109 / 117
第25章
第5話
しおりを挟む
一見、壁紙の継ぎ目にしか見えないラインがある。
俺は竹内を後ろに下がらせた。
壁の一部をコンコンと叩く。
これは仕掛け扉だ。
そもそもこの都庁自体が、巨大な忍者屋敷のごとく三層構造になっている。
壁の足元を軽く蹴ってみる。
下じゃないなら上だ。
俺は胸ポケットからメジャーのフリしたスティックを取り出すと、天井付近を叩く。
音が違う。
下に落ちないのなら横だ。
壁を押し込むと一部がへこんだ。
簡単に開けられないと思ったら、交差させ回転する仕組みだ。
斜め上にそっと滑らせる。
白い壁はぐるりと開き、ついに都庁ロボ操縦席は現れた。
「やった! 隊長に報告だ」
竹内が片手をあげる。
同じように手をあげると、それはパチンと合わさった。
操縦席に座ったとたん、指示が入る。
「都庁ロボを起動させろ。こちらが先に主導権を握る。向こうに起動され、コントロールされてしまう前に、操縦を覚えろ。万が一起動した場合には、手動操縦で押さえこめ」
無茶過ぎる命令にもほどがある。
確かに、操縦方法をチラリと見たことくらいはある。
だけどそれは、飯塚さんが書き換えてしまう前のものだ。
操縦桿を握りしめる。
「お前、分かるのか?」
「分かるわけないだろ」
とは答えたものの、竹内は迷うことなく電源を入れ、次々と計器を立ち上げる。
「旧式の操縦方法くらいは知ってる。隊長が送ってくれてたのを見てたからな」
言葉に詰まる。
竹内はそんな俺をにらんだ。
「ぶっつけ本番でやりながら覚えるのは、お前の得意技じゃないか」
フンという冷ややかな鼻息が聞こえる。
俺はヘッドセットを装着した。
「やれと言われたら、やるんだろ?」
「隊長、飯塚さんは?」
「03のことは気にするな。今は目の前のことに集中しろ」
プツリと通信は切られた。
「ホント、お前は人の神経を逆なでするのが得意だよな」
竹内はいつも俺に呆れている。
俺は竹内を後ろに下がらせた。
壁の一部をコンコンと叩く。
これは仕掛け扉だ。
そもそもこの都庁自体が、巨大な忍者屋敷のごとく三層構造になっている。
壁の足元を軽く蹴ってみる。
下じゃないなら上だ。
俺は胸ポケットからメジャーのフリしたスティックを取り出すと、天井付近を叩く。
音が違う。
下に落ちないのなら横だ。
壁を押し込むと一部がへこんだ。
簡単に開けられないと思ったら、交差させ回転する仕組みだ。
斜め上にそっと滑らせる。
白い壁はぐるりと開き、ついに都庁ロボ操縦席は現れた。
「やった! 隊長に報告だ」
竹内が片手をあげる。
同じように手をあげると、それはパチンと合わさった。
操縦席に座ったとたん、指示が入る。
「都庁ロボを起動させろ。こちらが先に主導権を握る。向こうに起動され、コントロールされてしまう前に、操縦を覚えろ。万が一起動した場合には、手動操縦で押さえこめ」
無茶過ぎる命令にもほどがある。
確かに、操縦方法をチラリと見たことくらいはある。
だけどそれは、飯塚さんが書き換えてしまう前のものだ。
操縦桿を握りしめる。
「お前、分かるのか?」
「分かるわけないだろ」
とは答えたものの、竹内は迷うことなく電源を入れ、次々と計器を立ち上げる。
「旧式の操縦方法くらいは知ってる。隊長が送ってくれてたのを見てたからな」
言葉に詰まる。
竹内はそんな俺をにらんだ。
「ぶっつけ本番でやりながら覚えるのは、お前の得意技じゃないか」
フンという冷ややかな鼻息が聞こえる。
俺はヘッドセットを装着した。
「やれと言われたら、やるんだろ?」
「隊長、飯塚さんは?」
「03のことは気にするな。今は目の前のことに集中しろ」
プツリと通信は切られた。
「ホント、お前は人の神経を逆なでするのが得意だよな」
竹内はいつも俺に呆れている。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる