私と貴方の報われない恋

梨丸

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フェルナン

1 恋心

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 アーシャを一目見た時、俺は恋に落ちていた。




 アーシャとの出会いは何歳の頃だったろうか。

 両親の紹介でアーシャと会った時、無意識にも目を奪われていた。
 ふわふわのストロベリーブロンドに苺のようなまん丸い目。
 
 「はじめまして。アーシャといいます」

 辿々しくもお辞儀をするアーシャ。
 胸が高鳴った。


 「あなた、花かんむり作るの上手なのね!」

 心底感心したように言ってくる。

 「ん」と花冠を一つ差し出すとアーシャは満面の笑みを浮かべた。
 それから一日中、花冠をつけていたので余程気に入ってくれたのだろう。
 とても嬉しかった。


 

 十歳の夏、アーシャが屋敷に遊びにくることになった。
 好きな子が来ると言うことで、そわそわしたものだ。

 夕食を皆で食べ終わった後、俺たちはこっそり屋敷を抜け出した。
 アーシャがどうしても星空を見たい、と言ってきたからだ。

 二人で草むらに寝転がり、星空を見る。
 といっても、俺は星を見つめるアーシャに夢中だった。

 アーシャがこちらを見てきた。
 どきっとして思わず目を逸らす。

 「あなたの目って星みたいね」

 アーシャが独り言のようにつぶやいた。
 紫の髪に黄色い目。
 両親のどちらにも似なかったこの見た目が大嫌いだった。
 
 褒められるのに慣れていなかったからか思わず顔が赤くなる。

 「……ありがとう」

 


 十五歳の春、俺とアーシャは貴族学院に入学することができた。
 アーシャと一緒に通えるなんて、と胸を弾ませた。

 一緒に昼食を食べて一緒に勉強し、一緒に帰る。
 そんな生活が毎日続いた。
 夢のようだった。

 ある日、教室に行くと話したこともないような令嬢が話しかけてきた。
 名前は確か……マリー子爵令嬢だったか……。

 「アーシャ嬢と噂がたっているようですけど、実際どうなのですか?」

 アーシャと噂になっているなんて知らなかった。
 少し嬉しく思いながらも考える。

 もし俺がアーシャへの恋心を吐露してしまったら、アーシャはどう思うだろうか。
 アーシャにとって、俺は所詮


 「まあ、家族みたいなものだし、有り得ないかな」


 これが最適解だ、自分にそう言い聞かせた。

 


 

 

 
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