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鎮る人
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体を鍛える。
森神様や風神様に鍛え方を聞く。
山神様には恐る恐るハライ様の好き嫌いについて聞く。
こらえさんには礼儀作法や人の世で生きる技術を教わる。
これが一番楽しい。
木材を加工して組み立てる。
出来上がった品。
作った部品がうまく噛み合ったときの快感が忘れられない。
「出来るならば何処かの弟子になったほうがいいのでしょうけど、それは、人の世に戻ったときに探すといいでしょう」
出来るならばこらえさんに弟子入りしたいが、今はまだお願いは無理だと判断する。
体に程よく筋肉がついてきて、山神様には凄いと頭を撫でようとして戻された。
なんだか可愛らしい神様だとこらえさんにいえば、だから大好きなんですよと微笑まれた。
これは惚気だと気づいて、でも嫌な気分ではない。
ハライ様に言えば、また惚気た。等と呆れていた。
正直、ハライ様に抱きつかれるのも嫌いじゃないが、ああやって付き添う姿を見ると羨ましくも思える。
ああすべきかと思うがスキンシップが激しいので、そちらに付き添うべきか悩む。
「ハライ様はどちらがお好きですか?」
悩み、困ったときは本人に聞くことにする。
「えっと。僕は抱きつくほうが好きかな」
困った顔は山神様にそっくりだと見つめてからじゃあと抱き着く。
しばらく驚いたのか固まり、そして抱きついてくる。
「えへへ」
嬉しそうな声に喜んでくれたと内心で喜ぶ。
早速こらえさんに報告。
「仲良しさんですね」
「うん」
笑顔を返せば、いい笑顔ですと頭を撫でられる。
「こらえ。コマが割れたんだが予備なかったか?」
山神がお気に入りだと言っていたヒビの入ったコマを持ってくる。
「そうですね。せっかくなのでモリヒト君。作ってみますか?」
作ると何度も頷き、こらえさんの手を借りながら作る。
そのヒビの入ったコマは部屋の一室に家を出てからも飾られている。
家の掃除をして考える。
体もいい具合だとお墨付きをもらい、体力もついたし、そろそろハライ様の家に引っ越ししたい。
もちろん、この家が嫌なわけじゃない。
だがせっかくならハライ様の家で、嫁として暮らしたい。
難しいのはわかっているがそれでも期待してしまう。
同時に実はハライ様は同情で自分を拾っただけで嫁でなくともよいのではないかと悪い方にも考えてしまう。
だから聞くのも怖い。
それでも、聞きなさいとこらえさんに言われている。
「あ、あの、ハライ様」
恐る恐る聞く。
ハライ様は照れくさそうに、それでも抱きしめてくれた。
俺はこの日、祓の神の嫁になった。
森神様や風神様に鍛え方を聞く。
山神様には恐る恐るハライ様の好き嫌いについて聞く。
こらえさんには礼儀作法や人の世で生きる技術を教わる。
これが一番楽しい。
木材を加工して組み立てる。
出来上がった品。
作った部品がうまく噛み合ったときの快感が忘れられない。
「出来るならば何処かの弟子になったほうがいいのでしょうけど、それは、人の世に戻ったときに探すといいでしょう」
出来るならばこらえさんに弟子入りしたいが、今はまだお願いは無理だと判断する。
体に程よく筋肉がついてきて、山神様には凄いと頭を撫でようとして戻された。
なんだか可愛らしい神様だとこらえさんにいえば、だから大好きなんですよと微笑まれた。
これは惚気だと気づいて、でも嫌な気分ではない。
ハライ様に言えば、また惚気た。等と呆れていた。
正直、ハライ様に抱きつかれるのも嫌いじゃないが、ああやって付き添う姿を見ると羨ましくも思える。
ああすべきかと思うがスキンシップが激しいので、そちらに付き添うべきか悩む。
「ハライ様はどちらがお好きですか?」
悩み、困ったときは本人に聞くことにする。
「えっと。僕は抱きつくほうが好きかな」
困った顔は山神様にそっくりだと見つめてからじゃあと抱き着く。
しばらく驚いたのか固まり、そして抱きついてくる。
「えへへ」
嬉しそうな声に喜んでくれたと内心で喜ぶ。
早速こらえさんに報告。
「仲良しさんですね」
「うん」
笑顔を返せば、いい笑顔ですと頭を撫でられる。
「こらえ。コマが割れたんだが予備なかったか?」
山神がお気に入りだと言っていたヒビの入ったコマを持ってくる。
「そうですね。せっかくなのでモリヒト君。作ってみますか?」
作ると何度も頷き、こらえさんの手を借りながら作る。
そのヒビの入ったコマは部屋の一室に家を出てからも飾られている。
家の掃除をして考える。
体もいい具合だとお墨付きをもらい、体力もついたし、そろそろハライ様の家に引っ越ししたい。
もちろん、この家が嫌なわけじゃない。
だがせっかくならハライ様の家で、嫁として暮らしたい。
難しいのはわかっているがそれでも期待してしまう。
同時に実はハライ様は同情で自分を拾っただけで嫁でなくともよいのではないかと悪い方にも考えてしまう。
だから聞くのも怖い。
それでも、聞きなさいとこらえさんに言われている。
「あ、あの、ハライ様」
恐る恐る聞く。
ハライ様は照れくさそうに、それでも抱きしめてくれた。
俺はこの日、祓の神の嫁になった。
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