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君にまたの言葉を
トップと森の獣
シルフィードは、久々の休憩中に読書を楽しむトップを見る。
それから師である、ラゥナを見る。
「師匠」
「なんです?」
同じように久々の自由時間を紅茶やお菓子などを用意して、堪能するラゥナ。
「トップって嘆きの森を歩けますよね」
「歩けますね」
「動物に好かれてるからなのは分かりますけど敵愾心とかあるヤツいなかったんですか?」
「いましたよ」
ラゥナはあっさりと答える。
そしてクッキーを手に取る。
「今も時々沸いて出てきますよ。人で言う度胸試し的な感じで」
「じゃあ、師匠がとっちめたんですか?」
「いえいえ。さすがに私はあの森は逃げるので手一杯ですよ。彼自身で何とかしてますよ」
「トップが?」
読み終わったと次の本を手に取るトップを眺める。
「一応彼、強いんですよ?ねぇ」
「んー?」
トップは不思議そうにラゥナを見る。
「何が?」
「あなたが獣に対応できている理由が気になっているのですよ」
シルフィードを示すラゥナに、トップはあぁと頷く。
「基本的に顎を蹴り上げるか、殴り上げて、脳震盪起こしたところで地面に転がせれば大体降伏する」
「それが難しいんですよ?」
「できるものなんですか?」
シルフィードは呆れているラゥナに、聞く返す。
「できませんよ。自分より背が高い獣や、いきなり気配を殺して視覚外から襲ってきたりで結構知能が高いんですよ?あの森は」
無理無理とラゥナは手を横に振る。
「何より人種を怖がりませんからね」
「で、トップはその中でも何故かなつかれていると」
「そうなんですよね。まぁ、育てた子が子供たちを産んだ。とかもいるので一概には言えませんが」
「ってことはトップってそこそこ強い?」
「一応言っとくけど此処より年数が先の未来技術で洗練された武術と、獣に対しての本能や性質を理解した対応知識で、対応しているだけだ」
「それでできたら苦労しないって話ですよ」
トップが異常だと言外に告げているのに気づく。
「これから技術が発達していくからね。研ぎ澄まされた武術があるのと人体構造詳しいと人を投げたり、部所ごとの身体強化で上手いことなんとかなるもんだよ。後は魔法様々」
シルフィードは人体詳しいと。などと興味を持ち始めている。
「ま。殺すなら殺すで魔法でささっと急所狙うほうが早いけどね」
「それできるんだ。やらない理由は?」
「一つはおいしくない。肉は森より家畜とかのほうが美味い」
「おいしかったら食うのか!」
「二つ、そこまで命取る理由もない」
「まぁ。それもそうか」
「三つ。一応神様とかそこまで言うつもりもないけど人間が手を入れた自然は人間が最後まで面倒見ないと回復までに時間がかかるから。そこまで面倒見るほど自然界に突っ込みたくはない」
「あぁ」
思わず納得するシルフィード。
山盛りの書類が届けられ、休憩時間を渋々終わらせる二人。
思わず浮かんだ疑問をシルフィードは問いかける。
「じゃあ、人間相手は?もちろん。敵対相手」
「むしろ容赦いる?」
「真似したらだめですからね」
聞き返され、思わず言葉に詰まる。
だがラゥナの一言に、ハイ。とだけ返事をする。
「そういえば何読んでたんですか?」
「あぁ。お勧めされた小説「悪役令嬢は深淵を抱えた騎士に溺愛される」ってやつ。何冊か出てるから」
「記憶に間違いなければ官能小説ではありませんか?」
「面白かった」
「否定しないんだ」
これ以上突っ込んでも無駄だとシルフィードは諦める。
(獣を使って人殺しをしたことはある)
その言葉をトップは飲み込む。
あれに後悔も、情もない。
何より獣をあのまま放置していれば、怒りのままに第三者を襲うことになっていただろう。
餌を仮に来たと誤解されて。
