだったんですね」
「えっと」
「亡くなったあともお会いできて光栄ですよ。トップ。ヴィッサー殿。いえ、まだ陛下ですかね」
「千年経っても生きているのか」
「結婚した?」
「内緒です。まだ二千歳です。後千年は生きたいですね。お二人は嘆きの森ですか?」
「あぁ。息子に会いにな」
ウロの頭を撫でるフリザードにえへへと嬉しそうに笑うウロ。
「そうですか。じゃあ、うちの魔法陣でお家まで飛んでください。用意しますよ」
「変わらないね」
「えぇ。これは我々の望んだことです。最後はまたここでお店をやろうと約束しましたからね」
「ありがと」
告げたアヤに、はいと微笑むラゥナ。
魔法陣のある部屋を開けてアヤは魔力を通す。
「ラーナ君。ありがとう」
「メーラン。助かったぞ」
「こちらこそ。ありがとうございました。お二方に会えて至高の人生ですよ」
頭を下げたラゥナは消えた三人を見て目元をこする。
「え?女神の慈悲?」
「というか、今自分たちの現在、来た時間軸では異世界へ繋がるための道という亀裂を塞いでいるわけ」
「あぁ。そういえば昔そんなこと言ってた」
フリザードは賑やかだなぁと楽しそうに眺めている。
アヤはそのまま説明を続ける。
「だけどどうしてもこの時代の亀裂を上手く防げないからとりあえず自分たちをこの時代に送って起点として亀裂の修復をしたいと」
「あぁ。なるほど」
「あ。アヤ。私の、氷雪王とその王妃の物語が描かれたものが売られているぞ」
「買っても持って帰れないから駄目」
くっと泣く泣く諦める。
その話は二人が生きている間に流行ったのだが教える必要もないだろう。
二人が生きていたのはもう千年以上前の話だ。
「で、ウロもこの時代でまだ生きているって言うから承諾した」
そっか。
二人は約束した。
自分が死んだら迎えに来てくれる。と。
その日なのかとの思ったがどうやら違うらしい。
「ウロは元気?」
「うん。家族も増えた。後で紹介するね」
まだ子供が生まれていない時代からきたらしいので紹介はあの二人で十分だろう。
「アイアやフィーは?」
「お兄ちゃんは冒険者。お姉ちゃんはおうちに帰ってお医者さんやってるよ。でもそろそろ引退するって。年も年だしね」
「そっか」
「あ。此処」
アルカンシェルの本店がある国の大きな木の中にある小さなお店。
アヤはぽかーんと眺めて、そして促されるまま中へと入る。
「いらっしゃい。あ。おかえりなさい。ウロ。それとおきゃくさ」
きょとんとした代わり映えのないラゥナ。
しばらくお互いに眺めてラゥナはなるほどと苦笑する。
「そういうことだったんですね」
「えっと」
「亡くなったあともお会いできて光栄ですよ。トップ。ヴィッサー殿。いえ、まだ陛下ですかね」
「千年経っても生きているのか」
「結婚した?」
「内緒です。まだ二千歳です。後千年は生きたいですね。お二人は嘆きの森ですか?」
「あぁ。息子に会いにな」
ウロの頭を撫でるフリザードにえへへと嬉しそうに笑うウロ。
「そうですか。じゃあ、うちの魔法陣でお家まで飛んでください。用意しますよ」
「変わらないね」
「えぇ。これは我々の望んだことです。最後はまたここでお店をやろうと約束しましたからね」
「ありがと」
告げたアヤに、はいと微笑むラゥナ。
魔法陣のある部屋を開けてアヤは魔力を通す。
「ラーナ君。ありがとう」
「メーラン。助かったぞ」
「こちらこそ。ありがとうございました。お二方に会えて至高の人生ですよ」
頭を下げたラゥナは消えた三人を見て目元をこする。
0
あなたにおすすめの小説
拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第22話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
※第25話を少し修正しました。
※第26話を少し修正しました。
※第31話を少し修正しました。
※第32話を少し修正しました。
────────────
※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!!
※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。
僕に双子の義兄が出来まして
サク
BL
この度、この僕に双子の義兄が出来ました。もう、嬉し過ぎて自慢しちゃうよ。でも、自慢しちゃうと、僕の日常が壊れてしまう気がするほど、その二人は人気者なんだよ。だから黙って置くのが、吉と見た。
そんなある日、僕は二人の秘密を知ってしまった。ん?知っているのを知られてしまった?が正しいかも。
ごめんよ。あの時、僕は焦っていたんだ。でもね。僕の秘密もね、共有して、だんだん仲良くなったんだよ。
…仲良くなったと、そう信じている。それから、僕の日常は楽しく、幸せな日々へと変わったんだ。そんな僕の話だよ。
え?内容紹介が内容紹介になってないって?気にしない、気にしない。
彼の至宝
まめ
BL
十五歳の誕生日を迎えた主人公が、突如として思い出した前世の記憶を、本当にこれって前世なの、どうなのとあれこれ悩みながら、自分の中で色々と折り合いをつけ、それぞれの幸せを見つける話。
フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
幸せごはんの作り方
コッシー
BL
他界した姉の娘、雫ちゃんを引き取ることになった天野宗二朗。
しかし三十七年間独り身だった天野は、子供との接し方が分からず、料理も作れず、仕事ばかりの日々で、ずさんな育て方になっていた。
そんな天野を見かねた部下の水島彰がとった行動はーー。
仕事もプライベートも完璧優秀部下×仕事中心寡黙上司が、我が儘を知らない五歳の女の子と一緒に過ごすお話し。
黒獅子の愛でる花
なこ
BL
レノアール伯爵家次男のサフィアは、伯爵家の中でもとりわけ浮いた存在だ。
中性的で神秘的なその美しさには、誰しもが息を呑んだ。
深い碧眼はどこか憂いを帯びており、見る者を惑わすと言う。
サフィアは密かに、幼馴染の侯爵家三男リヒトと将来を誓い合っていた。
しかし、その誓いを信じて疑うこともなかったサフィアとは裏腹に、リヒトは公爵家へ婿入りしてしまう。
毎日のように愛を囁き続けてきたリヒトの裏切り行為に、サフィアは困惑する。
そんなある日、複雑な想いを抱えて過ごすサフィアの元に、幼い王太子の世話係を打診する知らせが届く。
王太子は、黒獅子と呼ばれ、前国王を王座から引きずり降ろした現王と、その幼馴染である王妃との一人息子だ。
王妃は現在、病で療養中だという。
幼い王太子と、黒獅子の王、王妃の住まう王城で、サフィアはこれまで知ることのなかった様々な感情と直面する。
サフィアと黒獅子の王ライは、二人を取り巻く愛憎の渦に巻き込まれながらも、密かにゆっくりと心を通わせていくが…
祖国に棄てられた少年は賢者に愛される
結衣可
BL
祖国に棄てられた少年――ユリアン。
彼は王家の反逆を疑われ、追放された身だと信じていた。
その真実は、前王の庶子。王位継承権を持ち、権力争いの渦中で邪魔者として葬られようとしていたのだった。
絶望の中、彼を救ったのは、森に隠棲する冷徹な賢者ヴァルター。
誰も寄せつけない彼が、なぜかユリアンを庇護し、結界に守られた森の家で共に過ごすことになるが、王都の陰謀は止まらず、幾度も追っ手が迫る。
棄てられた少年と、孤独な賢者。
陰謀に覆われた王国の中で二人が選ぶ道は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる