僕のおじさんは☓☓でした

林 業

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ソウヘイが泥だらけのレンにだきつく。
「ごめんよぉおおおお。れぇええええん」
「うるさ」
思わず呟き、慌ててソウスケが離れる。
「どうしても新規の旅行会社との打ち合わせが終わらなくて」
「うんん。大丈夫。仕事優先でいいよ」
「ほんとごめんな。心細かったよな。辛かったよなぁ」
「観音寺さん格好良かったんだ」
「そっか。でも、おじさんかっこいいが良かった」
「言われても」
頭を乱暴に撫でられる。
胸の中にあった何かが消えていく気がする。
「とりあえず風呂入ってこい。傷口触らない程度に泥汚れ落としてこい」
「はーい」
「あ。後、お前の持ってる録音機何処おいた?」
「あ、はい」
レコーダーを返せば受け取る。
「ありがと。ご馳走用意してあるからいっぱい食えよ」
「ご馳走!何、何?」
料理を確認し、急いでお風呂に入ってくると走る。

「任せて悪かったな。キョウヘイ」
後から入ってきたキョウヘイを見る。
「構わない。とりあえず録音機」
「おう。あとでまた返すな」
「んっ」
「ところで、うちのレン。苛めたやつ、殴って良さげだった?」
「やめて差し上げろ。母親、女性だ。だがやるなら呼べ。手伝う」
「女かぁ。じゃあ、人間関係からかな」
黒い笑顔のソウヘイにキョウヘイが微笑み返す。
思わずキョウヘイへ顔を近づけるソウヘイ。


だがその前に泥汚れを落としただけのレンが声をかけてくる。
「ねー。ご飯。どこ」
即座に顔を戻して台所に向かう。
「はいはい。今すぐ持っていくから髪の毛乾かしてろ」
「えー」
珍しいキョウヘイの笑顔に思わずキスしかかったと思い、かつ、惜しいことをしたと思う。


冬野菜の天ぷらに、串かつ風擬きのお肉。
それらが乗った大皿とソースを持って机に置けば、天ぷらと大喜びのレン。
「汁物持ってくるからな」
「誰かの誕生日?」
不思議そうなレンに、違うと頭を撫でる。
「そろそろ収穫の時期だったから早々に食材を使い切りたかったんだ。一杯食え」
「わーい。観音寺さんのお野菜天ぷら、好きなんだ」
笑顔で答えるレンにそっかと笑う。
来る前にが苦々しい顔をしていたというのに。
キョウヘイも泥汚れだけを流したのかすぐに食卓に座る。
「ご飯」
「はい。吸い物」
吸い物とお米を持ってソウヘイが二人に渡して早速ご飯を食べている。
「そうだ。レン」
「ちゃんと玉ねぎも食べてます」
「そこじゃない。そこじゃない。偉いけども」
苦手だという玉ねぎリングを示すレン。
どっちにしても、
「学校だけど今後休んでもいいけれども」
「うん?」
「出席日数は行くこと、最悪保健室登校でもいいからな」
「うん」
「それから勉強はきちんとすること」
「うん」
「テスト期間は必ずテスト受けること」
「はーい」
「テスト赤点とったら勉強漬けにするからな」
無言でご飯を食べる。
「返事は?」
「はぃ」
渋々頷く。





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