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始章…初老二人の対決
始章…初老二人の対決
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口笛を吹けるかい?
そう言って口笛を吹かすと、とにかく下手糞だった。
当たり前に俺の方が陽気な口笛が上手かった。
俺は誰よりも楽しそうに、陽気に過ごすのを演じるのが上手い自信がある。
「それじゃあ、殺れる目じゃないね。エブレン。それは仲間に向けてたお優しい目じゃないか。」
俺の軽口を聞きとどけつつも、エブレンは太刀を構え後退る。
初老でボケちゃってるのかな、高貴なエブレン君は。この対決が何の意味を成すのか解りきっていないらしい。
「…相変わらず減らず口だな…、煌雅!」
そうそう、俺は煌雅・サムハラと申します。残念ながら主人公は俺なんです。高貴なエブレン君ではありません。
今度は目映い聖剣の一振りが、俺の髪を容赦なく掠める。嗚呼、なんて無慈悲なんだエブレン。俺も初老の五十七歳で年々薄毛になってきてるんだぞ。
聖剣の発熱した刃で焦げついた匂いが俺の髪に着いたようだ。妻エリカの勧めてくれたネロリのトニックと混ざって、あの遠き日の忌忌しい戦場を思わせた。
これは、【俺は不死身さ。】という俺なりのエブレンへの御挨拶。
身体を瓦礫の方へ跳ねさせて、俺は身を信頼できる右の義足に任せた。義足は逞しく起動し、その駆動を爆発させて、即座朽ちたコロッセオの端まで滑走する。
陽炎が立ち上る。どうやら俺の義足は主の意思に応えてくれたようだ。左の義手はカチリカチリと、新たなギミックをにおわす小気味良い音を立てた。振動の機微まで伝わる繊細な義手義足。さすがのメンテナンスだ、我が愚息の蓮雅よ。
俺のあまりの鮮やかな体捌きに、エブレンは…呆れているのか。
「それすらも変わらずか、数奇者振る舞いしくさって。」
絶対的な強者の風格を漂わせて、エブレンはコロッセオのど真ん中をつっきてくる。徐々にその身を加速させ、大人しい語り口の奴かと思えば雄々しい雄叫びを、その咆哮をあげる。
エブレンの白銀の聖剣は空気をも纏った、それが畝りとなり、巨大な竜巻と成る。
「あは。天龍様のお出ましだっ!!!」
俺の目の前には、あの天龍エブレンが居た。荘厳な佇まいも聖剣の構えも、その身姿には神々しささえある。
「解りきったことをぬかすな!金烏煌雅!!!」
ギィィィィィンと、霊峰黒金製の義手で会心の一撃の軌道を逸らし、躱すしかなかった。
弾いただけだというのにビリビリと焼けるような振動が腕の付け根にまで伝わった。
(これが老いなのかよ。胴体にまで響きやがる。骨軋むなよ?参った。)
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※書きかけです※
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そう言って口笛を吹かすと、とにかく下手糞だった。
当たり前に俺の方が陽気な口笛が上手かった。
俺は誰よりも楽しそうに、陽気に過ごすのを演じるのが上手い自信がある。
「それじゃあ、殺れる目じゃないね。エブレン。それは仲間に向けてたお優しい目じゃないか。」
俺の軽口を聞きとどけつつも、エブレンは太刀を構え後退る。
初老でボケちゃってるのかな、高貴なエブレン君は。この対決が何の意味を成すのか解りきっていないらしい。
「…相変わらず減らず口だな…、煌雅!」
そうそう、俺は煌雅・サムハラと申します。残念ながら主人公は俺なんです。高貴なエブレン君ではありません。
今度は目映い聖剣の一振りが、俺の髪を容赦なく掠める。嗚呼、なんて無慈悲なんだエブレン。俺も初老の五十七歳で年々薄毛になってきてるんだぞ。
聖剣の発熱した刃で焦げついた匂いが俺の髪に着いたようだ。妻エリカの勧めてくれたネロリのトニックと混ざって、あの遠き日の忌忌しい戦場を思わせた。
これは、【俺は不死身さ。】という俺なりのエブレンへの御挨拶。
身体を瓦礫の方へ跳ねさせて、俺は身を信頼できる右の義足に任せた。義足は逞しく起動し、その駆動を爆発させて、即座朽ちたコロッセオの端まで滑走する。
陽炎が立ち上る。どうやら俺の義足は主の意思に応えてくれたようだ。左の義手はカチリカチリと、新たなギミックをにおわす小気味良い音を立てた。振動の機微まで伝わる繊細な義手義足。さすがのメンテナンスだ、我が愚息の蓮雅よ。
俺のあまりの鮮やかな体捌きに、エブレンは…呆れているのか。
「それすらも変わらずか、数奇者振る舞いしくさって。」
絶対的な強者の風格を漂わせて、エブレンはコロッセオのど真ん中をつっきてくる。徐々にその身を加速させ、大人しい語り口の奴かと思えば雄々しい雄叫びを、その咆哮をあげる。
エブレンの白銀の聖剣は空気をも纏った、それが畝りとなり、巨大な竜巻と成る。
「あは。天龍様のお出ましだっ!!!」
俺の目の前には、あの天龍エブレンが居た。荘厳な佇まいも聖剣の構えも、その身姿には神々しささえある。
「解りきったことをぬかすな!金烏煌雅!!!」
ギィィィィィンと、霊峰黒金製の義手で会心の一撃の軌道を逸らし、躱すしかなかった。
弾いただけだというのにビリビリと焼けるような振動が腕の付け根にまで伝わった。
(これが老いなのかよ。胴体にまで響きやがる。骨軋むなよ?参った。)
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※書きかけです※
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