僕のおじさんは☓☓でした

林 業

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自転車を使って走る。
アスファルトのところもあれば、砂利や土の道もある。
(観光業って言ってたけどこんなところ観光になるのかな)

そんな失礼なことを考えつつ走る。

しばらく走っていれば、畑仕事中の観音寺を発見する。
しばらく観察していれば観音寺がこちらを見て、そして何か作業をすると袋に詰めて持ってくる。
「これ持って帰れ。後で飯に使う」
「あ、はい。わかりました」
しばらく無言で、居心地悪さを感じる。
「え、えっと。えーっと。今何育ててるんですか!」
「キャベツ。人参」
「み、見てていいですか?」
「駄目」
「そうですか」
しょんぼりと肩を落とす。

嫌われてるのかとその場を後にする。



ソウスケがキャベツをざく切りにしているのを眺める。
「おじさん。今日の晩御飯何?」
「焼きそば」
「ソースたっぷり?」
「おう」
手伝うと野菜を炒める。
「ねぇ。ソウスケおじさん。観音寺さんって僕のこと嫌い?」
「人見知り発動してるだけだろ」
「だって畑見てたらだめとか」
「作業見られて恥ずかしいだけだろ」
「キャベツ、渡されたのは?」
「実際はお前に食べてほしいのにすぐ食べれるものがなかったから持って帰ってもらっただけだろ」

「そう、かな」
「まだ出会って二、三日だ。そう簡単に大人と仲良くなれるなら人生、苦はない」
「そうかな」
「っていうかあいつと仲良くなりたいのか?」
「一応一緒に住んでるし。住まわせてもらってるし」
「それに関して、俺にも思ってほしいところだぞ」
「思ってるよ」
見上げれば、頭を撫でられる。
「まぁ。これだけは言えるぞ」
「何?」
「もう少し落ち着いたらあいつの本音聞ける機会作ってやるからそれまで頑張れ」
「何時?」
「最低でも一ヶ月は頑張れ」
「はーい。ところでおじさん」
「んー?」
「禁煙しないの?観音寺さん、禁煙してほしいんでしょ」
先程まで庭で吸っていたのがバレたらしい。
答えず無言で食事を作る。
「後でごめんなさいする」
「多分意味ない気がするよ」
小学生に言われては世話がないとしょんぼりと肩を落とす。

「ソウスケ。風呂上がった」
「服着てるよな」
声にソウスケがすかさず叫ぶ。
「いいだろ。男同士」
「レンがいるだろうが。教育の悪いことすな!」
わかった。と返事すると部屋へと向かう。
「僕の父さんもよくパンツ姿で出歩いてたけど?」
ソウスケはレンを見下ろして頭を撫で回す。

「それでもさすがにな」
「?」
レンにお皿を取ってもらい、盛り付ける。
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