僕のおじさんは☓☓でした

林 業

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電話

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電話口から声がする。
「それで、どうしたらいいと思う?」
「どうしたらって」
「ホストだったおじさんなら、女の子の誘いかたぐらいわかるだろ!」
「惚れさせた接客させてたわけじゃないんだよ。俺の場合はよ」
レンはだってと呟いてくる。
少女漫画でも読めばいいと勧めるが、恥ずかしいと返される。
一応読まないわけではないがレンの前では買ってなかったなぁと今更ながら思い出す。
今度送っといてやろうと決める。
「どうした?」
不思議そうなキョウヘイ。
「レンから異性の誘い方を教えてくれと」
「料理でも作ったらどうだ?」
「まだ早いって」
電話口で聞こえたのか声が帰ってくる。
「それいいね。そうしてみる」
電話が切れて、お前とキョウヘイを見る。
「別にいーだろ。っていうか変わってほしかった」
「それはレンに言ってくれ。料理ってむしろ女子に作ってもらうもんじゃねーの」
「それ偏見だ」
「すんませんね」
電話を置いて、用意してもらったご飯を口にする。



しばらくして電話がかかってくる。
「位牌がおいてあるのがキモいって言われた」
「そんなやつ縁切っちまえ」
「おじさん。あっさりし過ぎだって」
「いくら事情話してないからって、位牌をおいてある事自体を拒否されるような非常識な相手と付き合う必要はない」
「そうかなぁ。ちょっと話変わるけどおじさんって、あれだよね。空気読めないわけじゃないよね。読まないだけ?」
「読めるときと読まないときとで使い分けてんだよ」
「そういうもんなのかなぁ」
「基本は読むけどな。読んで手遅れになったら嫌だろう」
「ふぅん?」
「ま、お前の場合は、両親が守ってくれてんだよ。お前とは合わないって。無理して付き合ったって結局別れてたろうさ」
「そういうもんか」
「そーそー。金貢ぐようなことになるんじゃないぞ」
「そんなお金ないよ。今だっておじさんに仕送りしてもらった上でバイトだってしているわけで」
「世の中、バイトだけじゃなくて借金というのがあってだな」
「あーはいはい。わかったわかった。対人のお金関係は気をつけるよ」
「レンからか?俺も話していいか?」
キョウヘイが覗き込んでくる。
「レン。キョウヘイと話するか?」
「する!野菜のお礼する」
即答されて携帯を渡す。

「元気か。うんうん」
一方的に話を聞いている。
相変わらずだと眺める。

同時にちょっとだけ嫉妬が芽生える。
どっちにだろうと自問自答を密かに行う。

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