昨日の自分にサヨナラ

林 業

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貴方と共に

12,特別なおやつ

アヤはウロの手を取って歩く練習をさせる。
「あんよがじょーず」
(うろじょーず)

よいしょよいしょとバランスをとるように一歩一歩前に進む。

(うろすごいの)
えっへんと胸を張るウロにリルはつまらなさそうに鼻を鳴らす。
「そのうち人化ける魔術道具用意するか」
リルは本当!と反応して飛び起きる。
「まぁ。そのうちだけど」
なーんだとリルはウロの足元でちょっかいをかけ出す。
(やめてー!ころぶ)
「リル。少し早いですがお散歩行きましょうか」
ラゥナにおいでと声をかけられやったーと跳ねていく。


(おかーさん。ウロつかれた)
「疲れた?此処までにする?」
(おやつ。おやつくれたら頑張る!)
「おやつ?おやつか。わかった。ソファーまで行けたらおやつにしよう」
(やったー)
嬉しそうにソファーを目指すウロをアヤは手伝う。



おやつーと特別に作ってもらったクッキーをテを使って食べる。

(これおいしー。また作ってー)
「気に入った?人になった時だけ作ってあげる」
(やったー)
えへへと笑う。

ラゥナは満足そうなリルを連れて戻って来る。
リルはアヤの隣に向かおうとしておやつを見つめる。
ラゥナはおやつを取ってリルに声をかければ、急ぎラゥナに向かう。

(リルのおにーちゃんはリルのこと好き?)
「?えぇ。リルは私の娘みたいな存在ですからね」
「わふぅ」
(リル。おとーさんじゃなくておにーちゃんっていってるけど)
「そっかー。兄になるのか」
結果が出たなぁと呑気に告げるアヤにラゥナはなぜだ!と落ち込みつつも心配そうに見つめるリルの頭を撫でる。


「わふ?」
「大丈夫ですよ。リル」
(おかーさん。リル。りるのおにーちゃんだいすき?)
「当然だよ」
(そっか!)
嬉しそうにクッキーを口に運ぶ。





ウロはフリザードとアヤの間に挟まれている。
静かに眠る二人にウロは内心で喜ぶ。

自分を抱きしめる父であるフリザードのテに触れる。
そして母であるアヤのテを握りしめる。

(うろまんぞく!)

えっへんと満足そうに眠りにつく。


アヤが目を開けてウロの頭を開いている手で撫でる。


(親の愛はこれであってる?愛情。間違ってない?じいちゃん。どうか、どうか。あんなやつらにならないように見てて)

ウロとフリザードの寝息を聞きながらフリザードの頭を撫でる。




翌日の昼にウロは戻った。
(もどっちゃったぁ)
ショボーンと耳を垂れる様子に急ぎ魔道具が作られたとか。

ただしウロは夜にはご飯美味しいと、落ち込んでいたことを忘れていたと言う。

数年後に自力で人化の魔術を会得するのだがそれはまた未来の話。
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