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絶体絶命
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ヴァードはミリアを抱き抱えて路地を走る
空はすっかり暗くなっている
月明かりと窓から漏れる淡い光がヴァードたちを照らした
「どうしてやつらの言いなりになっていたんだ」
「その……命のやりとりをする覚悟が出来ていなかったんです
迷いをつかれて、あのピートに負けてしまって、武器を取られて……それで……」
「お前は抜群に強い、自由だ」
「……はい」
ミリアはヴァードの顔に頬を寄せた
場違いな轟音が遠くから響いた
「なん……でしょう?」
「旅館の方向か?嫌な予感がする、急ぐぞ」
ヴァードたちが戻ると
旅館は数人の男たちに取り囲まれていた
王国の兵のようだが少しいでたちが違う
みな大鎌や、鉤爪など禍々しい装備をつけ、醜く笑っている
旅館の支配人が血を流して倒れていた、まだ息はあるようだ
「フィーナが危ない」
「仲間の人ですか?」
「ああ、あのじいさんも世話になった」
「助けましょう」
「まだ状況がつかめない、俺が一人でいく、
ミリア、お前は丸腰だ、後ろで様子をみていてくれ」
「わかりました」
ヴァードは兵士たちに近づいていった、
妙な形の剣と大きな袋を背負った男が前に出てきた
「のこのこ戻ってきたか!俺の名はベルナール……」
「どけ!!!」
ヴァードは兵士たちを一喝すると、支配人を起こして抱えた
「大丈夫か支配人」
「ああ、お客様……もうしわけありません妹さんを……守りきれず」
「恩に着る」
ヴァードは老人をミリアのもとに寝かせた
「手当できるものはあったか?」
「包帯代わりには」
ミリアはスカートの裾をちぎって支配人の傷口に巻いた
ヴァードは男たちを睨んだ
「で、なんだ?弱そうなやつらが雁首そろえて何しにきた」
ヴァードは先ほど名乗りかけた男を睨んだ
逆立った髪の大男である、体格はヴァードにも劣らない
剣、というよりも鉈(なた)に近い武器を持っている
「コケにしやがっててめえ!俺は王都遊撃隊筆頭の
ベルナール・パーリン!弟が世話になったそうだな!
嗚呼ピート!さぞ痛かったろう、苦しかったろう、この恨み晴らさせてもらおう」
「そうか、苦労してるんだろうな、出来の悪い弟をもって」
「貴様ッッ!許せんぞ!」
「口だけか?」
「くかかか!お仲間を守らないでいいのかぁ!?ヴァードさんよ!」
大鎌を持った兵士が飛び出した
ヴァードは戦斧を振るった
大鎌の兵士は真っ二つになった
兵士は大腸を撒き散らして果てた
ヴァードは腰を落とし戦斧を構えた
「その心配は無用だ、勝つつもりなら俺に的を絞ったほうがいいぞ」
「ぐぬぬぬぬぬ……ヴァードめ!おい!遊撃隊全員でかかるぞ!」
「冗談じゃない!あんなやつ勝てるかよ!」
「おい!?お前ら!!」
遊撃隊の兵士たちは逃げ出した、ベルナール一人が取り残された
「どうする?あんたの仲間の方が賢いと思うぞ」
「ふ……ふ……くくく……、その笑い、いつまで保つかな」
ベルナールは大きな袋に手をいれた、人の声がした
ベルナールは袋に入れられていた
フィーナの体を片腕で持ち上げ、首に鉈(なた)の刃を突き立てた
「わーはっはっはっは!!形勢逆転とはこのことよぉ!!
