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夜が明けて、朝になりました。
猫はまだ泣いていました。
昼になって、夜になっても猫は悲しみと後悔でいっぱいでした。
家の人たちも猫の元気がないことを心配しています。
いつもよりずっと美味しい特別なおやつを出されても、猫は全然食べる気になれませんでした。
月を見上げる事もなく、窓辺でうずくまっている猫の耳に、みしりという聞き覚えのある音が小さく聞こえました。
けれど、猫は顔を上げる事ができませんでした。
泣きはらした顔を見られるのも嫌でしたが、それよりもどんな顔をして、なんて言ったらいいのかが分かりませんでした。
サワサワ……と、風に吹かれて木の葉が音を立てました。
猫はフクロウが帰ってしまった気がして顔を上げました。
そこには、赤い実をくわえたフクロウがいました。
「君に、これを」
その実は猫へのプレゼントでした。
猫は、嬉しくて泣いてしまいそうでした。
その実は赤くてつやつやと輝いていて、今まで見たこともないほど綺麗でした。
フクロウは、猫からよく見える小枝にその実を引っ掛けました。
猫は、フクロウが自分を気づかってくれたのが嬉しくてたまりませんでした。
「何の実なの?」
猫は聞きました。
「さくらの実だ」
フクロウは答えました。
「さくらってなあに?」
猫の質問に、フクロウは春になると一斉に淡いピンクの花をつける事や、それを見に人間達が集まってお祭りをする事や、散る時は雪のようにひらひらと空を舞うのだという事を少しずつ、分かりやすく教えてやりました。
「素敵。私も見てみたいわ」
「その実を土に埋めれば、いつか見られるかも知れないな」
猫はまだ泣いていました。
昼になって、夜になっても猫は悲しみと後悔でいっぱいでした。
家の人たちも猫の元気がないことを心配しています。
いつもよりずっと美味しい特別なおやつを出されても、猫は全然食べる気になれませんでした。
月を見上げる事もなく、窓辺でうずくまっている猫の耳に、みしりという聞き覚えのある音が小さく聞こえました。
けれど、猫は顔を上げる事ができませんでした。
泣きはらした顔を見られるのも嫌でしたが、それよりもどんな顔をして、なんて言ったらいいのかが分かりませんでした。
サワサワ……と、風に吹かれて木の葉が音を立てました。
猫はフクロウが帰ってしまった気がして顔を上げました。
そこには、赤い実をくわえたフクロウがいました。
「君に、これを」
その実は猫へのプレゼントでした。
猫は、嬉しくて泣いてしまいそうでした。
その実は赤くてつやつやと輝いていて、今まで見たこともないほど綺麗でした。
フクロウは、猫からよく見える小枝にその実を引っ掛けました。
猫は、フクロウが自分を気づかってくれたのが嬉しくてたまりませんでした。
「何の実なの?」
猫は聞きました。
「さくらの実だ」
フクロウは答えました。
「さくらってなあに?」
猫の質問に、フクロウは春になると一斉に淡いピンクの花をつける事や、それを見に人間達が集まってお祭りをする事や、散る時は雪のようにひらひらと空を舞うのだという事を少しずつ、分かりやすく教えてやりました。
「素敵。私も見てみたいわ」
「その実を土に埋めれば、いつか見られるかも知れないな」
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