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第7章
第5話
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「竹内、重人を頼めるか?」
「俺、あんま得意じゃないんっすよね。こういう役割」
上りの階段が見えている。
竹内の手に、エアカッター発生装置が握られる。
その両脇に張られたタイルが、ボロボロと崩れ、剥がれてゆく。
そのタイル一枚一枚が、手裏剣のような小型ドローンへと姿を変えた。
「私がやるわ。風圧で一気に押し流すから、その間に走りなさい」
地下通路の天井から、金属格子が落下した。
伸縮するいくつもの足の先にタイヤがついている。
小さなブロックをいくつも連結させてつなげることで、柔軟性を確保したムカデ型の強化プラスチックロボットは、長い体をくねらせ垂れ下がった。
飯塚さんの手が空を斬る。
ムカデの体はそれを避けようと、一瞬にしてパーツごとに分かれた。
破壊された2ブロックだけを残して、すぐに再結合する。
「狙いはいづみの持っているそれだ」
彼女は右腕を高く掲げる。
それを大きく横に振ると、空気の壁が動いた。
小さなドローンたちは吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる。
ムカデは地を這った。
飯塚さんの左手が真横に低く空を斬る。
30㎝四方程度のムカデは、水平に裂けた。
「走れ」
駅地下の駐輪場へ入る。
そこから地上へと向かうスロープを駆け上がった。
最後尾の飯塚さんは振り返る。
咥えたタバコに火をつけ、すぐに放り投げた。
タイミングよく爆発したそれは、厚い煙幕を張る。
通常の出入り口には規制線が張られていた。
入場制限されている群衆の背後を、早足で通り過ぎる。
その瞬間、地下で爆発音が響いた。
「撒けたかしら」
いづみはボソリとつぶやく。
「どうせ自動追尾システムか何かだ。今回はもう、後は任せよう」
ふっと微笑んだ飯塚さんに、いづみも笑みを浮かべる。
「そうね。新人くんもいるし、今日はそれで十分よ」
そう言うと、急に彼女は真顔になった。
「反省会しなくっちゃ」
乗り捨てた軽自動車には、見知らぬ人間が2人座っていた。
いづみは回収した銀のケースを彼らに手渡す。
「すみませんね。お世話になります」
「ご苦労さまでした」
車はゆっくりと走り出した。
いづみはそれに、ひらひらと手を振る。
が、振り返ってからが怖かった。
「じゃ、コンビニで」
ギロリとにらむその顔は、まさに氷の女王そのものだ。
彼女は飯塚さんの腕に自分の腕を絡めると、並んで立ち去った。
竹内はため息をつく。
「まさかお前、ここから一人では帰れないとか、そんなことは言わないよな」
今いる駅の名前は分かる。
「か、帰れるよ」
「どっちが先にたどり着くか、競争しようぜ」
「は?」
「これも訓練の一つだ」
竹内は端末を胸のポケットにしまった。
「じゃあな。もう勝手に始まってるっぽいし」
人混みの中に、背の高いほっそりとした黒髪が消える。
時計はちょうど20時を回ったところだ。
俺はため息をついてから、仕方なく次の駅に向かって歩き始めた。
「俺、あんま得意じゃないんっすよね。こういう役割」
上りの階段が見えている。
竹内の手に、エアカッター発生装置が握られる。
その両脇に張られたタイルが、ボロボロと崩れ、剥がれてゆく。
そのタイル一枚一枚が、手裏剣のような小型ドローンへと姿を変えた。
「私がやるわ。風圧で一気に押し流すから、その間に走りなさい」
地下通路の天井から、金属格子が落下した。
伸縮するいくつもの足の先にタイヤがついている。
小さなブロックをいくつも連結させてつなげることで、柔軟性を確保したムカデ型の強化プラスチックロボットは、長い体をくねらせ垂れ下がった。
飯塚さんの手が空を斬る。
ムカデの体はそれを避けようと、一瞬にしてパーツごとに分かれた。
破壊された2ブロックだけを残して、すぐに再結合する。
「狙いはいづみの持っているそれだ」
彼女は右腕を高く掲げる。
それを大きく横に振ると、空気の壁が動いた。
小さなドローンたちは吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる。
ムカデは地を這った。
飯塚さんの左手が真横に低く空を斬る。
30㎝四方程度のムカデは、水平に裂けた。
「走れ」
駅地下の駐輪場へ入る。
そこから地上へと向かうスロープを駆け上がった。
最後尾の飯塚さんは振り返る。
咥えたタバコに火をつけ、すぐに放り投げた。
タイミングよく爆発したそれは、厚い煙幕を張る。
通常の出入り口には規制線が張られていた。
入場制限されている群衆の背後を、早足で通り過ぎる。
その瞬間、地下で爆発音が響いた。
「撒けたかしら」
いづみはボソリとつぶやく。
「どうせ自動追尾システムか何かだ。今回はもう、後は任せよう」
ふっと微笑んだ飯塚さんに、いづみも笑みを浮かべる。
「そうね。新人くんもいるし、今日はそれで十分よ」
そう言うと、急に彼女は真顔になった。
「反省会しなくっちゃ」
乗り捨てた軽自動車には、見知らぬ人間が2人座っていた。
いづみは回収した銀のケースを彼らに手渡す。
「すみませんね。お世話になります」
「ご苦労さまでした」
車はゆっくりと走り出した。
いづみはそれに、ひらひらと手を振る。
が、振り返ってからが怖かった。
「じゃ、コンビニで」
ギロリとにらむその顔は、まさに氷の女王そのものだ。
彼女は飯塚さんの腕に自分の腕を絡めると、並んで立ち去った。
竹内はため息をつく。
「まさかお前、ここから一人では帰れないとか、そんなことは言わないよな」
今いる駅の名前は分かる。
「か、帰れるよ」
「どっちが先にたどり着くか、競争しようぜ」
「は?」
「これも訓練の一つだ」
竹内は端末を胸のポケットにしまった。
「じゃあな。もう勝手に始まってるっぽいし」
人混みの中に、背の高いほっそりとした黒髪が消える。
時計はちょうど20時を回ったところだ。
俺はため息をついてから、仕方なく次の駅に向かって歩き始めた。
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