この娘が惜しければいますぐここで自害しろヴァードぉ!」
「おにーさん!言うこと聞いちゃだめ!わたしにかまわず!」
「む、そうか」
ヴァードは力をこめて戦斧を構えた
「おにーさぁん!やっぱりまだ死にたくないですぅ!なんとかして助けて下さぁい!」
「術を使えフィーナ!」
「杖を折られたんですう……うう……」
「ヴァードぉ!その斧を捨てろ!!」
「く……」
戦斧を相手に投げればフィーナまで斬ってしまう
ミリアは手持ちの武器がなく狙い撃ちはできない
ヴァードは戦斧を地面に放った
「動くな、絶対に動くなよ」
ベルナールは戦斧を引きずってヴァードの手の届かないところまで離した
「よーし、準備万端!整った!おりゃあ!」
ベルナールはヴァードの鳩尾(みぞおち)を殴った
ヴァードの口から吐瀉物が漏れた
「ぐ……う……」
「ヴァードさん!」
「ミリア……ダメだ動くな!」
「かあああああ!!気持ち良いいぞおお、そりゃあ!そりゃあ!そりゃあ」
ベルナールは今度は足でヴァードの腹を蹴った
「があ……」
ヴァードは膝を屈した、ベルナールは得意満面でヴァードの顔を、胸を、腹を
ブーツの硬い爪先で蹴りまくった
「ぐぅあっ!……」
「ああああ良い気分どあああああ!!死ねっ!死ねっ!死ねっ!」
ピートとの戦いで出来た傷口が開き
肩からも血が溢れ出した、あちこちに血しぶきが飛んでいく
ヴァードは視界が霞んでいった
「もうやめて!おにーさん死ん……」
フィーナは突然押し黙った
「フィーナ……?」
「殺すためにやってんだよ馬鹿がっ!」
ベルナールは剣を大上段に構えた
「死ねぇ!ヴァードぉぉぉおおお……おおろろろろろろろろろろろろ」
暗闇から巨大な口がぬっと出てきてベルナールを高く持ち上げていく
持ち主を失った鉈ががらんと音を立てて落ち、フィーナは「ひっ」と言って尻餅をついた
口はしっかりとベルナールを噛み締め、わしわしと咀嚼するたび、
手足や内臓が路地に散らばった
「ぐうるるるる……こいつも……まずいのう」
身の丈20アードはあろうかという突撃龍が闇の中からあらわれた
頭部に鋭い角を生やし、大きな口は牙で埋め尽くされ、
体躯は山脈が二本足で動いているような威容だった
「ぐわーはははは!忍び足で来たつもりだったのだがなぁ……気づかれてしまったか!
魔王様への手土産に残さず食らってやろう!」
「あ……あ……」
フィーナはへたりこんで動けなくなっていた
空はすっかり暗くなっている
月明かりと窓から漏れる淡い光がヴァードたちを照らした
「どうしてやつらの言いなりになっていたんだ」
「その……命のやりとりをする覚悟が出来ていなかったんです
迷いをつかれて、あのピートに負けてしまって、武器を取られて……それで……」
「お前は抜群に強い、自由だ」
「……はい」
ミリアはヴァードの顔に頬を寄せた
場違いな轟音が遠くから響いた
「なん……でしょう?」
「旅館の方向か?嫌な予感がする、急ぐぞ」
ヴァードたちが戻ると
旅館は数人の男たちに取り囲まれていた
王国の兵のようだが少しいでたちが違う
みな大鎌や、鉤爪など禍々しい装備をつけ、醜く笑っている
旅館の支配人が血を流して倒れていた、まだ息はあるようだ
「フィーナが危ない」
「仲間の人ですか?」
「ああ、あのじいさんも世話になった」
「助けましょう」
「まだ状況がつかめない、俺が一人でいく、
ミリア、お前は丸腰だ、後ろで様子をみていてくれ」
「わかりました」
ヴァードは兵士たちに近づいていった、
妙な形の剣と大きな袋を背負った男が前に出てきた
「のこのこ戻ってきたか!俺の名はベルナール……」
「どけ!!!」
ヴァードは兵士たちを一喝すると、支配人を起こして抱えた
「大丈夫か支配人」
「ああ、お客様……もうしわけありません妹さんを……守りきれず」
「恩に着る」
ヴァードは老人をミリアのもとに寝かせた
「手当できるものはあったか?」
「包帯代わりには」
ミリアはスカートの裾をちぎって支配人の傷口に巻いた
ヴァードは男たちを睨んだ
「で、なんだ?弱そうなやつらが雁首そろえて何しにきた」
ヴァードは先ほど名乗りかけた男を睨んだ
逆立った髪の大男である、体格はヴァードにも劣らない
剣、というよりも鉈(なた)に近い武器を持っている
「コケにしやがっててめえ!俺は王都遊撃隊筆頭の
ベルナール・パーリン!弟が世話になったそうだな!
