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第11章
第6話
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距離をとる。
間髪入れず踏み込んだあたしに、細木はこん棒で応戦する。
「誰がお前らなんかと鬼退治するか!」
刀身と刀身がぶつかり合う。
交差するそれを挟んで、あたしと細木はギリギリとにらみ合った。
「俺はなぁ、この学校が共学化して、男子が入ってくることだけを生きがいに頑張ってんだよ」
「何だよそれ……」
「お前こそ俺の邪魔をするな。鬼退治サークルが存続するなら、お前にとっても悪い話しじゃないだろ」
力で押し戻される。
あたしが後ろに引いたとたん、細木はやっぱりこん棒を投げ捨てパッと背を向けた。
「おぉ! よく見ればここにもお友達が!」
金太郎と浦島に駆け寄り、勝手に手を取るとぶんぶんと握手でそれを振り回す。
「君も! 君も! 名前は?」
「おいっ! 勝負のじゃなすんな!」
「お前こそ俺の勝負の邪魔すんな!」
細木の大声に、びっくりする。
コイツが今までにこんな大きな声を出したのを、聞いたことがない。
つーかこんな声出せたんだ。
細木は落ちていたこん棒をあたしに突きつけた。
「君たちはここで、サークル部員の勧誘を続けていなさい。僕は彼らを案内してくるから」
細木は持っていたこん棒を横にすると、ぐいぐい押しつけてくる。
その異様な気迫に押されて、あたしはついそれを受け取ってしまった。
「じゃ。余計な問題起こすなよ」
背を向けたとたん、突然の上機嫌に戻った細木は、桃たち三人を引き連れてどこかへ行ってしまった。
きっと転入案内のコーナーにでも行くんだろう。
「なんだあいつ!」
あたしは最高にイライラしていた。
普段の練習とかには、全く興味ないクセに!
校内で会っても目も合わさないクセに!
そもそも細木の顔を見るのは、学祭の許可をもらいに行って以来だ。
「いっちー! あたしと模擬戦しよう!」
彼女はすらりと腰のこん棒を抜いた。
あたしが打ちかかると、それに応じる。
いつも以上に熱が入った。
流暢な剣さばきに、結んだ彼女の長い髪がなびく。
ガツガツと腕に伝わる振動に、あたし自身がしびれていた。
何に対して腹が立つのか、どうしてこんなにイライラしているのか、そんなことを今だけは考えたくもない。
いっちーの繰り出す素早い剣さばきに、無心で合わせる。
繰り出される剣先を避け、また打ち付ける。
踏み込む動きに一切の無駄なんてない。
ぶつかっては離れ、離れてはまたぶつかり合う。
あたしはただただいっちーと打ち合っている。
一呼吸置いた時、ふいに拍手が沸き起こった。
いつの間にか辺りには人だかりが出来ていて、あたしたちを取り囲んでいた。
それに気づいて、急に恥ずかしくなる。
いっちーの顔も真っ赤だ。
「あ、ありがとうございました!」
二人で一礼をしてから、あわててその場を逃げ出した。
「なんか突然で、びっくりしちゃった」
「私も」
どこへ逃げ込もうか。
校舎内に駆け込んで、ようやく一息つく。
「なんか飲む?」
「う、うん。ももは?」
「あたしもなんか飲みたい」
目の前の教室で屋台が出ていた、よく分からないミックスジュースを買う。
正義のイエローダイヤと愛のレッドルビーってなんだ?
どうやら黄色系と赤系の市販のジュースをいくつかミックスしたものらしい。
「あ、知らない味だけど悪くないよ」
「うん。不味くはないね。むしろアレとアレを混ぜたらこんな感じになるんだって感じ」
見慣れた校内を行き交う沢山の見知らぬ人たちの前で、あたしたちは色んなものがごちゃ混ぜになった不思議なジュースを流し込む。
ようやく落ち着いたところで、生徒会本部役員のはーちゃんとしーちゃんに出くわした。
「もも!」
「どうしたの? そんなに慌てて」
はーとしーは慎重に辺りを見渡すと、小声でささやく。
「鬼が出たっぽい」
マジな感じの様子に、空気が凍りつく。
「ホントに?」
二人はうなずいた。
間髪入れず踏み込んだあたしに、細木はこん棒で応戦する。
「誰がお前らなんかと鬼退治するか!」
刀身と刀身がぶつかり合う。
交差するそれを挟んで、あたしと細木はギリギリとにらみ合った。
「俺はなぁ、この学校が共学化して、男子が入ってくることだけを生きがいに頑張ってんだよ」
「何だよそれ……」
「お前こそ俺の邪魔をするな。鬼退治サークルが存続するなら、お前にとっても悪い話しじゃないだろ」
力で押し戻される。
あたしが後ろに引いたとたん、細木はやっぱりこん棒を投げ捨てパッと背を向けた。
「おぉ! よく見ればここにもお友達が!」
金太郎と浦島に駆け寄り、勝手に手を取るとぶんぶんと握手でそれを振り回す。
「君も! 君も! 名前は?」
「おいっ! 勝負のじゃなすんな!」
「お前こそ俺の勝負の邪魔すんな!」
細木の大声に、びっくりする。
コイツが今までにこんな大きな声を出したのを、聞いたことがない。
つーかこんな声出せたんだ。
細木は落ちていたこん棒をあたしに突きつけた。
「君たちはここで、サークル部員の勧誘を続けていなさい。僕は彼らを案内してくるから」
細木は持っていたこん棒を横にすると、ぐいぐい押しつけてくる。
その異様な気迫に押されて、あたしはついそれを受け取ってしまった。
「じゃ。余計な問題起こすなよ」
背を向けたとたん、突然の上機嫌に戻った細木は、桃たち三人を引き連れてどこかへ行ってしまった。
きっと転入案内のコーナーにでも行くんだろう。
「なんだあいつ!」
あたしは最高にイライラしていた。
普段の練習とかには、全く興味ないクセに!
校内で会っても目も合わさないクセに!
そもそも細木の顔を見るのは、学祭の許可をもらいに行って以来だ。
「いっちー! あたしと模擬戦しよう!」
彼女はすらりと腰のこん棒を抜いた。
あたしが打ちかかると、それに応じる。
いつも以上に熱が入った。
流暢な剣さばきに、結んだ彼女の長い髪がなびく。
ガツガツと腕に伝わる振動に、あたし自身がしびれていた。
何に対して腹が立つのか、どうしてこんなにイライラしているのか、そんなことを今だけは考えたくもない。
いっちーの繰り出す素早い剣さばきに、無心で合わせる。
繰り出される剣先を避け、また打ち付ける。
踏み込む動きに一切の無駄なんてない。
ぶつかっては離れ、離れてはまたぶつかり合う。
あたしはただただいっちーと打ち合っている。
一呼吸置いた時、ふいに拍手が沸き起こった。
いつの間にか辺りには人だかりが出来ていて、あたしたちを取り囲んでいた。
それに気づいて、急に恥ずかしくなる。
いっちーの顔も真っ赤だ。
「あ、ありがとうございました!」
二人で一礼をしてから、あわててその場を逃げ出した。
「なんか突然で、びっくりしちゃった」
「私も」
どこへ逃げ込もうか。
校舎内に駆け込んで、ようやく一息つく。
「なんか飲む?」
「う、うん。ももは?」
「あたしもなんか飲みたい」
目の前の教室で屋台が出ていた、よく分からないミックスジュースを買う。
正義のイエローダイヤと愛のレッドルビーってなんだ?
どうやら黄色系と赤系の市販のジュースをいくつかミックスしたものらしい。
「あ、知らない味だけど悪くないよ」
「うん。不味くはないね。むしろアレとアレを混ぜたらこんな感じになるんだって感じ」
見慣れた校内を行き交う沢山の見知らぬ人たちの前で、あたしたちは色んなものがごちゃ混ぜになった不思議なジュースを流し込む。
ようやく落ち着いたところで、生徒会本部役員のはーちゃんとしーちゃんに出くわした。
「もも!」
「どうしたの? そんなに慌てて」
はーとしーは慎重に辺りを見渡すと、小声でささやく。
「鬼が出たっぽい」
マジな感じの様子に、空気が凍りつく。
「ホントに?」
二人はうなずいた。
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