用意されたお茶を飲み、意識を切り替える。
それから師である、ラゥナを見る。
「師匠」
「なんです?」
同じように久々の自由時間を紅茶やお菓子などを用意して、堪能するラゥナ。
「トップって嘆きの森を歩けますよね」
「歩けますね」
「動物に好かれてるからなのは分かりますけど敵愾心とかあるヤツいなかったんですか?」
「いましたよ」
ラゥナはあっさりと答える。
そしてクッキーを手に取る。
「今も時々沸いて出てきますよ。人で言う度胸試し的な感じで」
「じゃあ、師匠がとっちめたんですか?」
「いえいえ。さすがに私はあの森は逃げるので手一杯ですよ。彼自身で何とかしてますよ」
「トップが?」
読み終わったと次の本を手に取るトップを眺める。
「一応彼、強いんですよ?ねぇ」
「んー?」
トップは不思議そうにラゥナを見る。
「何が?」
「あなたが獣に対応できている理由が気になっているのですよ」
シルフィードを示すラゥナに、トップはあぁと頷く。
「基本的に顎を蹴り上げるか、殴り上げて、脳震盪起こしたところで地面に転がせれば大体降伏する」
「それが難しいんですよ?」
「できるものなんですか?」
シルフィードは呆れているラゥナに、聞く返す。
「できませんよ。自分より背が高い獣や、いきなり気配を殺して視覚外から襲ってきたりで結構知能が高いんですよ?あの森は」
無理無理とラゥナは手を横に振る。
「何より人種を怖がりませんからね」
「で、トップはその中でも何故かなつかれていると」
「そうなんですよね。まぁ、育てた子が子供たちを産んだ。とかもいるので一概には言えませんが」
「ってことはトップってそこそこ強い?」
「一応言っとくけど此処より年数が先の未来技術で洗練された武術と、獣に対しての本能や性質を理解した対応知識で、対応しているだけだ」
「それでできたら苦労しないって話ですよ」
トップが異常だと言外に告げているのに気づく。
「これから技術が発達していくからね。研ぎ澄まされた武術があるのと人体構造詳しいと人を投げたり、部所ごとの身体強化で上手いことなんとかなるもんだよ。後は魔法様々」
シルフィードは人体詳しいと。などと興味を持ち始めている。
「ま。殺すなら殺すで魔法でささっと急所狙うほうが早いけどね」
「それできるんだ。やらない理由は?」
「一つはおいしくない。肉は森より家畜とかのほうが美味い」
「おいしかったら食うのか!」
「二つ、そこまで命取る理由もない」
「まぁ。それもそうか」
「三つ。一応神様とかそこまで言うつもりもないけど人間が手を入れた自然は人間が最後まで面倒見ないと回復までに時間がかかるから。そこまで面倒見るほど自然界に突っ込みたくはない」
「あぁ」
思わず納得するシルフィード。
山盛りの書類が届けられ、休憩時間を渋々終わらせる二人。
思わず浮かんだ疑問をシルフィードは問いかける。
「じゃあ、人間相手は?もちろん。敵対相手」
「むしろ容赦いる?」
「真似したらだめですからね」
聞き返され、思わず言葉に詰まる。
だがラゥナの一言に、ハイ。とだけ返事をする。
「そういえば何読んでたんですか?」
「あぁ。お勧めされた小説「悪役令嬢は深淵を抱えた騎士に溺愛される」ってやつ。何冊か出てるから」
「記憶に間違いなければ官能小説ではありませんか?」
「面白かった」
「否定しないんだ」
これ以上突っ込んでも無駄だとシルフィードは諦める。
(獣を使って人殺しをしたことはある)
その言葉をトップは飲み込む。
あれに後悔も、情もない。
何より獣をあのまま放置していれば、怒りのままに第三者を襲うことになっていただろう。
餌を仮に来たと誤解されて。
用意されたお茶を飲み、意識を切り替える。
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