嗚呼ピート!さぞ痛かったろう、苦しかったろう、この恨み晴らさせてもらおう」
「そうか、苦労してるんだろうな、出来の悪い弟をもって」
「貴様ッッ!許せんぞ!」
「口だけか?」
「くかかか!お仲間を守らないでいいのかぁ!?ヴァードさんよ!」
大鎌を持った兵士が飛び出した
ヴァードは戦斧を振るった
大鎌の兵士は真っ二つになった
兵士は大腸を撒き散らして果てた
ヴァードは腰を落とし戦斧を構えた
「その心配は無用だ、勝つつもりなら俺に的を絞ったほうがいいぞ」
「ぐぬぬぬぬぬ……ヴァードめ!おい!遊撃隊全員でかかるぞ!」
「冗談じゃない!あんなやつ勝てるかよ!」
「おい!?お前ら!!」
遊撃隊の兵士たちは逃げ出した、ベルナール一人が取り残された
「どうする?あんたの仲間の方が賢いと思うぞ」
「ふ……ふ……くくく……、その笑い、いつまで保つかな」
ベルナールは大きな袋に手をいれた、人の声がした
ベルナールは袋に入れられていた
フィーナの体を片腕で持ち上げ、首に鉈(なた)の刃を突き立てた
「わーはっはっはっは!!形勢逆転とはこのことよぉ!!
この娘が惜しければいますぐここで自害しろヴァードぉ!」
「おにーさん!言うこと聞いちゃだめ!わたしにかまわず!」
「む、そうか」
ヴァードは力をこめて戦斧を構えた
「おにーさぁん!やっぱりまだ死にたくないですぅ!なんとかして助けて下さぁい!」
「術を使えフィーナ!」
「杖を折られたんですう……うう……」
「ヴァードぉ!その斧を捨てろ!!」
「く……」
戦斧を相手に投げればフィーナまで斬ってしまう
ミリアは手持ちの武器がなく狙い撃ちはできない
ヴァードは戦斧を地面に放った
「動くな、絶対に動くなよ」
ベルナールは戦斧を引きずってヴァードの手の届かないところまで離した
「よーし、準備万端!整った!おりゃあ!」
ベルナールはヴァードの鳩尾(みぞおち)を殴った
ヴァードの口から吐瀉物が漏れた
「ぐ……う……」
「ヴァードさん!」
「ミリア……ダメだ動くな!」
「かあああああ!!気持ち良いいぞおお、そりゃあ!そりゃあ!そりゃあ」
ベルナールは今度は足でヴァードの腹を蹴った
「があ……」
ヴァードは膝を屈した、ベルナールは得意満面でヴァードの顔を、胸を、腹を
ブーツの硬い爪先で蹴りまくった
「ぐぅあっ!……」
「ああああ良い気分どあああああ!!死ねっ!死ねっ!死ねっ!」
ピートとの戦いで出来た傷口が開き
肩からも血が溢れ出した、あちこちに血しぶきが飛んでいく
ヴァードは視界が霞んでいった
「もうやめて!おにーさん死ん……」
フィーナは突然押し黙った
「フィーナ……?」
「殺すためにやってんだよ馬鹿がっ!」
ベルナールは剣を大上段に構えた
「死ねぇ!ヴァードぉぉぉおおお……おおろろろろろろろろろろろろ」
暗闇から巨大な口がぬっと出てきてベルナールを高く持ち上げていく
持ち主を失った鉈ががらんと音を立てて落ち、フィーナは「ひっ」と言って尻餅をついた
口はしっかりとベルナールを噛み締め、わしわしと咀嚼するたび、
手足や内臓が路地に散らばった
「ぐうるるるる……こいつも……まずいのう」
身の丈20アードはあろうかという突撃龍が闇の中からあらわれた
頭部に鋭い角を生やし、大きな口は牙で埋め尽くされ、
体躯は山脈が二本足で動いているような威容だった
「ぐわーはははは!忍び足で来たつもりだったのだがなぁ……気づかれてしまったか!
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