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アヤの心
宰相から見た彼ら
ヴィッサー親子が来た時。
私は女王の息子でも、弟こそ王になる資質がある思っていた。
快活で優しく、されども時に冷徹。
けれどその子は結局亡くなってしまった。
じいちゃんと懐いてくれていたあの子がいなくなったときは本当の孫のように辛かったの覚えている。
兄であるフリザード陛下は冷徹と言うか冷めた子供だった。
大人並みに何でもできるし弟の世話も進んでやっていた。
市政からいきなり上がってきた子どもの割に落ち着いていてたいそう驚いた。
長い歴史で見ればヴィッサー一族は王位に就きやすい性質がある。
だからこそ当たり前と言えば当たり前だが、すこし心配になってお菓子をあげることしばしば。
フリザード陛下は優しすぎて冷徹な判断を下せても心を病むだろう。
深夜徘徊が多くなった。
女王曰く好きな子ができたらしくご飯やお菓子を貢いでいるそうだ。
そこからなおのこと勉学、特に魔術に励むようになった。
女王が亡くなり何時しか彼好きな人はまだ来ていない異邦人であることを知った。
物置部屋に入った彼が消えることが毎日。
朝起きればいつの間にかベッドにいた。
そして、彼が来た。
サイズの合っていない服を着ており、傍目からでもいい環境で育っていないのはわかる。
どうしてこんな人が?
等と思った。
だが彼は自分や周囲の人間の悪意には敏感だった。
むしろ敏感過ぎた。
悪意を持って近づく相手も、当然、良い感情を持たない私に対しても。
まだ私は悪意がない分、警戒で済んでいた。
だが悪意をちらつかせたり、実力行使に出たもの。
彼は倍に近い悪意をお返ししていた。
しかも質が悪いことに悪意を持つ相手に警戒していることを悟られない技能まで持っている。
相手も、油断してボロが出ている。
彼の素晴らしく最悪な点は、陛下よりも冷酷であり倍の御礼を届けていることだ。
しかも犯罪は一切犯さない。
相手が罪に足が浸かっていたりかすった嫌がらせでも彼は一切犯さずに返している。
そして相手は全てを失うのだ。
陛下はそれに気づいているのか気づかないのか普通に接する。
むしろ、そのお陰か陛下の負担が減ったような気さえする。
最近ではなんだかんだでお似合いなのでは?と考えてしまう。
何故か仕事の手伝いとしている彼、アヤ、コウノ。
「これとこれとこれ、後はこのあたりかな」
必要書類を記憶だけで取り出していく彼。
コレがなくとも彼の記憶から引っ張れば良いと思うが証明できるものがいるのだ。
無表情のまま重たそうに書類を運ぼうとするので負担を背負う。
「ありがとうございます」
最近は大分警戒も解けている気はする。
陛下の執務室へと戻れば、陛下が大きくなったウロを膝の上に乗せて抱きしめている。
(ウロ。すごい)
「うん。すごいな」
容赦なくデレデレの陛下に仕事を持っていく彼。
「仕事、は?」
「しょ、書類待ちだぞ」
だが彼の目に耐えれなかったのか渋々始める。
「うろ?」
(ウロ、息抜き)
慌てて膝から降りるとそそくさと定位置の毛布へ戻る。
(うろなでる?)
見つめてくる彼の頭を撫でる。
仕事が始まった彼らに、彼の表情が緩むのを眺める。
何処か幸せそうな、愛しそうな表情の陛下を見つめる。
できる限り大人で立派な姿を見せようと張り切っている。
(陛下は見栄っ張りですよね。ともかく若者の恋路にさちあらんことを)
そんなことを考えながら仕事を開始する。
「あ。さいしょーさん」
「はい。何でしょう」
「くっきーたべる?」
差し出される袋に、幼い兄弟を思い出して笑みがこぼれる。
「いただきます」
後日、あることとで泣くことになるがまた別の話。
私は女王の息子でも、弟こそ王になる資質がある思っていた。
快活で優しく、されども時に冷徹。
けれどその子は結局亡くなってしまった。
じいちゃんと懐いてくれていたあの子がいなくなったときは本当の孫のように辛かったの覚えている。
兄であるフリザード陛下は冷徹と言うか冷めた子供だった。
大人並みに何でもできるし弟の世話も進んでやっていた。
市政からいきなり上がってきた子どもの割に落ち着いていてたいそう驚いた。
長い歴史で見ればヴィッサー一族は王位に就きやすい性質がある。
だからこそ当たり前と言えば当たり前だが、すこし心配になってお菓子をあげることしばしば。
フリザード陛下は優しすぎて冷徹な判断を下せても心を病むだろう。
深夜徘徊が多くなった。
女王曰く好きな子ができたらしくご飯やお菓子を貢いでいるそうだ。
そこからなおのこと勉学、特に魔術に励むようになった。
女王が亡くなり何時しか彼好きな人はまだ来ていない異邦人であることを知った。
物置部屋に入った彼が消えることが毎日。
朝起きればいつの間にかベッドにいた。
そして、彼が来た。
サイズの合っていない服を着ており、傍目からでもいい環境で育っていないのはわかる。
どうしてこんな人が?
等と思った。
だが彼は自分や周囲の人間の悪意には敏感だった。
むしろ敏感過ぎた。
悪意を持って近づく相手も、当然、良い感情を持たない私に対しても。
まだ私は悪意がない分、警戒で済んでいた。
だが悪意をちらつかせたり、実力行使に出たもの。
彼は倍に近い悪意をお返ししていた。
しかも質が悪いことに悪意を持つ相手に警戒していることを悟られない技能まで持っている。
相手も、油断してボロが出ている。
彼の素晴らしく最悪な点は、陛下よりも冷酷であり倍の御礼を届けていることだ。
しかも犯罪は一切犯さない。
相手が罪に足が浸かっていたりかすった嫌がらせでも彼は一切犯さずに返している。
そして相手は全てを失うのだ。
陛下はそれに気づいているのか気づかないのか普通に接する。
むしろ、そのお陰か陛下の負担が減ったような気さえする。
最近ではなんだかんだでお似合いなのでは?と考えてしまう。
何故か仕事の手伝いとしている彼、アヤ、コウノ。
「これとこれとこれ、後はこのあたりかな」
必要書類を記憶だけで取り出していく彼。
コレがなくとも彼の記憶から引っ張れば良いと思うが証明できるものがいるのだ。
無表情のまま重たそうに書類を運ぼうとするので負担を背負う。
「ありがとうございます」
最近は大分警戒も解けている気はする。
陛下の執務室へと戻れば、陛下が大きくなったウロを膝の上に乗せて抱きしめている。
(ウロ。すごい)
「うん。すごいな」
容赦なくデレデレの陛下に仕事を持っていく彼。
「仕事、は?」
「しょ、書類待ちだぞ」
だが彼の目に耐えれなかったのか渋々始める。
「うろ?」
(ウロ、息抜き)
慌てて膝から降りるとそそくさと定位置の毛布へ戻る。
(うろなでる?)
見つめてくる彼の頭を撫でる。
仕事が始まった彼らに、彼の表情が緩むのを眺める。
何処か幸せそうな、愛しそうな表情の陛下を見つめる。
できる限り大人で立派な姿を見せようと張り切っている。
(陛下は見栄っ張りですよね。ともかく若者の恋路にさちあらんことを)
そんなことを考えながら仕事を開始する。
「あ。さいしょーさん」
「はい。何でしょう」
「くっきーたべる?」
差し出される袋に、幼い兄弟を思い出して笑みがこぼれる。
「いただきます」
後日、あることとで泣くことになるがまた別の話。
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